Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

シューマンのピアノ曲

2010年09月06日 21時20分19秒 | 芸術作品鑑賞・博物館・講座・音楽会等
 先日購入したドボルザークの弦楽四重奏曲「アメリカ」(カルミナカルテット)、私の好みとはいえない演奏だった。第1バイオリンが跳ねるような演奏で、楽器を十分に鳴らしていない。何某雑誌の特選版とは残念ながら恐れ入った演奏であった。
 ということでたっぷりと聞かせてくれる器楽曲はないかとレコード店を物色して、伊藤恵のシューマニアーナ12巻を見つけ、第1巻を購入(2,000円也)。
 シューマンのピアノソロの曲は始めて聴く。それよりもなによりも伊藤恵というピアニストが20年かけてシューマンの全曲演奏・全曲録音に挑戦していることは前から知っていたが、その執念というか、持続に敬意を払わなくてはいけないと感じていた。これまで値がはっていて購入には二の足を踏んでいたが‥。
 内田光子が、ベートーベンのピアノ協奏曲、同じくソナタ全曲録音、ショパンのソナタ全曲録音などをしていることを知っているが、ひとりの作曲家のピアノ曲全曲というのは、魅力的な企画である。
 早速クライスレリアーナ(作品16)、幻想小曲集(作品12)、幻想小曲集(作品116)を聴いた。
 なかなかじっくりと聞かせてくれ、飽きがこない演奏と感じる。彼女の演奏は、圧倒的な音量と超絶的な技巧でパワフルに聴衆をうならせるというものではなく、音ひとつひとつの響きを大切にしてじっくり聞かせるタイプと思った。もし協奏曲ならブラームスであろうが、このようなソロの演奏がふさわしいのかもしれない。確かにシューマンのファンになってしまいそうな気がする。ただしこのシリーズはシューマンの曲を初期から晩年まで年代順に並べたものではない。各巻ごとの選曲には伊藤恵という演奏者の思いが込められていると思うが、その記載がないのは若干さびしい。すべては演奏に込められているということなのだろうか。
 これは残り12巻も購入しないといけないようだ。