日本人にとって2009年は為替がキーワードになると考えられる。バラク・オバマ氏が、米国民の期待を一身に集めて、黒人初、第44代の米大統領として就任した。ドルは対円以外では値上がりした。しかし、対円では1ドル=89台へ値下りした。ドルの反面教師である金相場は反発、オンス856ドルで取引された。
NY株式市場は、まるでオバマ就任演説を待っていたかのように演説の前後から下げ足を早め、先週末332ドル、4%下げ、7,949ドルで取引を終了した。シティグループ、バンカメはじめ金融株が軒並み大幅に売られたことが影響した。
オバマ大統領は、演説の中で、米国が現在、経済及び金融共に極めて深刻な状況に直面していること、米国が過去にためた埃を払い、一部の利益を守ってきた政策を変えなければならないと演説した。ウオール街はじめ金融界の甘い期待を打ち砕く言葉かもしれない。
米国は、金融も家計もバランスシート(家計簿)が破綻している。莫大な公的資金を投入してバランスシート悪化を敢えて承知で、景気を刺激しようとしている。しかし、解決にはそれ相当の時間がかかる。この先失業は増え、金融機関の赤字決算は続くと見られる。
米国経済も深刻だが、英国のバランスシート破綻は米国以上である。ロイドバンクオブスコットランドの大幅赤字決算をきっかけに、英ポンドが売られ、1英ポンド=1.3936ドルまで値下がりした。半年前の昨年8月では1英ポンド=2ドルだった。様変わりである。
英ポンドは対ユーロでも、1ユーロ=90.8ペンスまで値下がりし、1ユーロ=1英ポンドを迎える日が近いかもしれない。イングランド銀行がゼロ金利を視野にいれ始めたことが背景にある。英国がゼロ金利になれば、シェクスピアの名作「ヴェニスの商人」も型なしだ。
英国の病気がユーロに伝染したのかこのところユーロ圏から悪いニュースが続々届く。ユーロ加盟27国の2009年のGDPが年末予測の+1.8%から一転―1.9%へECB(欧州中央銀行)が下方修正した結果、1ユーロ=1.2881ドル、1ユーロ=115.50円で取引された。
ユーロが下げ足を早めた背景のひとつに、格付け会社のスタンダード&プアーズが、スペインの国債の評価をAAAからAA+へ格下げしたことが影響したと今朝のWSJ紙は説明している。先週ドイツ銀行が前期の赤字決算を発表したこともユーロ売りの材料にされた。
対豪州ドル、対NZドルでも日本円は買われ、対豪ドルで58円台、対NZドルで46円台まで値上がりした。一年前、豪ドルは97円台、ニュージーランドドルは86円だった。豪ドル、NZドルを勧めた日本の金融機関は顧客にいまなんと説明しているのであろうか。
日経ネット1月17日で、プーチン大統領の絵が3,700万ルーブル(1億1,000万円)で落札したと出ていた。リーマンブラザーズ破綻前に1ドル=24ルーブルが現在32ルーブルである。1ドル=50ルーブルになるとの予測もあり買主は高値づかみになる怖れがある。ルーブルの値下がりは、原油、天然ガスの国際相場の急落とそのまま連動している。
今朝のNY原油(WTI)相場はバレル38ドルで高値147ドルの1/3である。世界景気の回復が遅れれば遅れるほど、原油相場の早急な反発は望みがたい。
日本は原油はじめ資源の99%を海外から輸入している。資源安、円高のメリットを日本はなぜ生かさないのか。そうば乱高下は困るが、円高のプラス面にも目を向けて欲しい。(了)
NY株式市場は、まるでオバマ就任演説を待っていたかのように演説の前後から下げ足を早め、先週末332ドル、4%下げ、7,949ドルで取引を終了した。シティグループ、バンカメはじめ金融株が軒並み大幅に売られたことが影響した。
オバマ大統領は、演説の中で、米国が現在、経済及び金融共に極めて深刻な状況に直面していること、米国が過去にためた埃を払い、一部の利益を守ってきた政策を変えなければならないと演説した。ウオール街はじめ金融界の甘い期待を打ち砕く言葉かもしれない。
米国は、金融も家計もバランスシート(家計簿)が破綻している。莫大な公的資金を投入してバランスシート悪化を敢えて承知で、景気を刺激しようとしている。しかし、解決にはそれ相当の時間がかかる。この先失業は増え、金融機関の赤字決算は続くと見られる。
米国経済も深刻だが、英国のバランスシート破綻は米国以上である。ロイドバンクオブスコットランドの大幅赤字決算をきっかけに、英ポンドが売られ、1英ポンド=1.3936ドルまで値下がりした。半年前の昨年8月では1英ポンド=2ドルだった。様変わりである。
英ポンドは対ユーロでも、1ユーロ=90.8ペンスまで値下がりし、1ユーロ=1英ポンドを迎える日が近いかもしれない。イングランド銀行がゼロ金利を視野にいれ始めたことが背景にある。英国がゼロ金利になれば、シェクスピアの名作「ヴェニスの商人」も型なしだ。
英国の病気がユーロに伝染したのかこのところユーロ圏から悪いニュースが続々届く。ユーロ加盟27国の2009年のGDPが年末予測の+1.8%から一転―1.9%へECB(欧州中央銀行)が下方修正した結果、1ユーロ=1.2881ドル、1ユーロ=115.50円で取引された。
ユーロが下げ足を早めた背景のひとつに、格付け会社のスタンダード&プアーズが、スペインの国債の評価をAAAからAA+へ格下げしたことが影響したと今朝のWSJ紙は説明している。先週ドイツ銀行が前期の赤字決算を発表したこともユーロ売りの材料にされた。
対豪州ドル、対NZドルでも日本円は買われ、対豪ドルで58円台、対NZドルで46円台まで値上がりした。一年前、豪ドルは97円台、ニュージーランドドルは86円だった。豪ドル、NZドルを勧めた日本の金融機関は顧客にいまなんと説明しているのであろうか。
日経ネット1月17日で、プーチン大統領の絵が3,700万ルーブル(1億1,000万円)で落札したと出ていた。リーマンブラザーズ破綻前に1ドル=24ルーブルが現在32ルーブルである。1ドル=50ルーブルになるとの予測もあり買主は高値づかみになる怖れがある。ルーブルの値下がりは、原油、天然ガスの国際相場の急落とそのまま連動している。
今朝のNY原油(WTI)相場はバレル38ドルで高値147ドルの1/3である。世界景気の回復が遅れれば遅れるほど、原油相場の早急な反発は望みがたい。
日本は原油はじめ資源の99%を海外から輸入している。資源安、円高のメリットを日本はなぜ生かさないのか。そうば乱高下は困るが、円高のプラス面にも目を向けて欲しい。(了)