Fsの独り言・つぶやき

1951年生。2012年3月定年、仕事を退く。俳句、写真、美術館巡り、クラシック音楽等自由気儘に綴る。労組退職者会役員。

秋の雨

2010年09月23日 14時48分52秒 | 日記風&ささやかな思索・批評
 昨日の満月は雲が全天を覆い見ることができなかった。本日は一日中雨の模様。風はほとんど感じないがかなり激しく降っている。
 雨の音に驚き団地の庭をそれとなく見ると、欅が目に入った。雨に黒くぬれた太い幹に垂直に白い帯状の模様が鮮やかだ。最初は何かわからなかったが、黒い部分は欅の幹の部分を流れ落ちる滴の跡、白い部分は滴が流れ落ちずに乾いたままの部分であった。太い幹、起伏というか凸凹があるものの、滴は基本的に垂直に落ちる。滴が垂れない部分は幹に垂直に帯状に残ることになる。雨が激しく降る間にその白い帯状の部分が少しずつ細くなっていく。
 雨は常に一定に降るわけではない。激しく水煙を上げるように降る時間は長くても30秒ほど。ちょうど人間の連続する意識の上限に近い間合いで強弱を繰り返している。ガラス戸のレースのカーテンの隙間から、ひとしきり外をながめるともなくながめていた。秋の雨は人を飽きさせない。南側の庭の向こうの二つの棟の間から樹木の枝越しに、遠くの向かい側の丘の北斜面の住宅が見える。その住宅が雨の強弱に従い、鮮明に見えたりかすんだりを幾度か繰り返した。
 欅の幹の白い帯状の部分はほとんどが滴で黒く変色していた。欅の幹はぬれる前後でこんなにも色が変わることをはじめて認識した。