チエロ演奏会風景
江嵜企画代表・Ken
カレッジ芦屋の富田先生からチエロの演奏会が芦屋ラポルテ・山村サロンであるから時間があれば聴きに来ませんかとお誘いを受けたので出かけた。
ラポルテはJR神戸線芦屋駅前にある。東隣は読売ジャイアンツ常宿のホテル竹園である。土地勘はあったが、山村サロンは恥ずかしながら初めてだった。午後2時半開場だったが、時間前から大勢のご婦人客が並んでいた。
会場は200人は十分入る。正面は能舞台になっていた。開演3時前に一杯になった。演奏がはじまったところで会場の様子をいつものようにスケッチした。土曜日だったが男性の姿はこれまたいつもと同じだがほとんどいなかった。
チエロの演奏をかぶりつきで聴くのは始めてだった。渡部玄一さんの熱演もあるがそれに添えるピアノの白石光隆さんとの呼吸ピッタりでお開きの4時半まで堪能した。
はじめにシューベルトのアルべジオ―ネ・ソナタ、休憩15分後にラフマニノフ・ソナタ短調作品19は4楽章に分かれていたが、渡部さんは章節ごとに汗をぬぐう熱演だった。
曲目の前にお二人は交代で話をした。お二人とも軽妙にして洒脱というか、的確に表現できないが、要するに話しが実にうまい。思わず引き込まれる、あれだ。
最初にピアノの白石さん。シューベルトは19世紀に生まれ、わずか31才になくなりました。彼は友達に恵まれました。曲を作っては「今の曲、どう思うか」と友だちに聞きました。短い生涯だったが600曲以上作った。当時産業革命の時代だった。「美しき水車小屋の娘」は代表作のひとつです。
産業革命の最中でした。水車から蒸気,蒸気から電気へ急激に変わった。技術を身につけてはすぐに変わる。職人は大変だった。憧れ・さすらい・黄昏へと気持ちも変転したと当時の時代背景を踏まえて解説した。
ラフマ二ノフの曲の前に渡部さんが話をした。彼はロシア出身のユダヤ人です。ロシアは13世紀モンゴルに征服され、長い間支配されていました。ピヨト―ル大帝は木工に身を隠してオランダで技術を盗んだと話が始った。
4楽章ごとに情景描写した。彼はロマン派からスタートした。色々批判されたがロマン派にこだわった。そのせいか最後の楽章は芯の強い曲になっていると解説した。
演奏会のあと富田先生の案内で、近くの喫茶店・バー「豆の木」で演奏者お二人を交えての楽しいひと時をいただいたのは幸いだった。話のなかで、NYのジュリアード音楽祭で3人の日本人の入賞者がいる。最初は江口玲さん、二番目が白石光隆さん、三番目が三舩優子さんだと聞いた。
三舩優子さんといえば、淀屋研究会でお世話になっている叔母様の三舩愛子さんのご紹介で神戸三宮の国際会館での演奏会を堪能した時の記憶がよみがえった。世の中狭いなとつくづく思った次第である。(了)