なあむ

やどかり和尚の考えたこと

母の一周忌

2014年10月05日 07時13分00秒 | ふと、考えた
昨日は家内の母の一周忌でした。

昨年の昨日、82歳で亡くなりました。

私と家内の結婚は見合いでした。しかも、1回目顔を合わせて、その6日後に会った2回目で決まってしまうという慌ただしいものでした。

当人二人の決断というような感覚はなく、周囲の雰囲気でまさに「決められた」というような流れでした。

その日のうちに結納の日取り、結婚式の日時、会場まで押さえるという、周到ぶりでした。

その慌ただしさのためか、決まってしまった後に、家内の方は次第にブルーというか、悩んで落ち込んでしまっていたようでした。

その状態は結婚式を挙げたその後もしばらく続き、二人の仲は決して穏やかではありませんでした。

ある日、母親を交えて話をしていた時に、大声を張り上げて家内を責めた時がありました。

その時、母親は、結婚生活なんていうのはそんな最初からうまくいくものではない、時間をかけて仲良くなっていくものだ、というようなことを話し、涙をこぼしながらこう言ったのを覚えています。

「何十年か経って、昔はこうだったなあと笑いながら話せることができることを夢見てる」と。

その母親の言葉の通り、次第に二人は互いに歩み寄り、我慢もし、欠点は見て見ぬ振りしながら、何とか折り合いをつけてきました。

今では、こんな風に笑い話として、振り返ることができるようになりました。母親の夢が現実になったと思います。

結婚を「ゴール」などという人がいますが、それは間違いです。

どれほど長くつきあってきた仲であっても、結婚生活は恋愛とは違います。

夫婦という一つの単位で新たな生活をつくっていく「スタート」に違いありません。

誰と結婚したか、よりも、その人とどう生きていくか、が結婚というものだと思うのです。


中島みゆきも歌っています。

 そんな時代もあったねと いつか話せる日がくるわ
 あんな時代もあったねと きっと笑って話せるわ 

そんなことを思い起こした一周忌でした。