『柳に風』という言葉がある。広辞苑によれば、「すこしも逆らわずに巧みに受け流す意」と出ていた。日本では鳩山首相は「柳に風に受け流す」として評判がよくない。しっかりとした考えなしに受け答えして総理大臣として信頼できないとして人気が落ちて来ている。
京都で「府一」と言えば、旧京都府立第一高女のことである。「府一」の卒業生の義母(96)が、「加茂川の堤に波立つ柳、風には靡けど、その根は動かじ」と歌ってくれた。「柳に風」は「褒め言葉」である。そもそもの意味がいつの間にか取り替えられたのだろうか。
京都で「堀川」といえば旧堀川高女のことである。「堀川」の校歌に「金剛石も磨かずば玉の光はそわざらん」と歌ったと「堀川」出身で淀屋研究の第一人者新山通江先生にお聞きした。「府一」の校歌も「堀川」の校歌も、女子教育の振興に力を尽くされた明治天皇の皇后の昭憲皇太后の御言葉をいただいたのだということを新山先生に教えていただいた。
中曽根元総理は「風見鶏」と呼ばれ、現役時代、評判が悪かった。「風見鶏」を広辞苑で引けば「定見を持たず大勢に順応する人」と出ていた。「風見の烏」という言葉が広辞苑に出ている。「お高く止まっていばっているたとえ」とある。いずれも悪い意味に使われている。
「柳に風」も「府一」の校歌に「風になびけど根は動かじ」とある。足はしっかりと根をおろしながら、状況の変化に機敏に対応することの大切さを教えている。「風見鶏」も、状況は刻々変化し、一寸先が闇と言われる政治の世界では、変化に機敏に対応しなければならないことを教えている。「風見鶏」と呼ばれ、中曽根元総理はもって瞑すべしであろう。
鳩山首相は、外国の軍隊が駐留することは好ましくないというのが氏の持論である。その持論を総理の身として「封印」すると宣言された。普天間問題で右に左に発言がぶれる。嘘をつくことは良くないが、上手な嘘も政治家の方便として許されるだろう。
日本国民の多くは、小沢さんを支持して民主党に投票したのでない。50年続いた自民党政権にうんざりした。理屈抜きでとにかく交代を望んだに過ぎない。鳩山首相の支持率は落ちているが、民主党支持率が比較的落ちないのはそのためであろう。米国は日本と同じでないが、厭戦気分からブッシュ政権にうんざりした余り、米国民がオバマに投票した。
いま鳩山政権に国民が期待しているのは景気を一日も早く回復させることである。普天間問題も疎かにできない。しかし、ハワイでの日米外相会談でも、普天間問題だけを討議していないことが週初めのWSJ紙にも詳しく出ていた。米国として当然であろう。
景気回復に具体的に何をすべきか。その一点に絞って新政権は死力を尽くして欲しい。(了)
京都で「府一」と言えば、旧京都府立第一高女のことである。「府一」の卒業生の義母(96)が、「加茂川の堤に波立つ柳、風には靡けど、その根は動かじ」と歌ってくれた。「柳に風」は「褒め言葉」である。そもそもの意味がいつの間にか取り替えられたのだろうか。
京都で「堀川」といえば旧堀川高女のことである。「堀川」の校歌に「金剛石も磨かずば玉の光はそわざらん」と歌ったと「堀川」出身で淀屋研究の第一人者新山通江先生にお聞きした。「府一」の校歌も「堀川」の校歌も、女子教育の振興に力を尽くされた明治天皇の皇后の昭憲皇太后の御言葉をいただいたのだということを新山先生に教えていただいた。
中曽根元総理は「風見鶏」と呼ばれ、現役時代、評判が悪かった。「風見鶏」を広辞苑で引けば「定見を持たず大勢に順応する人」と出ていた。「風見の烏」という言葉が広辞苑に出ている。「お高く止まっていばっているたとえ」とある。いずれも悪い意味に使われている。
「柳に風」も「府一」の校歌に「風になびけど根は動かじ」とある。足はしっかりと根をおろしながら、状況の変化に機敏に対応することの大切さを教えている。「風見鶏」も、状況は刻々変化し、一寸先が闇と言われる政治の世界では、変化に機敏に対応しなければならないことを教えている。「風見鶏」と呼ばれ、中曽根元総理はもって瞑すべしであろう。
鳩山首相は、外国の軍隊が駐留することは好ましくないというのが氏の持論である。その持論を総理の身として「封印」すると宣言された。普天間問題で右に左に発言がぶれる。嘘をつくことは良くないが、上手な嘘も政治家の方便として許されるだろう。
日本国民の多くは、小沢さんを支持して民主党に投票したのでない。50年続いた自民党政権にうんざりした。理屈抜きでとにかく交代を望んだに過ぎない。鳩山首相の支持率は落ちているが、民主党支持率が比較的落ちないのはそのためであろう。米国は日本と同じでないが、厭戦気分からブッシュ政権にうんざりした余り、米国民がオバマに投票した。
いま鳩山政権に国民が期待しているのは景気を一日も早く回復させることである。普天間問題も疎かにできない。しかし、ハワイでの日米外相会談でも、普天間問題だけを討議していないことが週初めのWSJ紙にも詳しく出ていた。米国として当然であろう。
景気回復に具体的に何をすべきか。その一点に絞って新政権は死力を尽くして欲しい。(了)