続・浜田節子の記録

書いておくべきことをひたすら書いていく小さなわたしの記録。

『飯島晴子』(私的解釈)夏の飯。

2021-01-28 06:38:00 | 飯島晴子

   夏の飯つめたき杉の黒

 夏の飯(カ・ハン)は、過、犯。つめたき杉(冷杉/レイ・サン)は、霊、惨。
 過(罪過)の犯(法や掟を破った)霊は惨(痛ましい)。
 黒(犯罪の事実がある人たち)の地域があるという。

 夏の飯はカ・ハンと読んで、過、犯。
 つめたき杉(冷杉)はレイ・サンと読んで、零、惨。
 黒はコク・ブ・ラクと読んで、告、侮、落。
☆過(あやまち)を犯して零(落ちぶれる)のは惨(痛ましい)と、告げる。
 侮(あなどられ)落(衰え駄目になる)。

 夏の飯はカ・ハンと読んで、歌、範。
 つめたき飯(冷飯)はレイ・サンと読んで、例、参。
 黒はコク・ブ・ラクと読んで、古句、奉、楽。
☆歌の範(手本)の例を参(比べ合わせる)。
 古句を奉(うけたまわる)楽しみがある。


『飯島晴子』(私的解釈)蟹の色。

2021-01-28 06:23:48 | 飯島晴子

   蟹の色悪しき真昼の声を出す

 (蟹は甲羅に似せて穴を掘る)人は相応の願望を持ち分相応の言動しかしないことのたとえ。
 相応の人間性である。色(男女間の性的な欲望)によって、真昼から悪しき(下品な)声を出しているなんて。

 蟹の色はカイ・シキと読んで、改、私記。
 悪しき真昼はアク・シン・チュウと読んで、握、深、衷。
 声を出すはショウ・スイと読んで、章、推。
☆改める私記がある。
 握(手につかむ)深い衷(心の中)の章を推しはかる。

 蟹の色はカイ・ショクと読んで、皆、嘱。
 悪しき真昼はオ・シン・チュウと読んで、和、新、注。
 声を出すはショウ・スイと読んで、照、遂。
☆皆(すべて)嘱(委ねる)。
 和(調合して)新しく注(書き記し)、照(てらし合わせること)を遂(やりとげる)。


R.M『媚薬』

2021-01-28 05:58:59 | 美術ノート

   『媚薬』

 背景は朱赤のベタである。燃える恋情、沸き立つ欲情という認識であるが、彩色が暗示する感情は、主体と思える上着の材質に不一致である。
 石を刻んだ服など見たことがないが、銅像の着衣だけを残したと考えれば肯ける。つまり本体(人間)が欠如したこの物は、もちろん《人間》を想起させる。

 人間不在、この上着の形はこれを着ていたであろう人間を曖昧に思いださせる。この画の時空は計り知れないほどの超未来かもしれない。人間(有機質)は焼失したが、石は劣化するも残存。超未来人(?)たちが恋い焦がれる《かつての人類》への恋情ではないか。

 これを着たらしい先祖の生物(人間)への遥かなる思いに狂おしくも身を委ねている。わたしたち現代人は過去の遺物として消え果た時空のずっと向こう、星の彼方でわたしたち現代人という消滅し果てた旧跡を恋情を持って偶像化し、眺める肉感的なつながりに求愛している。


 写真は『マグリット』展・図録より


『城』3581。

2021-01-28 05:46:34 | カフカ覚書

そんな愚にもつかなぬことを考えていたから、きみは、ここで自分の地位を維持できなかったのだ。当たりまえのことじゃないか。きみがひどく自慢しているその服や髪型からして、きみたちの女中部屋の暗がりと蚕の棚のようなベッドから生まれてきたものにすぎんのだ。


☆こんな考えでいたから、君は個々で主張できなかったんだ。全くはっきりしている、すでにあなたの服も元気も褒められることなく、ただ暗く消えていく各々あなたのテーマとしての願いにすぎない。


『飯島晴子』(私的解釈)古牡丹。

2021-01-27 06:01:58 | 飯島晴子

   古牡丹この日光に騙されし

 年老いた猪、この日光(カコウと読んで、囲う)、囲い罠に騙されて捕獲されてしまった。

 古牡丹はコ・モ・タンと読んで、古、模、探。
 この日光に騙され(此日光騙)はシ・ジツ・コウ・ヘンと読んで、詞、昵、考、遍。
☆古いものを模し探(探し求め)、詞(言葉)に昵(慣れ親しむ)考えが遍(あまねく行きわたっている)。

 古牡丹はコ・ボ・タンと読んで、怙、簿、胆。
 この日光に騙され(此日光騙)はシ、ジツ、コウ、ヘンと読んで、試、実、講、変。
☆怙(頼りにする)簿(ノート)に胆(本心)を試みる実(内容)がある。
 講(話)は変(移りかわる)。


R.M『微笑』

2021-01-27 05:36:05 | 美術ノート

   『微笑』

 ANNO、紀元ということだと思うが、Dominiがない。ここでは宗教は問題でなく、単に時間の集積である数字、274・1957・30861が、過去・現在・未来を暗示しており、これらすべてが、この絵の時点では《遠い過去》となっている。

 30861年は恐ろしく感じるほどの未来だが、過去(274)現在(1957)と並置できるほどの遥かな宇宙時間のずっと先の景色である。硬質の石が劣化し、背景は暗緑色のベタで時空を問えない超時空である。果たして人間の存在はあるのだろうか。

 この標石を見る生物(人間)はこの刻まれた意味を理解できず、首を傾げるだろうか。それとも遺跡発掘に叡智のルーツを確認し《微笑》したのだろうか。
 

 写真は『マグリット』展・図録より


『城』3580。

2021-01-27 05:20:56 | カフカ覚書

「なんという乱暴な空想をしているのだ、ペーピ」と、Kは行った。「きみがいまはじめてこれらすべてのことを発見したというのは、ほんとうじゃないね。これは下の暗い、狭苦しい女中部屋から生まれてきた夢想以外のなにものでもないんだよ。そういう夢想は、女中部屋でこそふさわしいが、この広い酒場までもってくると、滑稽に見えるだけだ。


☆なんて野性的な(自然のままの)空そうなんだ」と、Kは行った。今、最初の発見は真実ではない。きみたちの暗く狭い作り話から生まれた希望にすぎず、来世(本当の死)へと行く場所、酒場(死の入口付近)では奇妙なだけの願いにすぎない。


『飯島晴子』(私的解釈)未黒野に。

2021-01-26 07:24:41 | 飯島晴子

   未黒野に雨くる早さの剛い髪

 未黒野(焼畑/早春)に、雨(ウ→烏カラス)がもう来ている。剛(強くて)髪(ハツ→潑/元気がよいこと)である。

 未黒野はバツ・コク・ヤと読んで、抜、古句、也。
 雨くる早さ(雨来早)はウ・ライ・ソウと読んで、迂、頼、双。
 剛い髪はゴウ・ハツと読んで、合、撥。
☆抜(選び出す)古句也。
 迂(遠回り)に頼り、双(二つ)を撥(調整する)。

 未黒野はバツ・コク・ヤと読んで、閥、放、爺。
 雨くる早さ(雨来早)はウ・ライ・ソウと読んで、芋、礼、贈。
 剛い髪はゴウ・ハツと読んで、傲、潑。
☆閥(家柄)を放(言う)爺に芋を礼に贈った。
 傲(偉そうに)潑(収めた/はねのけた)。


『飯島晴子』(私的解釈)石臼の。

2021-01-26 07:06:28 | 飯島晴子

   石臼の刻み目未黒の水さそふ

 石臼の刻み目はザっと洗ったくらいでは汚れが残る。未だ黒いから更に洗浄する必要がある。

 石臼はセキ・キュウと読んで、昔、究。
 刻み目はコク・ボクと読んで、告、牧。
 未黒はバツ・コクと読んで、抜、古句。
 水さそふ(水誘)はスイ・ユウと読んで、粋、宥。
☆昔を究(つきつめる)と、告げる。
 牧(導く/修養)は抜(抜きんでている)。
 古句には粋が有る。

 石臼はシャク・キュウと読んで、癪、窮。
 刻み目はコク・ボクと読んで、刻、僕。
 未黒はバツ・コクと読んで、跋、告。
 水さそふ(水誘)はスイ・ユウと読んで、衰、融。
☆癪(腹が立ち)窮(行き詰まって身動きできない)刻(時)、僕(わたくし)は跋(歩き回る)と、告げる。
 衰(勢いがなくなり)融(心が和んでくる)。


『飯島晴子』(私的解釈)桃の闇。

2021-01-26 06:50:45 | 飯島晴子

   桃の闇地蔵の衣紋流れけり

 桃の闇・・・桃(百)の闇(思慮・希望などがない心の状態)、お地蔵様の衣(恵み)により紋(悶(苦しみ、悩み)が流れていった。

 桃の闇はトウ・アンと読んで、謄、諳。
 地蔵はチ・ゾウと読んで、質、増。
 衣紋はイ・モンと読んで、意、聞。
 流れたりはリュウと読んで、立。
☆謄(書き写し)諳(そらんじると)、質(内容)が増える。
 意(思い)を聞く立(論/筋道をただした話)がある。

 桃の闇はツウ・アンと読んで、套、案。
 地蔵はジ・ゾウと読んで、二、造。
 衣紋はイ・モンと読んで、異、文。
 流れたりはリュウと読んで、留。
☆套うことを案(考え)、二つを造る。
 異(別)の文が留まっている。