メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『人のセックスを笑うな』(2008)

2011-05-04 21:54:03 | 映画
『人のセックスを笑うな』(2008)
原作:山崎ナオコーラ 監督:井口奈己 音楽:HAKASE-SUN
出演:松山ケンイチ、永作博美、蒼井優、忍成修吾、温水洋一、あがた森魚、三代目桂春團治 ほか

trailer

久々「GyaO!」を覗いたら、気にはなってたけど、まだ観てなかったこの話題作が無料で観れるってことで観てみたv
なるほど。年上女性、しかも、女性教師と生徒ってゆう恋愛ものは、いろいろあるけど、
これだけ低予算で、ゆる~く撮っても、ちゃんとドキドキして、面白いものが出来上がるのは日本映画のいいところだ。
イマドキな俳優が集結してるのと、奇抜なタイトルが人気を集めた理由か。

「会えなくて苦しかった」って、年下のカレシは、ストレートで、情熱があって、正直なのがステキだよね
都内が舞台だとつまらなかったかもだけど、群馬県桐生市のの~んびりした風景がまた良い
それに、美大って好きなことして単位もらえるんだから、楽しそうだなあ~♪

story
美大の仲良し3人組、みるめ、えんちゃん、堂本は、終電を逃して1人歩いていたユリをクルマで拾う。
その後、大学で煙草の火を借りたらユリで、彼女は担任の同級生で、リトグラフの新しい先生だという。
文字通り一目ぼれしたみるめは、教室に通って、作業を手伝うようになり、ユリは「モデルやらない?」と自宅に誘う。
自宅に着くと、ヌードモデルをやらされ、2人は急速に親しくなるが、
ある日、訪ねて行くと、初老の男性が出てきて、てっきり父親かと思ったら、夫だと紹介された。
ショックで引きこもるみるめ、みるめが好きなえんちゃんは「学校を辞める」と言い出し、えんちゃんが好きな堂本も悶々と悩む。。


たとえば欧米人がこの映画を観たら、日本人特有な、敢えて言葉にせず、
いつまでもうだうだと優柔不断なまどろっこしさ加減てどう思うんだろうか?
映画らしい、というかほとんどマンガっぽい偶然の重なりが気になったし。
同じ学校だったり、オールナイトの映画館でバッタリ!みたいな

永作演じるところの、ちょっと小ズルくて、余裕のある大人の女性の色気に対して、
蒼井優の、優しくて、自分ではどうしようもない「若さ」の演技が可愛くて、上手い。
人気の若手俳優たちのほかにも、脇を固める周りのほんわかした俳優さんらがとても気持ちいい

音楽は、フィッシュマンズのハカセくん!驚
♪MY LIFE を、全然、力が入ってない女性ボーカルMariMariさんが歌ってて、作品の流れにピッタリv



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『カプリコン1』(1977)

2011-05-04 15:43:04 | 映画
『カプリコン1』(Capricorn One)(1977)アメリカ・イギリス合作
原作・脚本・監督:ピーター・ハイアムズ
出演: エリオット・グールド、ジェームズ・ブローリン、ブレンダ・バッカロ、サム・ウォーターストーン、O・J・シンプソン、ロバート・ウォーデン、ハル・ホルブルック、ダレル・ツワーリング、カレン・ブラック、テリー・サバラス、ノーマン・バートルド ほか

TSUTAYAの「発掘良品」にある作品は、さすがにハズレなし。
監督がヴェトナム戦争で記者をしていた際に、政府が国民を鼓舞するために好戦況なニュースばかり伝えていたことに不信を感じて今作を撮ったらしい。
最初、協力していたNASAは、政府の陰謀というストーリーを知って協力を拒否した。

story
人類初の有人火星探査宇宙船カプリコン1号が打ち上げられる直前になって、
宇宙飛行士3人は脱出させられ、今は無人となっている砂漠の中にある施設へと隔離された。
16年もの付き合いのあるケロウェイ博士は、「2週間前に不具合が見つかったが、政治的理由から今回は絶対失敗を許されないので協力してほしい。断れば家族もろとも命の保証はない」と強制される。
家族との通信対話で、リーダーのブルーベイカーは、妻に「去年のヨセミテへの旅行はよかった」と話す。
地球帰還の際、急に不具合は起きて3人は死亡したと告げられる。命の危険を感じた3人は逃亡をはかる。

新聞記者のコールフィールドは、NASAに勤める友人から「通信が近くておかしい」と聞いた直後、
友人は消え、アパートには見知らぬ婦人が住み、コールフィールドはでっち上げられた麻薬事件によって逮捕される。
ブルーベイカー夫人と会い、昨年旅行したのは映画撮影所だと知り、国家的陰謀を探り始めるが・・・


国が相手とあって、経歴の削除などが手早く、鮮やかすぎてコワイ
ブレーキを壊されたクルマが暴走するシーン、ヘリコプターと農薬散布用のセスナとのチェイスは、
映画史上有名だけあって、ものすごい迫力!手に汗握った
70年代の映画は、設定が分かりやすいし、演出にもメリハリがあって、観ていて痛快だ。
セットで撮られている火星着陸の様子がすごいリアルで、これまでの宇宙開発事業もちょっと疑いたくなるほど

主役のグールドとブローリンは、2人ともバーブラ・ストライサンドと結婚した(グールドは離婚)奇縁がある。
記者の恋人役にカレン・ブラックがいるあたりなんて、ほんと時代を感じさせるなあ!


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『おやすみ、くまくん』(徳間書店)

2011-05-04 11:33:02 | 
『おやすみ、くまくん』クヴィント・ブッフホルツ/作 石川 素子/訳(徳間書店)

あらすじ
満月の夜に、なかなか寝付けないクマくんは、部屋の窓から外を眺めると、
昼間遊んだ手押し車や、海賊ごっこをした時のランニングシャツの旗、手づくりのかかしが見える。
隣村に来ているサーカスのワゴン車、庭仕事で疲れてうたた寝しているローゼおばあさん。
明日が雨でも屋根裏の隠れ家もある。明日が待ち遠しいなあと思っているうちに、いつしか夢の中。

ほんとうは、クマくんは、少年が大事にしているぬいぐるみなんだけれども、
絵本の主人公は、少年ではなく、意思をもったクマくん目線なのがイイ

本のいちばんうしろには、昼間遠くから流されてきた風船についていた手紙が挟まれている。
残念ながら、手紙の中身は紛失してしまっていた。何が書かれていたんだろう???

1枚1枚の絵がほんとうに丁寧に描かれていて、なにげなく置かれているモノにもたくさんの物語が感じられ、
月の柔らかい光に照らし出された、あたたかい色遣いは郷愁すら漂って、とっても豊かな時間が流れている。
毎日、毎日が冒険の日々、想像力の中に住んでいる子どもたちの世界を見事に表わしている1冊。


クヴィント・ブーフホルツ(Quint Buchholz)
1957年生まれ。ミュンヘンの美術大学で美術史と絵画を学ぶ。1991年、『サーカスに行きたかったサラ』でブラティスラヴァ世界絵本原画展の金牌を受賞。ミュンヘン在住。

『サーカスに行きたかったサラ』も図書館検索で探したけど見当たらず。残念。


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