会期が2週間もある個展は明日が最終日。ようやく横浜線の「成瀬駅」の傍の「成瀬美術座」というギャラリーに顔を出した。
そして新作の銀箔による作品に接することができた。作者は雁皮紙にこだわって作品を作り続けている。こういうこだわりにも惹かれる。
これまでの青や紫や黄といったイメージがあるので、それを踏まえてじっと見ているとさまざまな色が浮き上がっては消えていく。素敵な試みだと感じ入った。
これまで気に入っていた作品も展示されており、私にとっては短いけれどもたのしい時間を過ごすことができた。もっと早く見に行きたかった。
以前は果てしなく遠い宇宙の銀河を思い浮かべていたけれども、最近はモネの睡蓮の連作を想像したりする。いろいろと想像を駆り立ててくれる作品の世界だと思う。
そして私は黄色の輪をつくる細い線と、チェックのような黄色の形態が気に入っている。
光が水面に届いてきらっと反射しているのだろう。今まさに光が届いているという時間を表現していると思える。
さらに紫の深い色合いも気に入っている。青の明るい色の中で、そこだけ重力が落ち込んでいくような、それこそブラックホールの吸引力を感じさせる。その周りの楕円はそんな恐ろしい形状に気が付かないように、静かにたたずんでいる。そんな不思議な世界も感じる。
最新の画像[もっと見る]
- 新年を迎えて 1年前
- 謹賀新年 2年前
- 「渡辺崋山」(日曜美術館) 5年前
- 謹賀新年 5年前
- 謹賀新年 6年前
- 「ものの本質をとらえる」ということ 7年前
- 台風18号の進路が気になる 7年前
- 紅の花 8年前
- 「ゲルニカ」(宮下誠)読了 8年前
- 国立近代美術館「コレクション展」 9年前