本日から「トウガラシの世界史」(山本紀夫、中公新書)を読み始めた。
本日は第1章「トウガラシの発見」、第2章「野生種から栽培種へ 中南米」を読み終わり、第3章「コショウからトウガラシへ ヨーロッパ」の途中まで読み終えた。
「最初の植物栽培に関する考古学的な証拠は、ペルーの中部山岳地帯で紀元前8000年から7500年にまでさかのぼる。」(第1章)
またトウガラシは神聖視あるいは貴重視されていたようだ。
「辛みを身につけている植物は、辛みで動物から食べられないように体を守っている。にもかかわらず鳥はトウガラシの辛みをものともせず、実を食べる。・・・鳥に食べけられたトウガラシはは発芽率が極めて高くなる。鳥は種子を壊さずに化学的・物理的に果実の果皮を柔らかくする消化管を保有し、発芽を促進する。」
(第1章)
「(トウガラシなど)木本性(もくほんせい)の香辛料作物(コショウ・サンショウ等)はどれも品種の多様性という点ではトウガラシに遠く及ぱない。また熱帯などの一部地域に栽培が限定されるのにトウガラシは熱帯だけでなく、温帯でも栽培できる。その結果トウガラシは世界で一番さくさん栽培され、消費される香辛料なのである。」(第2章)
第1章、第2章はトウガラシの基本的な知識である。私も辛みがカプサイシンということ、新大陸から最初にスペイン・ポルトガルに伝わり広がったということくらいしか知らないので、基本的な記述から引用してみた。
第3章以降はヨーロッパなどトウガラシが伝わった地域でのトウガラシの受容に力点が移る記述になるようだ。トウガラシが広まる過程にこだわって読み進めたいと思う。