メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

『おしゃべり迷路』 眉村卓/著(角川文庫)

2019-05-19 12:57:02 | 
眉村卓/著 カバー/木村光佑(昭和56年初版)

「作家別」カテゴリーに追加しました。


[カバー裏のあらすじ]
さあさあ今から始まりまするのは、愉快・痛快・奇々怪々。
変で不思議でケッタイな話。
イジキタナク食べる話。
ウサンクサイとはどういう意味?
ロマンチックな徹夜のお話

ひとつの話が始まれば、あっちへ翔んだり、こっちへ跳ねたり、
どこで終わるのか予想もできない……。
どう転んでも、貴重な読書時間を楽しませずにはおかない!

さあ、あなたもクマゴローこと眉村卓の、真面目で不真面目な、
そして知的センスあふれるおしゃべりに耳を傾けてみましょう。



私は普段エッセイの類は読まない
他人が日常に何をしていようが興味がないから

ましてやゴシップ誌などわざわざ買って読むなど
時間のムダにしか思えないが、また車内広告に戻ってきたよね それだけ需要があるから

眉村さんがこうしたものまで書いていたとは知らなかった
眉村さんの角川文庫を制覇しようと思わなかったら
手に取ろうとは思わなかっただろうと思う

落語を聞いているような、大阪人の軽妙な語り口で
風刺の効いたサラリーマンSFを書く人の日常、心情が垣間見れる

読み始めたら、SF小説と同じか、それ以上にスラスラ読んでしまった
面白くて、時々声に出して笑ってしまう

それにしてもリンクが多くてビックリ/驚

いつも不思議に思うが、ライブ友さんと会って
いろんなことを喋った後のリンクが毎回、俄然多い気がする
今回読んだ中でどれだけリンクが多かったか★印で確かめてみることにした


あらすじ(ネタバレ注意

※また長くなりそうだから、30000字超に要注意!!←goo blogの話

追。
記事のアップは成功したが、「作家別」にリンクを貼ろうとして開いたら
また改行が全部外れてた!

HTMLエディターに戻して、リンクを貼ろうとしたら「プレビュー」で形式を選べと言う
1.トップ画像と文章が出るもの 2.トップ画像とタイトル 3.タイトルだけ・・・

タイトルだけを選んで「公開」したら、なぜか一番下に貼られて
元の文章「おしゃべり迷路 角川書店 1979.11 のち文庫」にリンクを貼ったのに
「『おしゃべり迷路』 眉村卓/著(角川文庫)メランコリア」と変わってる!! 一体なんなんだっ

仕方がないからそのタイトルの合間に元の文章を挟み→位置を直して、ようやく前と同じに並んだ
これからずっと、以前の文にリンクを貼るたびにこんなくだらないことを繰り返すのか?
2月にリニューアルされてから、ようやく落ち着いてきたと思っていたのに、まったく・・・


あれやこれやのこと
なぜ「おしゃべり迷路」としたか
原稿の締め切りのだいぶ前に編集者から電話がきて
「とにかくタイトルだけでも言って下さい」と言われ
どういうものになっても、なんとなく格好がつきそうな抽象的なものにしようとしたから

日本語の誤用
(後でもたびたび出てきて、その都度、大きな事典で調べていることが分かる 小説家って大変

「気がおけない」を「気が許せない」の意と思って使ってる若者が多い(今でもそうだ
「ギャップ」は、本来、矛盾・食い違いの意味ではない(驚

平凡社の世界大百科事典で「迷路」を調べたら「内耳」の医学の説明が延々と書いてある(驚
同じ平凡社の国民百科事典には、「迷いやすい道」などとある

これを見て安心して、自由に書こうと思う眉村さんw

デカいタバコの吸殻のショーウィンドウを見た
誰かが「タバコを1本吸うと1分寿命が縮まる」と言ったら、豊田有恒氏いわく
「オレは1日に60本吸うから、1日が23時間だ」と言い、みんな笑った

ぼくは本物そっくりのミニチュアが好き
実物は手に余るが、小さいとコントロール出来る面白さ

映画のクローズアップは、どんなに美人女優でも無気味だと言う人は多い

現在のマスコミに原因があるのでは

テレビのお蔭で、偉い人がいなくなった
 昔はやたら人前に出なかったが、出るようになり
 わしらとちっとも変わらん大したことはない、と分かって
 そんな人間の言うことを、いちいちはいはいという気にならなくなった
 これが日本をおかしくしたのじゃないか」

その人にとっては「上位下達」の世の中のほうが正しいのだろう

自分もテレビで喋ると、伝えたいことは伝わらず
服のセンスがどうのこうのなど言われる
皆、自分に興味のあることだけ拾っている

学校の古典的伝達手段など、もはや異質のコミュニケーションで世の中に似合わないのだ
現代は「バベルの塔」の建設の中断期なのだろう


バベルの塔 その他
前回のを読んだ先輩から「ワケが分からん」と言われた

言いたかったのは、人は一生懸命文明を築いたけれども
それが一体何だったか、もう一度考える時代になったのではということ


一生懸命と一所懸命は違う?!
一所懸命は、自分の領地を守るために武士が死に物狂いになることから来た
一生懸命はそのナマリ

バベルの塔 旧約聖書の引用を調べる
復原図、遺跡の記録では、塔は幅も高さも90m
それでは映画『天地創造』とだいぶイメージが違う

アンドロメダ星雲までの距離
はじめは30万光年→70万光年になったり・・・
(ほんと 「最新科学」「最新医療」とかあてにならない

高度文明が進み、他の星に人類が広がって・・・それでどうなる?

昔ハマった「チダカッサ」
折り紙みたいなもので、それをどれが早く逆立ちするか競争させる
勝手につけた名前の由来が「サカダチ」の逆と話すと
友人はゲラゲラ笑った

ナンデヤロ が問題
ぼくは何もかもナンデ?と考えて生きてきた(「センス・オブ・ワンダー」じゃない
ものによっては通用しなくなってきた 行きずり殺人とか
そういう人は全然理解出来ない そう考えることにした


分からない話
ぼくはよく反省する

工場勤務していた頃
庶務係で、映画鑑賞会のポスターを総天然色で描いて
フェルトペンをたくさん使い、上司に注意された

自信喪失の経験
子どもからの電話相談にのるラジオ番組のレギュラー解答者をやった
「空飛ぶ円盤は実在するのか?」
「宇宙のはてはどうなっているのか?」(チコちゃんなら知っている!

真面目な子どもに1から説明する時間はない
相手の沈黙が「なんやコイツ知らんのか」と思える

学者でも上手く説明出来る人がいるのか
ましてぼくは学者でもない 誰か教えてくれ

ぼくは知識のおおかたを書物で得た
自分で実験したりするヒマがないから

それにしても、ものを知らないなと思いはじめた
本によって書かれていることがだいぶ違う
分からないと自覚すると、人からものを尋ねられるだけでギクリとなる

(今の情報過多でネットやメディアの混乱とまったく変わってないんだな

SFを書いているのがいけない?
テレパシーを持っている世界を書くとしたら
夫婦、医者、政治家、特許、いろいろどうなる?


歩け、歩け のこと
神戸のサンテレビでセット待ち
VTR撮りの際、最後に司会者が「パァ」と言ったら、みんな怒るだろうな

時間が空くと、あちこち歩くといろいろイメージが浮かぶ
国鉄の高架下まで来た

以前、姫路城の腹切丸に来た
自分は前世、ここで切腹したイメージをまざまざと感じたが
後で、ここで切腹が行われた事実はないと読んだ

大阪駅から環状線に乗って居眠りした
途中からそれていたことに気づき、慌てて降りた
逆方向の電車までは時間があるから、どうせ1駅だと歩いた 太陽ギラギラ

だいぶ歩いて、行く先に河があり、線路だけが通れて、人は通れない
回り道をすればいいと歩いたが橋がない
対岸を見ながら腹が立ってきた

現代の情報社会
知らなくてもいいことまで無理やり知らされて欲求不満になる、と理解した(だいぶ飛躍したなw


イジキタナイ話
(ここでも「イジキタナイ」と「イジギタナイ」で迷う
 ピーナッツブックスのルーシーって誰だろう?と思ったら、スヌーピーのあのルーシーのことか!

最近、食力が落ちた
速度と量の話
戦時・戦後の食糧不足経験者の一人には重大

子どもの頃、速度は重要だった
少ない食べ物を大勢で食べる時、ぼんやりしていると食われてしまう

それで早食いの名人になった
うどんの早食い法を読み、印刷所の仲間と出前をとった際
記録に挑戦しろとはやし立てられ13秒で食べた
この記録がその後破れない

議論を相手にさえぎらせない方法
「3つの点で・・・」と始めると、全部聞くまで相手は黙る

量の話
当時の食べ物があまり栄養に富んでいなかったからか
たくさん食べないと栄養補給出来なかった
今は、たくさん食べない子ども、若者が多い

焼きそばだと大体7玉は注文した
この量も年々低落している

それでもそんな時代が懐かしくなる
そして、不意に、いつかまた、そういう乏しい時代が到来するという気がしてならない


尻切れトンボの章
散髪に行った そこにある雑誌に
絵を見つめてから記憶力を試すテストがあり、昔からお手上げ

学生時代の寮生に会い、思い出話をされても記憶がない
忘れきっていることがやたらにたくさんあるのではと気味が悪くなってきて
いろんなものの断片を集めて組み立てることにした

案外、何が乏しくて、何が贅沢かなんて
後になってみたら、誰にも分からないのでは

学生時代、アルサロでバイトしていた
2階にないものは伝声管で下に言うと、小さなエレベータで上がってくる

真夜中過ぎると厨房からサンドウイッチのパンの耳にからしを塗って食べる
いまだに忘れられず、たまにサンドウイッチを注文すると贅沢だなと寂しくなる

ラジオ番組で、人間の贅沢の極みを喋ったことがある
10日も続けたら、あまり愉しくないのでは? そんなエネルギーもない

酔うとアテモノ作りをする クジの変形
先にいくと枝分かれしてアウトが出て
ゴールは極彩色の絵が出る

(以前のショートショートに出てこなかった?

男が「子どもにあげるからくれ」という
後日「子どもが喜んでねえ」
店で売っているモノより新鮮味があって贅沢なのではと納得した


喪(うしな)われたもののこと
大阪から環状線に乗ったら、2人ずつ向かい合わせの席だった
このタイプの車両が好き 気分だけ旅行しているような錯覚になるから

鎧や重色目の本を見ていたら、向かいのおばあさんが
「良さそうな本でんな 本屋さんで売ってますんやろか?」

こんな風に、電車で見知らぬ人と話し合うなんて久しぶり 町中でもだ

以前は、町中の喫茶店で原稿を書いていた
すると時々、奇妙なコミュニケーションが成立する

ナンバのセミクラシックを流している喫茶店で
ウエイトレスから何を書いているか聞かれ
「小説やね? 同人雑誌て本屋で売れないのなんでやろ?」

書くのを諦め、SFの説明から始めた
当時、SFを知っている者はごく僅かだった(!

支離滅裂な文章を書いていた
「馬が3匹走って来て、ワンワン吠えると・・・」

後ろにむつかしい顔の紳士が立っていて
「馬はワンワンとはいわない それに1頭2頭と数えるんだ」

そこに店の女の子が来て「何、これ!」と読んでゲラゲラ笑い出した(w
そうしたことも何年も経つと妙に懐かしくなる

この頃は滅多に起きない 新幹線などとくに
一人は楽だが、淋しくなることもある

学生時代の貧乏旅行ではしゃいだこと
今はそんな元気も稚気もない

誰とでも気易く話し、会話を楽しむには
あれだけのエネルギーが必要なのかもしれない


陰陰滅滅の章なのだ
窓を開けていると、原稿が書けない
密室状態にすると、タバコの煙で窒息寸前

さっきから鼻歌を歌っていた 軍歌だ★
♪ワレハ官軍 ワガ敵ハ~

こんな歌、いつの間に意識に居座っていたのか

歌に限らず、なんでも頭にこびりつく
アルフレッド・ベスター『破壊された男』は一見奇抜だがなんとなく分かる

この“なんとなくありそうだ”というのがSFには大変大事なのだ

コピーライターが世の中を乗っ取る話を書いた
それを広告代理店のカメラマンに話すと
「そんなこと考えるヤツと一緒に仕事せんとあかんのか」

未来ものなどとくに、うまくいきすぎると「飛躍がない」と言われる
反対の要素をもっと散りばめるべきかも 「胡散臭い」のはどうだろう

(また辞書をひく

伝統的で、もっともらしくて、かつ形式的、権威主義の匂いのするものなら
なんとなくよりかかって安心だと信じられている 古典、法律とか


新しく生まれるものは、はじめは胡散臭い
手塚治虫氏のマンガを、つい最近まで胡散臭いと非難していた連中は少なくなかった(驚

胡散臭さは時代とともに変わる

京都の太秦の映画村に行った
ぼくは古い町並みや建物があるといそいそと見に行く

映画村の面白さは、それとは違う
もっともらしいのに、時代がツギハギで、作りものなのがいい
だから大入り満員なのではないか
胡散臭さがあると、本物らしく感じる

繰り返すが、ぼくは今、ウツ状態なのだ



電気紙芝居です
原稿が書けない 散歩に出ると腹が減り、食べて眠くなる
テレビをつけると野球をやっていた ぼくは国民学校の6年の頃からの南海ファン
応援して、負けて、時間を潰してしまった 電気紙芝居め

これはギャンブルで大敗した時の心理と同じではないか★

昔は拍子木を鳴らして町角で紙芝居をやっていた
昭和22、23年は全盛期ではないかもしれない
戦前からあり、戦後、再ブームになったのかも

アメやコンブを売り、買った子は前で見られる

その紙芝居大会が開かれた
そこらじゅうで紙芝居をやっている

学校の弁論大会でその話をした
「黄金バット」などの話で2位になった

それに比べると電気紙芝居は機能的だ
「太閤記」をやって「信長がとてもいいから、死なせないでくれ」という投書が殺到した(ww

視聴者の注文で筋が変わるドラマも作られた(今もあるよね

どうせなら1人1人のために筋の変わる装置を作ったらどうだろう
撃ち合いするゲームの複雑なもの
テレビじゃムリだ 高くなるからたやすく買えないだろう(みんな買ってるよ

今でも旅館に硬貨を入れて1時間だけ見られるテレビがある
自宅にそれを取り付けた人もいる だらだらと見なくて済む(!

手動テレビなら運動不足解消にいいぞ


ねんねんころりよの章
寝不足だ

テレビ番組でさえ、同じようなことをあちこちでやっている よその局の真似?
小説なら似たようなストーリーを浮かべると自動的にブレーキがかかる

寝る時に読む本の選び方には原則があるという
あまりむつかしいのはよしたほうがいい
面白すぎるとやめられない

近頃は自分なりの目安を作った 面白かった本にする
筋も分かっているから、目が疲れたらグー

昨夜はそれで失敗した
数年前に読んで、初めて読む感じで、徐々に思い出し
最後は分かっていたが、あとちょっとだと夜明けになった

理想は、疲れきり、夢も見ないでバタンギューが健康
そんなこと、もう長い間ない

武士はクツワの音にも目を覚ますという

みんなそれぞれ秘伝を持っていたと分かる
数を数える方法はいけない

横になり、心を平安に保ち、眼前に去来するものを無心に流す
そのうち写真のようになり、わけの分からぬドラマが始まり
面白くなった頃にはもう寝ている


電話・映話・そして・・・
原稿を書きはじめると、なぜかよく電話がかかってくる それも断続的に
今日は2時間に10本もかかってきた

それが全部「眉村」あてとは限らない 中には本名あてもある
「最近ナントカカントカが流行っていますが、それについてお見解を訊きたい・・・」

この種の電話取材は、喋らせておいて、2行、3行、ピントの外れたことを書かれるだけだから
お断りすることにしている

星新一さん
「こちらは、SFを書いている星新一というものですが」と言う
PRになるから(ムロさんみたいww

もっと便利な電話が出来ないかな
用もなく電話をかけるのは、実は大事なコミュニケーションだ
「元気かな、と思って」

テレビ電話のことを、ぼくは作品の中で「映話」という造語にした(よく出てくるよね
造語は明治時代に全盛だった 野球、庭球、卓球、恒星、協奏曲★、自動車、、、

(そんなに!? 今もフツウに使ってる言葉ばかり/驚

映話だと声色で他人を騙すのはむつかしい
目や表情を見れば本心は分かる

相手が催眠術の大家ならどうする?

もっと進むと立体映像になるのか?
それが同時にいくつも出現する装置は?
日本人は会議好きだし、ビジネスに必要な発明はすぐに完成される(もうあるね

「顔色悪いようね」と言われて色彩調節ダイヤルをいじる

火星からだと電波が遅れて時差ができる
ワニを連れてきた青年は、映話の感覚になっていて噛み付かれる

突然、ピストルを持った男が飛び込み
「立体映話の回線が混線している! ドラマが混ざってるぞ!」(爆
(どんどん想像がふくらんで可笑しいww


自転車の章です
昨日、SFについてろくすっぽ知らない人間と話す羽目になった
ご存じないくせに蔑視している

ぼくたちは、しょっちゅう罵られた
「そんなものを書いてどうする?」という年長者が実に多かった

相手は鉄面皮で、うぬぼれが強くて、状況認識を欠いていて、酒を飲んでいる
二言目には「君、何も分かってないな」と断定する

翌日、だんだん腹が立ってきた
昔のモラルを振りかざし、すべてOKタイプの人間は困る

当人はそれが「昔」とは気づいていない まだ続いていると錯覚している
本当は5、6年でも、実にめまぐるしく、自己のありようのやり直しをしなければならない

言ってみれば自転車だ
自転車はフシギな乗り物だ 動力は人力 走っていないと倒れる

文明にスポイルされ、高速で移動するのが乗り物だと異様な常識を持っているからだが

自転車は泳ぎを習得するのに似ている(なるほど
ぼくが自転車の練習をはじめた頃は、頑丈なタイプだった
足を伸ばしても地面につかない

乗れるようになり、友人に指導した
手本を見せると急坂を降りた むしろ落下だ(w
第二の通行人にぶつかり、目撃談だと、ぼくは飛行したらしい

両手を離して、本を読みながら大通りを疾駆した
以前は、道を歩きながら本を読むのは珍しくなかった
(歩きスマホは禁止になったけど

その頃は、やはり自動車が少なかったんだねえ

もっとも上手い乗り手は自転車泥棒 乗り逃げ

どうやら世の中そのものも自転車に似ている
こいでなければ倒れるから、とにかく走り続ける


自転車じゃなくジェット機かも
墜落すればみんなオダブツだと知りつつ、みんな精一杯やっている


文化祭をやりまして・・・
いつ頃からか、むつかしい漢字は出来るだけ“かな”にしろと言われて
僕→ぼくにかえた

「昔」といっても幅がある
OLが言えば4、5年前

気象異変(こんなに前からあったのか!)というと文化祭を思い出す
高校で俳句部にいたが、なかなか見てもらえず素通りされる

次のクラブ予算を確保するため・・・
これではまるで国家予算のぶんどり合戦の演習ではないか

素通りされないよう、廊下にバリケードを作り
俳句を短冊に書いて壁に留める

もっと派手なこともやらなければと、教室の中央に大きな樹を据えたら好評だった

2年目も同じにしようと、校舎の裏の雑木林へ夜、仲間と2人で忍び込んだ
そいつを「C席の客」で実名で出した 天丼を賭ける話だ

(ああ、あった! その名前がまさに友だちと同じだった!★

午前2時 泥棒になるのではと思いつつ太さ6cmほどの樹を伐った
それを運んでいるとだしぬけの豪雨
「天罰やったんかも」「偶然やわ」
友人は、文化祭当日、過労で脳貧血を起こして倒れてしまった


なぜか・・・現在進行形
この原稿は新幹線の中でボールペンで書いている
一番書きやすい「エース」だ
投手難のチームの中、やっと完投出来るピッチャー程度
万年筆は買ってその日から使えず、しばらく訓練が必要(へえ

ナポレオンは胃がんで死んだ
食事に10分そこらしかかけなかったからだそう

新幹線で腹が立ったこと
車内で食べ物を探すが車内販売が来ないので「ビュッフェ」に行った(そんなのがあるの?
準備に30分以上かかると言われ、名古屋に着いてしまうと言うと
「新幹線は速いですからね」

新幹線の車内販売の弁当
幕の内が売り切れると、あとはうなぎ弁当ばかりになる

そろそろ年賀状の季節
昔は1枚ずつ丁寧に書いていた

買う枚数は、出すリスト数+α(同じ!
1枚ずつ絵の具で彩色して描く(絵も上手いのか/驚

描くのは必死だが、読むのは楽しい
年賀状回収率が何%か統計を出し、その年の吉凶を占う

一度、10年後の日付で年賀状をある男に出した 彼は保存していた
それさえ15年前 黄色くなったハガキがヘンに懐かしく淋しかった

先日、在来線に乗って、通過する駅名が何も書かれていない★
亡霊の夜行列車 2駅続けてというのがフシギ

今の年賀状は印刷だけで無味簡素(いつの時代も同じ
どんな紙でも写せる複写機が出来た


徹夜に挑戦デス
ある晩、原稿を書いて徹夜するつもりと言ったら
女の子が「ひゃァ、ロマンチック!」と叫んだ
ただ辛いだけではないか

芥川龍之介の引用
わが国の著作権の存続期間は、著者の生存期間と死後50年間
1970年にそう改正されたから大丈夫

昭和20年3月13日の空襲 国民学校の4年生

警戒警報と空襲警報の2つある
「警戒警報」はサイレンがプーと鳴り、学校か家どちらか近いほうへ急ぐ
「空襲警報」はウーと短く繰り返す すぐ待避しないと危ない

敵機が頭上に来ると、町内の半鐘が鳴る

3月13日 大阪が初めて大空襲で焼かれた
ぼくの家も学校も焼けた とてつもない解放感ではしゃいで親に叱られた

高校に入ると徹夜が増えた 遊びか修業
当時の高校は5日制 土日は休みで土曜はクラブ活動の日でしばしば徹夜になる

もう1つは試験勉強
パーコレーターでコーヒーをやたら飲む
夜明けに鏡を見たら、オバケがいた(そんなショートショートもあったね

原稿が書けず、枚数を計算して書く
午後10時××枚・・・大幅にずれてくる


雪恋しや?の巻
この「おしゃべり迷路」は、あと3回

今年の正月、東京は大雪だった
これを書いているのは、2月の上旬 今日は寒い

大阪に住む人間には雪はロマンチック
大阪で雪だるまが作れるほど積もった記憶は3、4回

高度経済成長期以降なおさら降らなくなった
都市は周囲より気温が高くなる
しかも、大阪は全国中もっとも自然破壊が進んでいる(驚

ドサッと積もる土地に行くと厄介になる
会社勤めの頃、原料山、小さな鉱山の1つが江原にある 神鍋スキー場へのバスが出ている
家が必要で、鉱山長が言うには、その程度だと積雪でペチャンコになる

神鍋スキー場に行った
スキーの道具も服もなく「学生服でもいいよ」と社員が言った

出発当日、余計な仕事を言われて、後から行くことに
列車は満員 ウイスキーを飲み始めると
「学生さん、そんなに飲んだら体に毒だよ」と向かいのおじさんが言う
やむを得ず学生になりすました


精神不安定の巻
大阪では、うどん屋に入り「キツネ」と言えばうどん
「タヌキ」と言うとそばになる(へえ!

アレンジボールで大敗
(これも作品に出てきて、SFの話と思っていたら本当にあるんだ/驚
地下鉄に乗ると車内広告を読む
百貨店のセールとかで1車両全部同じ時がある(あるある
こちらは読むものが欲しいのだ

匿名の悪口はいけない
こっちの素性は分かっているのに、先方は何者か知れないのは不公平だ
大体、タチの悪い匿名に本気で対応するのは
道に捨てられている腐った魚を拾って食うようなものだ(上手いことを言うなあ

怒りの鎮め方
1から10まで数える(心理本にもあった
本当は、怒るべき時は怒らなければならないが
あまり多くて身がもたぬ

本に「自律神経失調」とあった
(母も言われた 流行っていたのか? 今のうつみたいに
妻に言うと「また新しい病気考えたん?」

軽いうちは気分転換、なにかに熱中すると治るとある
旅行をしよう 新大阪からローカル線に乗り、見知らぬ土地で泊まる(いいねえ

途中下車して百貨店に入りイライラした 大阪にいるのと変わらない

名所を訪ねようと案内所で聞くと、今からでは時間が遅いと言う
結局、尾道で1泊し、翌朝、原稿の心配をしながら大阪に戻った
(尾道で1泊なんて羨ましい


最終章は捨てぜりふ
最初から振り返ると、途中から少しずつ違ってきている
正確には、疲れてきつつあった

やみくもにSFを書いていた頃
何年か後に読み返すと異様な気分になった
たしかに上手いが、テーマにホコリがかぶりピンとこない
今の若い人が同じショックを受けるだろうか怪しい

名作群を心の支えとする作家はたくさんいる
他人の言動を掣肘するのはみっともない

時間とともに、あらゆるものが変わっていく

SFに関する世の見方も変わった
いろんな人が「SFブームですねえ」と言う
SF映画ブームでしょう

「小学生のためのSFベストテンを書いて送って欲しい」

「未来に希望を持たせるようなSF小説を3本ばかり書いてほしい」

こういう電話に接すると、おかしいより悲しく、憂鬱ですらある
だからいずれもお断りしている

しきりにSFとは何か論じる声が増えて厄介だ
恐怖小説、笑い飛ばすもの、現代の神話・・・

あらゆる定義をひっくるめた総体がSFなのだ
出来上がったものでなく、出来る側から眺めてみよう

送り手も受け手も相通じる波長を持つからSFなのだ
自分の世界観、万人のも包含し、しかも己のルールにとらわれず
普遍的な意識から、もう一度、周囲を把握する感覚


要は、生き方、感じ方、表現のしかた・・・

キミは、はじめから迷路と知って踏み込んで来た
ぼくは、案内人ではなく、一緒に迷路の中をウロウロしていただけの人間なのだ
それでいいとぼくは信じる

出口に出て正解を得るとは幻想
それは最初から解答がある仕掛けものに限る

外に出たつもりが、もっと大きな迷路に来ただけ
というのが常態でしかるべきでは

お互い迷路の中でですが・・・さようなら


※本作品は、雑誌「面白半分」に昭和52年~53年連載されたもの



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topics~招き猫電車が復活 ほか

2019-05-19 12:26:21 | テレビ・動画配信
女優・歌手ドリス・デイさん死去
“米女優・歌手のドリス・デイさんが5月13日(現地時間)、肺炎のため米カリフォルニア州カーメルバレーの自宅で死去した。97歳だった。
デイさんが設立した動物保護団体が公式ホームページを通じて発表したのもので、デイさんは友人らに看取られて静かに息を引きとったという。”








「グランプリ女優」京マチ子さんが死去、95歳 親友の石井ふく子さんら看取った
“映画「羅生門」「雨月物語」などに主演し、元祖国際派女優として活躍した女優、京マチ子さんが12日午後0時18分、
心不全のため東京都内の病院で死去した。95歳だった。14日に東宝が発表した。
生前の本人の遺志により、14日に密葬で執り行われた。
看取った親友のテレビプロデューサーで演出家、石井ふく子さん(92)によると、
数年前に京さん自身が購入していた米ハワイの墓に納骨される。”










松任谷由実 Time machine tour Traveling through 45years
母が観たのはこのツアーか









Y:
今回はこんなショーにしてしまったから、これでもう引退かと思う方もいるかもしれません
言っておきますけど、まだまだこんなもんじゃ終わりませんよ
これで終わりだと思ったら大間違い!


星野源主演映画「引っ越し大名」 主題歌♪でんでん/ユニコーン










amazon 商品を自動で梱包










こないだライヴ友さんから聞いたピックアップのバイトの話も画期的だった/驚×5000
これまでは自分が広い場所で棚の間を歩き回って見つけていた商品を
機械と棚が連動していて、欲しい商品のある一番近い棚が目の前までやって来る!

もうSFの世界
じゃなきゃ、世界中から秒単位で大量に宅配を頼まれる需要に対応出来ないものね

これからは面倒な仕事はロボットにやってもらって、ヒトは休もう


いよいよ世界文化遺産へ 「百舌鳥・古市古墳群」にイコモス勧告
こんなに古墳が密集してるんだ/驚












ハニワ課長のほうが気になった




「猫耳」追加で東急世田谷線「幸福の招き猫電車」復活! 50周年記念 沿線でイベントも
“東急世田谷線に、招き猫をデザインした「幸福の招き猫電車」が復活しました。
 招き猫型のつり革、猫の足跡がある床のほか、前回はなかった「猫耳」が。
 世田谷線50周年を記念したもので、乗務員体験イベントやマルシェも開催されています。”






このコたちは見たことがあるぞ

世田谷線沿線の町歩き(その1

世田谷線沿線の町歩き(その2


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