昨日の続きを夕食後に読んだ。
・一箇半箇の弓聖たち 桐谷美香
・笙の形而上学 ファビオ・ランベッリ
・藤原定家自筆原本「顕注密勘」の出現 小林一彦
・冷たい乙女たち 中村佑子
「(智恵子は)愛する高村光太郎が自分に求める虚像のイメージに追いつめられた。智恵子は福島で、ようやく息が吸えたのだろう。東京に空がないのではなく、光太郎との生活に空がなかった。・・・(精神科医の松村幸司は)「光太郎の一人角力によって美意識の中に取り入れられたさまざまの生活の点景の一つとして取り扱われ、智恵子が発狂すると自然のの報によって流れ動く、人間性を失った自然児の如く悲痛な美化がなされた」と分析している。」
・婆々友 川端知嘉子
・「イギリスよ、驕るなかれ」 前沢浩子
「18世紀、シェイクスピアはナショナルな作家であると同時に、イギリスの覇権拡大とともに、支配者の言語を代表する帝国主義的な作家となっていった。・・イギリスというナショナルな枠組から解放されたシェイクスピアは、アメリカの誇る文化遺産として世界に向かって威容を見せつけている。文化的ヘゲモニーは常に経済力と背中合わせだ。」
2編を残しているが、以上の6編で今月号は読了の扱いとしたい。