尾花沢もよくわからない地名の一つだ。
尾花はススキのことだから、ススキ沢のこと、と考えられなくもないが、この地で古来よりススキのことを「尾花」と雅な言葉で呼んでいたとも考えにくい。
「オバナ」というままではアイヌ語にもなりにくいと思っていた。アイヌ語地名の本などにも見つけたことがない。
そんなとき、ふと思い出したのが高校時代のこと。尾花沢地区付近から通学してくる同級生は尾花沢を「オバネ」と呼んでいた。
それは尾花沢を省略してそう呼んでいたのかと思っていたが、もしかしたら、古い人々は古来そう呼んできたのではないか。つまり、元の呼び方は「オバネ」だったのではないかと思いついた。
オバネであれば、アイヌ語の「オン・ポ・ナイ」が考えられる。意味は「深く小さい沢」という意味で、秋田県に生保内(オボナイ)がある。
オンポナイがオバナイになり、サパナイがサバネになったように、ナイがネに変化してオバネになったと考えられる。
それに漢字をあてるとき、「オバナ・オバネ」に「尾花」をあて、「ナイ・ネ」に沢をあてて和読みしたと考えれば地形との合致もみられる。
尾花沢市の専門家に尋ねたわけでもなく、これはあくまでも私見であるので、訂正の情報があれば是非お願いしたい。