朝起きてみたら予報どおり雨。とはいえ時間換算雨量は5ミリ未満の雨である。しかし寒い。数日前にいったん気温が上がったので、余計に寒く感じる。15自前の8℃というのが、本日のこれまでの最高気温。
出かける意欲はなく、朝から繰り返し聴いているのが、モーツアルトの弦楽四重奏曲の第20番~第23番。それぞれK.499、K.575、K.589、K.590という番号が付いている。
第20番以外は「プロシャ王セット」と呼ばれるが、当時のプロシャ王フリードリッヒ・ヴィルヘルム2世に献呈された形跡はないらしい。
フリードリッヒがチェロにかなり堪能で、それゆえにチェロが活躍する、と言われているが、チェロの曲をあまり書かなかったモーツアルトが美しくチェロを鳴らしているあたりが献呈とされた根拠かもしれない。
第20番は、1786年30歳の作品。第21番以降は3曲とも1790年34歳と死の前年の作品である。
チェロが朗々と活躍することは確かであるが、それを高音で支えるヴァイオリンの美しさも忘れたくない。
1789年、フランス革命が起こった年である。
モーツアルトはこの事件をドイツ語圏の中にいて、どのように受け取ったのだろうか。
まもなくナポレオンという嵐がドイツにも吹き荒れるのであるが、時代の大きな変わり目であり、複雑怪奇にヨーロッパ世界が揺れ動いていく。
江戸時代、松平定信が老中筆頭となり、天明の飢饉と倹約令などで庶民の生活がひっ迫し、異学の禁・海防など統制が厳しくなった時期である。英・露などが蝦夷地などに来航し、ヨーロッパの足音がひたひたと押し寄せていた。
健康を害し、貧窮のうちにあったモーツアルトにとっては、それどころではなかったのかもしれない。
いろいろと想像することが多い。
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