日高芳樹氏大いに語る
江嵜企画代表・Ken
日高芳樹氏の講演会(NPO国際生涯学習センター・大阪市民大学センター主催)が大阪府社会福祉会館で開かれ、家族と出かけた。午後7時開演で8時30分まで一気に喋り、あと10分質疑応答全て、臨場感溢れており迫力があった。
会場の様子をいつものようにスケッチした。この手の講演会には男性が過半を占める。この日は、現役バリバリと思しき人も含めて女性の姿も多くみられた。
氏はNHKワシントン特派員、アメリカ支局長を経験した。現在もシンクタンク、ハドソン研究所をベースに八面六臂の活躍中の売れっ子の国際政治ジャーナリストである。
いきなり日本もアメリカのマスコミも事実を伝えようとしていないと話を始めた。小沢さんは脱税容疑で起訴に持っていく。幹事長は辞める。そいう記事を書く新聞記者は1人もいない。自分も記者だったが、世の中が何を望んでいるかについて記者自身が分かっていない。
普天間の問題は、1945年5月にアメリカは沖縄を占領した。そのまま居続けているだけだ。政治問題として騒いでいるがアメリカにとっては関係ない。日本がアメリカと戦争して取り返すだけだが、そういうわけにもいかない。本来そういう問題だと話した。
オバマはインターネットでお金を集めたというがオバマは大企業から巨額のお金をもらった。大企業の税務報告書に具体的に出ている。そのことについてオバマは嘘をついている。と言うと、いま会場におられる多くの方は、また日高はいい加減なことを言っているという顔をしておられるが事実です。
オバマがいかに大企業や銀行から多くのお金をもらっていたかということをアメリカの新聞記者は書かない。よってアメリカの新聞に載らない。日本の記者は直接自分で取材しない。アメリカの新聞を読んで記事を送るからほとんどの日本人はその事実を知らないと日高氏は話した。
40年前に筆者はワシントンに3年間駐在していた。日高さんの話をあらためて聞いて、一部例外の記者はおられたが、40年経った今も、日本の新聞記者の行動パターンというか新聞社自体の体制が全く変わっていないことを再認識した次第である。
オバマは500億ドルの国民の税金を大企業、銀行に投入した。結果は失業率は10%を超えた。住宅の値段は27%下がった。失業率が減らないため住宅の値段はこの先も下げ続ける。ブッシュの時の失業者は500万だった。オバマになって1000万に増えた。オバマの経済政策は完全に失敗した。
ただ、オバマが大統領にならないと予測したが見事外れた。クリントンはかしこ過ぎたためだ。彼女は大企業に警戒された。オバマは政治家の経験も下院3年上院3年と少ない。オバマは友達がひとりもいない。素人のオバマの方が大企業に都合がいい。
国民皆保険法案をオバマが取り上げているがそもそもファイザーなど大手薬品会社がバックアップした。バラバラで薬を売るより法律によって一本化した方がはるかに薬品会社は儲かる。オバマは大企業からお金をもらったから取り上げているだけだと話した。
オバマは、経済、軍事は特に知らない。日本人はオバマ大好きである。だからあまりオバマの悪口は言いたくないが、景気は良くならない。11月4日の中間選挙で民主党が上下両院で議席を減らすと政治は大混乱になり、大統領を辞任する可能性も大いにあると大胆予測した。
日米安保はどうなるか?とある男性が質疑応答で聞いた。自分のことは自分で守る。単純な話である。こういう考え方を子共にしっかり教えて欲しい。もっと教育に力を入れて欲しい。全ては教育なんですよと力説した。
ここで大事なことは、日本が生き残るすべは、日本人の優れた遺伝子を生かすことに尽きる。軍事ではタンクや核兵器は要らない。得意のハイテク技術力によりサイバー・ビームの技術開発を可能にすれば、核兵器すら簡単に撃ち落とすことが出来ると明快だった。
この種の技術は社長一人従業員4~5人の町工場で生まれる。日本の将来は中小企業をいかに育てるかで決まります。大企業はただ儲かればいいとしか考えない。儲けのためなら簡単に人を首にする。
アメリカも日本もその点は全く同じだ。今の政治家は普通の人の気持ちが分からなくなっている。中国も同じである。共産党の官僚が全てを牛耳っている。普通の人間は関係ない。温家宝も大企業と同じで共産党に逆らうと身分が危ない。
中国についていえば、中国が世界を支配することにならない。中国は13億の人間を食べさせるだけの資源がない。中国で老齢化が進んでいる。水がない。必ず成長に限界が出てくる。
これからの日本はどうすればいいか。日本人はぎりぎりの局面に追い込まれると力を発揮するとアメリカ人にも恐れられている。原爆投下も広島一発だったら戦争を止めない。そこで長崎にも落とした。アメリカが日本を怖がったからだと話した。
質疑応答のあとも、つぶやくように、教育が大事ですよ。教育です。自分のことは自分で守ることです、と再度、繰り返して話を終えた。拍手がしばらく止まらなかった。(了)