13日は宿用院の、昨日15日は松林寺の涅槃会(ねはんえ)でした。
涅槃会は、2月15日であるお釈迦様のご命日に、「涅槃図」を掛けて報恩感謝の法要をする仏教徒の大事なお勤めです。
どちらも、20名ほどの皆様と、お経を読み御詠歌を唱え、涅槃図のお話をしてお勤めしました。
違うのは「涅槃だんご」の配り方です。
宿用院では、お参りの皆様に袋入りの涅槃だんごを静かにお渡しするのですが、松林寺では例年、だんごを景気よく撒くのです。
節分とごっちゃになっているような気がしないでもないのですが、毎年大量のだんごを参詣者に向かって豪快に撒くのです。
年の数ほど拾うのがいい、などという言われ方もして、皆様必死になって拾います。
本堂中、着ているものも、粉で真っ白になりながら、大きな歓声を上げて大騒ぎをします。
おそらくは、雪に閉ざされた寒村の冬の娯楽の一つだったのではないかと思われます。
「昔は幻灯を見せてもらったっけな」などと懐かしむおばあちゃんの声などを聞くと、お涅槃の意味そのものよりも、お寺に集まって楽しむ機会を提供してきた意味の方が大きいのかと思います。それはそれで、お寺の大事な行事であったでしょう。
一年に一度、この時にしか拝めない「涅槃図」を来年こそは是非ご覧ください。宿用院の涅槃図も松林寺の涅槃図も、大変立派なものだと誇りに感じています。