なあむ

やどかり和尚の考えたこと

三ちゃんのサンデーサンサンラジオ163

2018年06月17日 04時40分04秒 | サンサンラジオ
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三ちゃんの、サンデーサンサンラジオ!

今週もはじまりましたサンデーサンサンラジオ。
お相手は、いつもの三ちゃんこと三部和尚です。

6月17日、日曜日

おはようございます。
新潟からお送りしています。
12日から始まった新潟巡回、昨日が中日で今日から後半戦突入です。
ここまで、長岡、小千谷、十日町、南魚沼、加茂と回ってきました。
それぞれの場所で、先輩や後輩、仲間がいて、懐かしい話をしたりお酒をいただいたりしてきました。
フェイスブック等で私を知る皆さんからは、「飲みすぎないように」「肝臓に気をつけて」と温かいアドヴァイス、忠告?をいただいています。
今は、次の日に影響するほどいただくことはありませんので大丈夫です。少しは大人になりました。
しかし、いささか疲れました。

昨日は後半分の下着や作務衣、着物まで、一切洗濯することができて、明日からの着替えを心配せずに回ることができます。
旅も長丁場になると、着替えのことが気になります。
毎日の着替えを全て持ち歩くのも大変なので、途中で洗濯すことにしていますが、そのタイミングを計ることが大事です。
午前午後と一日二座ある時には、乾燥の時間もあるので洗濯ができません。
洗濯機がない宿もあるので、ある時にしてしまわなければなりません。
ということで、昨日はちょうど中日でもあり、早めに宿にも着いたので、一気に済ませたというわけです。

新潟は、永平寺からの修行の帰りに歩いたところでもあり、その当時のことを思い出しながら話をさせていただいています。
富山県から新潟県に入ったとたんに空気が変わったと思った印象がありました。
行脚僧を見る人々の目がやさしいという感じでした。
例えば、遠くの畑で作業していたご婦人が、私の姿を目にとめて、持っていた鍬を下に置いてわざわざ被り物をとって手を合わせてくれたことがありました。
私にというよりも、雲水の姿に対して手を合わせてくれた訳ですが、心からありがたいと感じた記憶があります。
また、「行者さーん」と声をかけられて、振り向くと「托鉢をしてるんでしょ」とお金を渡されたり、バイクで通りすがりざまに「ちょっと待って、お布施」と言ってお金を渡してくださった方もありました。
良寛さんを生んだ土地柄のためか、お坊さんに対して功徳を積むという行為がDNAに刻まれているかのようでした。
その良寛さんにも巡り合いました。
良寛さんが越後の人だとは漠然と知ってはいましたが、越後のどこかとか、どこに何があるかなどということにはあまり関心もありませんでした。
出雲崎にさしかかったとき、あちこちに良寛さんの名前が目立つようになりました。「良寛牛乳」とかです。
そして、「五合庵」の矢印に行き当たったのです。
五合庵は知っていました。
良寛さんがしばらく身を寄せていた庵。「盗人にとりのこされし窓の月」を詠んだ五合庵です。
「ここだったのか」と感激し、案内板の矢印に沿って山道を登っていきました。
この道を良寛さんは、托鉢や村の子どもたちと鞠つきをするために下ったり登ったりしていたんだなあと思い、感慨にふけりました。

歩く旅であるがために、いろんな出会いがあり、感激も感慨も感じることができました。
人生が旅だとすれば、急ぐばかりがいいことではありません。
ゆっくり、じっくりと歩を進め、一つ一つの出会いに向き合い時間をかけていく、その方が豊かな旅だと言えるかもしれません。
歩いた時のことを振り返りつつ、今の自分の時間の使い方を見つめなおす機会ともなりました。
さて、今日から4日間、新たな出会いを重ねて旅を続けます。
頑張りましょう。


今週はここまで。また来週お立ち寄りください。