昨日届いていた岩波書店の「図書4月号」をもって横浜駅へ。所用を済ませたのち、喫茶店でのんびり読書と思ったが、喫茶店は次第に混雑が激しく、満席近くとなり騒がしくなってしまった。
30分ほどで退散。
本日読んだのは以下の5編にとどまった。
・【表紙】キャサリン・オブ・アラゴン 杉本博司
・遠き日の昔のことども 佐藤 年
・鴎外この一作① 鴎外の政治思想~『阿部一族』論 平野啓一郎
「阿部一族」の主題は、根本的には、鴎外が生涯拘り続けた自由意志と不可抗力との相克である。」
「鴎外の炯眼は、この統治体制を支えているものが、島原の乱に代表される戦闘であることを見抜いている。忠孝という生死をかけた概念の実体化であり、殉死という極めて象徴的な行為を現前させるのは、その具体的経験であり、記憶であり、歴史なのである。ここに、鴎外の政治思想的な洞察の凄みは、今日に至るまで、自由文に理解されてきたとは言えない。‥政治を巡る現代思想の議論は今日も盛んだが、鴎外作品は、その理解のための精妙にして複雑な沃野であろう。」
・萎れた花束 谷川俊太郎
・「一即一切、一切即一 レッド・ツェッペリンと華厳経」 桂 紹隆