メランコリア

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どうする?保育士不足 働く親を支えられるか?@週刊ニュース深読み

2015-12-23 12:06:47 | テレビ・動画配信
どうする?保育士不足 働く親を支えられるか?@週刊ニュース深読み


共働きでないと生活がたちゆかない夫婦が増え、
保育所は増やしているが、待機児童の数はそれを上回る現状。


●保育士になる方法


国家試験を受けて資格をとる。
子どもを育てる初期教育は重要なため、試験課目が多く、専門性が高い。実技(ピアノ、絵画)なども必要。
受かる確率は2割以下の難関。

せっかく、その難関を突破して資格をとり、働き始めても、あまりの過酷さで2年ほどで辞めてしまうケースが多い。
その理由は・・・?


●業務が多様、長時間労働、賃金が低い、クレーム対応などのストレスetc...


1.業務が多様


0歳児の赤ちゃんも多いため、さまざまなリスクが大きい。
眠っている時の呼吸チェック、1人ずつアレルギーを気遣った食事、など。

 



2.長時間労働~約9時間/日
母親もフルタイム労働が増え、朝6:30~夜21:00まで開いている所が多い。

※シフトで対応するのも難しい。
1日のリズムを見る必要があり、シフトだと朝と晩の連絡だけでは充分に把握できない。

3.ストレス~クレーム対応など

ある母親から「息子が葉っぱで手を切ったので、今後、葉っぱを触らせないでくれ」と言われた、などなど。

4.低賃金~平均21万円
これだけの激務&ストレスなのに、それに見合った賃金をもらえず、昇給もない。

理由1.経営の半分は税金。その予算が他に回され続けている。
理由2.その根底にある考えは「子育ては女性のするもの」→「保育士に対する世間の評価・関心が低い」こと。

家賃を抑えるため、実家から遠い保育園に通ったり、シェアハウスを利用したりして、一人暮らしもできない。
最初の志が萎え、モチベーションも上がらず、他の高待遇な職場に移らざるを得なくなる。

妊娠・出産をきっかけに辞めるケースも多い。


[FAX]

・条件の見合う求人がない。
・20歳の保育士です。手取り13万円で過酷。子どもが可愛いと思えなくなって辞めました。
・経験が反映されない。
・なんでも保育士に任せきりではなく、親の教育・しつけも大事。


専門家:
「0歳から申し込まないと保育園に入れないのが現状」

「搾取の構造も問題。経営困難を人件費削減で対応している」

「両親の“働き方”から変えないと、根本的解決にならない。まずは、親を支援(育休など)することから」

「子どもが減る」→「年金額が減る」高齢者も“身近な自分の問題”として考えること。
 実際、20~30代の賃金は減り続けている」

「初期教育の質を上げる」→「社会全体をよりよくする」ことにもつながる最重要課題と考えるべき。


●その他の問題
・OJT(On-the-Job Training、オン・ザ・ジョブ・トレーニング。職場で実務をさせる ことで行う従業員のトレーニング)が必要。
・月齢に合わせた発達に対応する必要がある。
・掃除までやらなければならない保育士もいるため、補助業務員の補充も必要。

虐待死する児童の増加
母親のストレスを軽減すること。1人で子育て&仕事の両立はムリ。


●潜在保育士は多い
 
潜在保育士の数/待機児童の数

結婚・出産で辞めたり、資格は持っていても仕事に就いていない人はたくさんいる。

 

・研修を受ける。2年以上勤務すれば授業料の返済免除。
※これはあくまで緊急対策用の項目なので、解決後は元に戻す。

・小学校の教員資格を持っていて、教員職でない人も含む。


●地域ネットワークでサポート
 

団塊世代で元気な方、主婦で子育て経験が豊富な方が地域にいる。
その方々は、手際もよく、若い保育士が知らない知識も豊富で勉強になる。
団塊世代の男性の方も参加しているNPO活動もある。保育を知るきっかけになる。


************対策案の実例

●潜在保育士を呼び戻す@多摩市
 



「短時間でもいいので、都合の良い時間に入ってください」と募集をかけたら大勢来た。
「朝なら大丈夫」という人がいれば、フルタイムの保育士は、朝少し遅く出勤することができる。
「夜なら大丈夫」という人がいれば、逆に保育士は早く帰れて、長時間労働の解消となる。

子育て中の人が多いため、長時間は難しいけれども、数時間ならOK」という人たちをシフトに組み込んで成功した例。


[FAX]
・公務員にすればいいのでは?


専門家:
「赤ちゃんや子どもの1日のバイオリズム見れない、連絡の引継ぎが難しいという課題もある」

「保育士の賃金の予算は3000億円必要だが、他に回され、後回しにされる」

「パートタイマーだとさらに低賃金。ボーナスも昇給もない」

「長時間労働、地域の仕組み、1人1人の考え方から変える必要がある」

「人をケアする仕事(保育士だけでなく介護も)を、社会が軽視してきた歴史がある。
 保育士の専門性の高さを理解・評価し、問題を共有すること」

「“恒久予算”をつけること」

「働く女性が減る→税金が下がる→年金が下がる。まさに、みんなで考える問題」

「保育士さんが普段どう働いているのか、現場を見ることもよい」


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保育の安全どう守る~急増 認可外保育施設~@NHK 特報首都圏

2015-12-23 11:44:03 | テレビ・動画配信
保育の安全どう守る~急増 認可外保育施設~@NHK 特報首都圏
 

 
熱を出しても水分も与えられず死亡した。施設長は医師にみせずに放置した罪で起訴されたが否認している



母「娘になんていって詫びたらいいのか」


両親は遠方の出張が多く、近所に親族もいないため、認可外保育施設に預けざるを得ない状況だった。
認可外保育施設は、夜間もみるし、緊急の対応もOKというのが売り。
都市部のニーズが急増しているが、国の財政支援は受けられないため、保育士を雇えないところが多い。


施設長自らが見学会の説明をする様子
 
「個別でピアノとバイオリンを教えています」



 

母「素晴らしい保育をしているなと感心して、ここなら預けても大丈夫と判断した」



情報公開請求で入手した資料
資料に書かれていた「嘱託医」は、事件が起きるまで知らなかった。



実際に働いていたスタッフの証言
「保育士がいないのに、子どもは増えていく」


「泣いている子どもがいても、“放っておけば泣き疲れて寝てしまうから気にするな”と言われた。
 床の上に毛布でくるまれた状態で置かれていたのを見た時は、さすがに驚いて、思わずスマホで撮影した」

 



「“ミルクをあげると、頻繁にオムツを替えなきゃならないから、ミルクをあげるな”と言われた。
 “エアコンもあまり使わないよう”スタッフに指示していた」

少人数での経営で、経費削減のためだった。


施設の元利用者

「触って確認をしたら、爪が剥がれてなかった」


匿名の投書が市役所に寄せられていた
愛美利ちゃんが死亡する2ヶ月前から、すでに複数の情報が市役所に寄せられていた。


「予告なしで、施設の状況を確認してほしい」

実際は、事前通告をしてから立ち入り調査をした市役所職員。


「虐待を受けている場合には、お子さんがおどおどした状況が分かる」

「市としてはできる範囲の中で適切に対応した。
 それまでこれほど深刻な事件はなく、子どもを扱う人に悪い人はいないだろうという性善説の思いがあった」

専門家:どこでも起こり得ると想定して、おかしいと思ったらすぐに立ち入り調査することが必要。


認可外保育施設の数は都心で急増
 
年に100件以上増加しつづけている

ようやく調査をしてみたら・・・
 

宇都宮の施設は、玄関で子どもを預けていた。実際どういう保育状況なのかを見抜くのは難しい。

[見極めポイント]
1.パンフレットや、HPだけで判断しない。
2.複数の施設を見学する。
3.通常の保育の時間帯に行って様子を確認する。
4.地域の口コミ、評判を聞く。


ある都心の認可外保育施設のPR映像~保育士はゼロ
都から何度も指摘を受けている施設を取材した。

 

預かっているのは0~6歳児、約20人ほど。
スタッフは、フィリピン人など全員外国人。
再三の指摘にも関わらず営業を続け、施設閉鎖など厳しい処分には踏み切れなかった。

2年前、男児がインフルエンザで病院に搬送され、その後死亡。
都は、ようやく施設名を公表に踏み切った。


その後、利用者が急激に減少して、廃業となったが、英会話事業は存続している。



保護者の切迫したニーズ


保健局職員:

「同時並行してやらなければいけない」


「あらゆるところに保育士の募集をした。でも、来た方みな長続きしないんです」



基準を満たす施設にも、安全に悩みがある@豊島区の施設

0~4歳児を10人預かっている

施設長:
以前勤めていた施設が突然閉鎖して、行き場を失った子どもたちのため、自ら立ち上げた。

 
「先生がやってくれるなら、そこに行くしかない」

常勤スタッフは施設長と男性の2人だけ。
長期で働くスタッフを増やせないことが悩み。調理師もいないため、食事はスタッフが作っている。




子ども数の急激な変化
 

近くに認可保育施設ができると、大勢が一気に移動してしまう。
逆に子どもが急に増えると対応できないため、臨時で対応している状況。


「(屋外の散歩でも)私が“危ない”と言えば止められる場合でも、
 慣れていないスタッフが言っても止まらない。子どもとの信頼関係もある」


「限られた費用の中で人件費、家賃を賄わないといけない」


[FAX]







専門家:
長時間労働に対応している認可外保育施設は、親にとって「最後の砦」。
だが、「安全」は人と施設が揃っていないと確保できない。

認可保育施設ですら保育士は不足している。

都心の人口一極集中、家賃が高く、経営は常に困難。認可外保育施設も悪いところばかりではない。


[改善ポイント]
・巡回指導をする
・研修の機会を設けて、保育の知識、質を上げる
・保育施設だけでは、子どもの安全は守れない。親の働き方を変える
・保育士さんたちがイキイキと働けるサポート

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