午前中は、神奈川大学の六角橋キャンパスの生協にて書籍の注文。その後、先日購入した喪服の上着の袖をつめてもらったのができあがり、受け取りにみなとみらい地区へ。昼食は二人で神奈川大学のみなとみらいキャンパスにある食堂にて。
帰宅後は「図書3月号」読みながら休息。いつものように覚書として。
・[表紙]レンブラント 杉本博司
「レンブラントの絵は不思議だ。薄暗い部屋に人物が佇むのだが、一体その光がどこから来るのか皆目見当がつかない。一瞬蠟燭の光かと思う。しかしその影は柔らかく、蝋燭特有の強い影がどこにも見当たらない。‥異様に不自然なのだ。‥レンブラントのスタジオは昼日中の柔らかい光満ちいていたのだ。‥レンブラントは非妥協的完璧主義者だったのだ。レンブラントは背景を暗く暗く落としていった。。いわば昼の光を夜の闇に閉じ込めようとしたのだ。闇は微細な光を引き立てる。‥真実など芸術の世界には存在しないのだ。」
・満蒙開拓団の歴史から「国策」を考える 加藤聖文
「岸田首相は原発再稼働を決めた。‥相変わらずこの国は一度決めた国策を止めることはおろか転換することもできない。大日本帝国でも日本国でも国策をめぐる本質は変わっていないのだ。78年前に破綻した満蒙開拓団を巡る歴史は‥悲劇の大きさに反比例してなぜ責任の所在が曖昧になるのか、その本日を見事に表している。国策は一部の権力者の悪意や利害だけで決まるものではない。現業に対して危機感を抱くやる気のある者たちの「善意」から生まれるものであり、動機と結果のギャップが大きければ大きいほど、結果を直視できなくなり、評価を狂わせてしまう。」
・シェフチェンコの《遺言》について 藤井悦子
・無茶苦茶 柳 広司
・光のなかへ 小澤征良
・脳科学者がイヌを飼ったら 明和政子
「「ヒトとは何か」を知りたくて研究を生業としている私にとって、チンパンジーは「師」である。‥ヒトだけ見ていては気づかない人間らしい側面がはっきりと浮かび上がってくる。チンパンジーとヒトの間にあるほどよい距離はヒトが自らの存在を思考し、客観的に理解する手がかりを与えてくれる。イヌとの距離は私にとってあまりに近すぎる。イヌはヒトと共生する環境において適応的に働く脳と心を進化の過程で獲得‥ヒトの脳が予測、期待するとおりのふるまいをする。‥自己を冷静に振返る機会がなかなか得られない。イヌは私にとって師ではない。」
・シベリアのパリでの邂逅 ヤン・ポトツキと大黒屋光太夫 畑浩一郎
「ロシア政府自らが学術期間を組織し、安定した語学教育を行わねばならない。そこで養成される通訳こそが東方進出の足がかりとなる。イルクーツクでの邂逅は実現せずとも、大黒屋光太夫とヤン・ポトツキは、ロシア東方拡大における現地語教育という問題において共通の土俵にいる。」
・おれたちの伝承館 中筋 純
「「過去に目を閉ざす者は、現在にも盲目となる」(1985年 ドイツ大統領ワイツゼッカー) 本当の過去を遠ざけてしまうと、本当の未来も遠ざかってしまうのでる。それはロシアのウクライナ侵攻に乗じて昨年末に突如閣議決定された原発の再稼働と新増設という結果をもたらしていることでも明らかだ。」
・ゆうやけ七色 近藤ようこ
「過去を学ぶのは未来を考えること。」