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「キン肉マン」というのは、わたくしの小学校の頃はやっていたらしいのであるが、一回も読んだことがなかった。この頃はたぶんプロレスブームだったので、たぶんそういう感じのモンと思っていた。この前、宮台★司が、格闘技は時間の無駄がないけど、野球とかサッカーとかはだらだらしてて嫌いと言っていたが、考える時間もなく殴り合うとか蹴り合うというのは、ただの弱い者いじめであるから、わたくしは格闘技は昔から嫌いである。痛そうだし。
紅白歌合戦を見なくなったのは、あの北朝鮮みたいな雰囲気がいやなのもあるが、いやだと思って裏番組を見ると、格闘技しかやってないというのもある。歌か格闘技しか選択肢がないという、どこの部族やねんというわけで、自然とテレビから遠ざかってしまった。
今回、「キン肉マン」というのをはじめて読んでみた。第一巻だけ。この時点では、「ウルトラマン」のパロディであるようだ。ここから、遠くない時期に、おそらくは読者の要請で、格闘技マンガになってしまったのであろう。ドラゴンボールと同じ流れだ。以前のわたくしなら、そこに読者の頽廃をみるところであるが、案外、七十年後半から八〇年代の下品なパロディの隆盛と格闘技の流行は、同じような現象なのかもしれないという気がする。
どちらも戦後文化や戦争のパロディなのである。プロレスなんかは、格闘技のパロディでもある訳である。「キン肉」は人体の一部だが、「ウルトラマン」の「ウルトラ」のような形容なのであって、実際の筋肉ではない。それが、宮谷一彦の筋肉との違いだ。ただ、その筋肉もパロディに成りかかっているのであるが――こういう風潮は面白いけれども、長い間は続かないと思う。
第一巻自体は面白かった。これは小学生にウケるわけである。とてもやさしい絵で暖かみがあるし……。