猪熊佳子日本画教室風景
江嵜企画代表・Ken
猪熊佳子日本画教室(高島屋難波店・友の会)で日本画を習っている。2年前、日本画家、森田りえ子さんを日本画家の猪熊佳子さんが引き継いだ。再スタート直後しばらくは、森田りえ子先生の強烈な個性の余韻が残り、さすがの猪熊先生にも若干戸惑いが見られた。
12~3名の小じんまりした教室だが、猪熊先生の熱心な指導を受けて、なごやな雰囲気のなかにもピーンと張り詰めた空気が教室の中に流れている。猪熊先生は森の画家の異名をもつ画家である。ただ、教室では筆者を含め、花の絵を描いている生徒が今も多い。
花を描ければ景色も人物も描けると断言する生徒がいる。筆者もそのうちの一人である。猪熊先生は生徒の目線で指導してくれるから気がね無しにいろいろ先生に聞けるという声は多い。
日本画教室は午前の部と午後の部とに分かれている。午前の部は10時30分から午後1時30分まである。3時間集中して絵を描いていると時に息抜きしたくなる。暫時、手の筆を休めて、助手の菊池啓二先生と仲間の生徒が立ち話している瞬間をねらって教室の様子をあわただしくスケッチした。
ところで、「森の詩 FOREST SEASONS」と銘打って、1月26日から2月1日まで、福岡三越9階画廊で「猪熊佳子日本画展」(092-724-3111)が開催され、30数点の日本画が展示される。今回は木具師・橋村萬象先生の作品とのコラボレーションも楽しみである。
1月2日から同じく福岡三越店で開催された森田りえ子「パリ帰国展」には「1万人を超える入場者で、かってない反響だった」とご本人からお手紙をいただいた。日本画の師匠お二人が期を同じくして同じデパートで個展開催は誠に奇偶である。
かって日本の百貨店は様々な催し物を通じて豊かな日本文化を紹介する場でもあった。今の日本には、目先の利益を優先するせつな主義が横行している。特にデパート業界は苦境の渦中にある。その中にあって相次ぐ日本画の個展開催にエ―ルを送りたい。
福岡界隈にお住まいの方や、お時間の許す方は、是非とも「猪熊佳子日本画展」にお運びいただければありがたい。(了)