『稲妻』(1952)
原作:林芙美子 監督:成瀬巳喜男
出演:高峰秀子、浦辺粂子、村田知栄子、三浦充子、三浦光子、小沢栄、香川京子、植村謙二郎、中北千枝子、根上淳 ほか
やっぱイイなぁ・・・成瀬映画。原作が林芙美子、主演が高峰秀子とくれば、
名作『浮雲』と同じ珠玉の顔ぶれ。
昭和をノスタルジックに懐古した『ALWAYS~』とは違って、もっと生々しくてリアルな昭和の姿がある。
どんな事情があったのか3女1男みんな父親が違うという4人姉弟で、それぞれ性格もまったく違うから、家族の間ではいつも諍いが絶えない。
気が強くて抜け目ない長女・縫子、気が弱くて夫に頼りきりな次女・光子、復員してからパチンコばかりしてる長男、縫子が浮気して家を出ても何もできない義兄などなど。
バスガイドをして働いてる三女・清子(秀子)は、そんな家族とその周囲の人々の欲がらみないざこざがイヤでたまらず、ついに黙って家を飛び出してしまう。
女は男の甲斐性に依存しなきゃ食べてすらいけなかったし、男は戦争から帰っても勤め先はそう簡単には見つからないから、なにか事業や商売を最初からはじめなきゃならず、それにはまず、うまいこと稼いでる奴から多大な借金をしなきゃならなかった時代。
それでも、清子が家出同然でフラっと出て、会社の友人のあととはいえ、世田谷の一部屋を女一人ですぐ借りられて、風呂敷2つで引っ越せるなんて自由もあったんだ/驚
「もう数えで23なんですよ」て縁談話をされるシーンがあって、相手の綱吉が35で「ちょっと年がいってるけど、今どきなかなかない話ですよ」て結婚適齢期のセリフにも驚く
商売上手なだけにやり手ないけ好かなさみなぎる綱吉を演じる小沢栄の存在感もスゴイ。
清子の下宿先のお向かいさんは、兄妹2人暮らし(両親を早くに亡くしてる
ピアノなんて弾いてる上品な兄妹で、清子の家族事情とはまったく逆のフシギなほどの「イイ人」っぷりが可笑しいくらいw
突然、雨が降ってきたら、お隣りさんの洗濯物までとりこんであげるような近所付き合いだったんだなあ、昔って。。
この香川京子の清純な魅力がまたステキ。
母親が浦辺粂子ってゆうのもイイ。女手一つで4人の子どもを育てる苦労を味わってる、情のあついまさに「おっかさん」な感じ。
母と末娘が腹を割ってケンカした夜に空がピカって光って稲妻が走るシーンは本当に素晴らしい。
たしか稲妻の演出が好きな監督だったってどこかで読んだ気がするなぁ。
原作:林芙美子 監督:成瀬巳喜男
出演:高峰秀子、浦辺粂子、村田知栄子、三浦充子、三浦光子、小沢栄、香川京子、植村謙二郎、中北千枝子、根上淳 ほか
やっぱイイなぁ・・・成瀬映画。原作が林芙美子、主演が高峰秀子とくれば、
名作『浮雲』と同じ珠玉の顔ぶれ。
昭和をノスタルジックに懐古した『ALWAYS~』とは違って、もっと生々しくてリアルな昭和の姿がある。
どんな事情があったのか3女1男みんな父親が違うという4人姉弟で、それぞれ性格もまったく違うから、家族の間ではいつも諍いが絶えない。
気が強くて抜け目ない長女・縫子、気が弱くて夫に頼りきりな次女・光子、復員してからパチンコばかりしてる長男、縫子が浮気して家を出ても何もできない義兄などなど。
バスガイドをして働いてる三女・清子(秀子)は、そんな家族とその周囲の人々の欲がらみないざこざがイヤでたまらず、ついに黙って家を飛び出してしまう。
女は男の甲斐性に依存しなきゃ食べてすらいけなかったし、男は戦争から帰っても勤め先はそう簡単には見つからないから、なにか事業や商売を最初からはじめなきゃならず、それにはまず、うまいこと稼いでる奴から多大な借金をしなきゃならなかった時代。
それでも、清子が家出同然でフラっと出て、会社の友人のあととはいえ、世田谷の一部屋を女一人ですぐ借りられて、風呂敷2つで引っ越せるなんて自由もあったんだ/驚
「もう数えで23なんですよ」て縁談話をされるシーンがあって、相手の綱吉が35で「ちょっと年がいってるけど、今どきなかなかない話ですよ」て結婚適齢期のセリフにも驚く
商売上手なだけにやり手ないけ好かなさみなぎる綱吉を演じる小沢栄の存在感もスゴイ。
清子の下宿先のお向かいさんは、兄妹2人暮らし(両親を早くに亡くしてる
ピアノなんて弾いてる上品な兄妹で、清子の家族事情とはまったく逆のフシギなほどの「イイ人」っぷりが可笑しいくらいw
突然、雨が降ってきたら、お隣りさんの洗濯物までとりこんであげるような近所付き合いだったんだなあ、昔って。。
この香川京子の清純な魅力がまたステキ。
母親が浦辺粂子ってゆうのもイイ。女手一つで4人の子どもを育てる苦労を味わってる、情のあついまさに「おっかさん」な感じ。
母と末娘が腹を割ってケンカした夜に空がピカって光って稲妻が走るシーンは本当に素晴らしい。
たしか稲妻の演出が好きな監督だったってどこかで読んだ気がするなぁ。