■ドラマ『配達されたい私たち』(2013)
原作・脚本:一色伸幸 監督:古厩智之、小林聖太郎
主題歌:♪虹をつかむ人/佐野元春
出演:塚本高史、栗山千明、長谷川京子、堀部圭亮、柄本佑、須田瑛斗、西岡馬、有森也実、
榊英雄、藤田弓子、柳家喬太郎、大和田獏、石黒賢、佐藤二朗、黒谷友香、京野ことみ、
海東健、大地康雄、中尾明慶、柳下大、中村育二、根岸季衣、田畑智子、近藤芳正、一色洋平、古村比呂 ほか
佐藤二朗さんが出てるってことで見てみたv
【内容抜粋メモ(ネタバレ注意)】
●第1話 「澤野始は家族を見た」
床屋を営む岡江有(栗山千明)が首をカミソリで切ろうとしているところに
「7年前の手紙です」と澤野始(塚本高史)が配達にくる。
それを読んで「あなたは誰?!」とついて行くと、始が妻子と暮らしているマンションに着く。
澤野始はうつ病。妻が生計を立てている。
自殺しようと思い、「やるなら今だ」と紐を買って、閉鎖した映画館に入って試すが失敗。
席の奥に郵便屋が置いて行った帽子と鞄、手紙が見つかる。
ほとんど水に浸かっていた中で無事だったのは7通だけ。
その1通ずつを配達することで、自殺の決意を固めようと思ったという。
2通目は、魚屋のおばあちゃん(藤田弓子)宛の旦那さんからの手紙
古希のお祝いに立川談志の寄席チケット2枚が入っていた。
感激して感謝するおばあちゃん。「死んだ人はイジワルだ」と漏らす。
有は、自分宛の手紙を始に読ませる。それは、小さい頃、母と逃げた男から。
母は自堕落だったが、その後病気になり「私が死んだら、その灰でダイヤモンドを作って、有に贈って欲しい」と頼む。
ダイヤモンドのピアスは高校の時に届いた。これで理由も分かって感謝するとともに、
始が死んでしまったら、息子の輝くんも妻も悲しむと自殺を止めようとする。
「子どもって自分が傷ついていることに気づかない。気づいたら血まみれになってる。
子どもって原因が分からないと自分のせいだって思い込む。それキツいんだよ」
始の父も病死している。なんだか台詞回しが舞台劇みたい。
映画館で観てたのは、バスター・キートン!
大船が舞台で、巨大な観音さまは、圧巻/驚 一度、観に行ってみたい。
●第2話 「澤野始は夢を見た」
オリンピックに2度も行ったマラソン選手の国城(石黒賢)に7年前の手紙を届ける
以前、よく国城を撮っていたカメラマン・勇(佐藤二朗)からだった。
彼を呼んで、みんなでお好み焼きを食べよう!と計画する有。
「心は見えない。外からも、わたしからも」
始の妻・正美(長谷川京子)と鉢合わせになる有。自殺を計画していることをふせて「治療のために手紙を届けている」とウソをつく。
始はシンガポールでなんでも屋をしてたジャーナリスト志望だった。
妻「始がうつになって2年。原因は私なの」
勇はアルコール依存症とベーチェット病を患い失明寸前。
「今度飲んだら死ぬって言われてて、もう3年飲んでません」
横浜で若手にスパートを教えた国城を目標にして介添えをつけて走ることが夢。
「You already won.」
佐藤さんは報道カメラマン役。いつになくシリアスに演じてた! 冗談は一切なし。
観音さまは夜ライトアップされるのか
●第3話 「澤野始は友を見た」
友人レイコの手紙を届けた相手は亡くなったばかりで葬儀をしていた。
もう1通は看護師・笑子(黒谷友香)。ダイビングで会った友だち・りつ(京野ことみ)からの手紙だった。
「一番苦しまない自殺法を教える」と言われて話に付き合う始。
りつは骨肉腫で脚を失って「会いに来てくれ」と懇願していた。
笑子はりつが好きだった高橋くんにも嫉妬して奪ったことを後悔する。
約束していた自殺のクスリは、とても苦しむ方法。
「ちゃんと生きなきゃ死ねないの。それが救急病棟にいる者の思い」
正美は、輝を連れて家を出る。
新型うつと診断されてる通称・軍艦は、2ヶ月ぶりに会社に行ってずっとトイレにいた。
診断書さえ書けば、障害手当てで一生遊べるってなんだろう???
いつまでも変わることなく友だちでいよう 明日の日を夢見て希望の道を
この下校の時の歌を思い出して泣いた始。
笑子なんて名前あるかなぁ? でも、この強気な感じステキ。
私も一度ウミガメさんと泳いでみたい
私の小学校の下校の時の音楽はエデンの東 これを聴くと、いまだにどこか奥のほうが寂しくなる。
昔の名画音楽って、切ないメロディが多いよね。
●第4話 「澤野始は父を見た」
6通目は、教師に宛てた教え子からの手紙
学生時代に財布を3つ盗んだのは自分だという告白で、罪をかぶったススム君を許してあげてという嘆願だった。
始の父も中学教師。自分も罪をかぶって高校を中退させられ、ジャーナリストを目指した。
「人の手本になる。それが教師という仕事だ」
「悪事千里」「教師は思考や政治的偏向を知られてはならない」(へえ!そんなルール知らなかった/驚
ニッチ産業? 戦場の前線を取材するのはフリージャーナリスト。それがテレビ局などに買い取られる。
イラク戦争で一攫千金を求めて大勢のジャーナリストが集まった。
始は怖くなって日本に帰る。正美が妊娠し、3つの雑誌に断られたショックもありプロポーズし、旅行代理店の添乗員になった。
翌年死んだ父は、別れ際に見せた蔑んだ眼が永遠になった。
「おやじは、オレの臆病を見抜いてた。誤魔化し疲れてこの病気に逃げ込んだんだ。
なにをしていても逃避じゃないかって思える。そう考えると辻褄が合う」
教師「喋りたがる人は、実は聞きたがっている。
過去は変えられないが、その意味はいつでも変えられる」
「教師も父は神じゃないから間違う。お父さんはキミを責めたんじゃない。心配し、揺れていただけだ。
頑張れ!成せばなる!」と禁句連発で叱る
シンガポールでお世話になった恩師が戦地アフガンで行方不明になった記事を読む
「本当は責めてたのは自分自身。父はオレを映す鏡だった」
●最終話 「澤野始は言葉を見た」
最後の手紙は、「死刑制度に反対する市民ネットワーク」に参加していた女性。
叔父に暴力をふるわれる兄妹(こんな鬼みたいな叔父の家早く出ちゃえばいいのに
妹のために叔父と近所の女性を殺してしまった兄。
その男と2年間文通して、女性は婚姻届を送ったが、その返事は届けられることなく、別の人と結婚してしまった。
始の主治医「がんは原因が分かったといっても治るわけじゃない。うつ病も同じ」
始が書き始めて終わりまで書けなかった「ちくびくん」のお話のつづきを有が書く。
「ぼくは、輝くんの胸のドキドキを感じてる。そんなのが身体にあってもいいんじゃないの?
ここがいい。わたしがここにいたい」
「希死念慮」は、うつ病の回復期に多い。
「韓国やリトアニアに比べたら、日本は自殺率5位。まだまだだ」
前回未遂した劇場でクスリを大量に飲んで、また計画を実行しようとする始。
その前に正美の手紙を読む
「あなたをうつにしたのは私です。あなたを手放したくなくて、
ジャーナリストになる情熱を奪ったことで生き甲斐を奪った。わたしの性(さが)が招いた」
昆虫採集セットを買った意味がちょっと分からなかった???
「すべて逆だよ。輝のおむつ替える時、手についたウンコの臭いが好きになった。
オレは穴に転んだだけで、穴に理由はない。
もしこの次、眼を開けて、生きてたら、旅をする」
1年後、澤野は旅に出て、写真を撮り、ツイッタにつぶやく。
「あなたと歩くことで、その日の悲しみを倍にしよう
あなたと歩くことで、その日まで温度を感じていよう」
始は、そもそも戦争なんて撮りたくなかったんじゃないかな?
むしろ、生を撮りたかった。そのための長い旅だった。そして、これからも。
要所、要所にかかる佐野元春の主題歌がイイ。
原作・脚本:一色伸幸 監督:古厩智之、小林聖太郎
主題歌:♪虹をつかむ人/佐野元春
出演:塚本高史、栗山千明、長谷川京子、堀部圭亮、柄本佑、須田瑛斗、西岡馬、有森也実、
榊英雄、藤田弓子、柳家喬太郎、大和田獏、石黒賢、佐藤二朗、黒谷友香、京野ことみ、
海東健、大地康雄、中尾明慶、柳下大、中村育二、根岸季衣、田畑智子、近藤芳正、一色洋平、古村比呂 ほか
佐藤二朗さんが出てるってことで見てみたv
【内容抜粋メモ(ネタバレ注意)】
●第1話 「澤野始は家族を見た」
床屋を営む岡江有(栗山千明)が首をカミソリで切ろうとしているところに
「7年前の手紙です」と澤野始(塚本高史)が配達にくる。
それを読んで「あなたは誰?!」とついて行くと、始が妻子と暮らしているマンションに着く。
澤野始はうつ病。妻が生計を立てている。
自殺しようと思い、「やるなら今だ」と紐を買って、閉鎖した映画館に入って試すが失敗。
席の奥に郵便屋が置いて行った帽子と鞄、手紙が見つかる。
ほとんど水に浸かっていた中で無事だったのは7通だけ。
その1通ずつを配達することで、自殺の決意を固めようと思ったという。
2通目は、魚屋のおばあちゃん(藤田弓子)宛の旦那さんからの手紙
古希のお祝いに立川談志の寄席チケット2枚が入っていた。
感激して感謝するおばあちゃん。「死んだ人はイジワルだ」と漏らす。
有は、自分宛の手紙を始に読ませる。それは、小さい頃、母と逃げた男から。
母は自堕落だったが、その後病気になり「私が死んだら、その灰でダイヤモンドを作って、有に贈って欲しい」と頼む。
ダイヤモンドのピアスは高校の時に届いた。これで理由も分かって感謝するとともに、
始が死んでしまったら、息子の輝くんも妻も悲しむと自殺を止めようとする。
「子どもって自分が傷ついていることに気づかない。気づいたら血まみれになってる。
子どもって原因が分からないと自分のせいだって思い込む。それキツいんだよ」
始の父も病死している。なんだか台詞回しが舞台劇みたい。
映画館で観てたのは、バスター・キートン!
大船が舞台で、巨大な観音さまは、圧巻/驚 一度、観に行ってみたい。
●第2話 「澤野始は夢を見た」
オリンピックに2度も行ったマラソン選手の国城(石黒賢)に7年前の手紙を届ける
以前、よく国城を撮っていたカメラマン・勇(佐藤二朗)からだった。
彼を呼んで、みんなでお好み焼きを食べよう!と計画する有。
「心は見えない。外からも、わたしからも」
始の妻・正美(長谷川京子)と鉢合わせになる有。自殺を計画していることをふせて「治療のために手紙を届けている」とウソをつく。
始はシンガポールでなんでも屋をしてたジャーナリスト志望だった。
妻「始がうつになって2年。原因は私なの」
勇はアルコール依存症とベーチェット病を患い失明寸前。
「今度飲んだら死ぬって言われてて、もう3年飲んでません」
横浜で若手にスパートを教えた国城を目標にして介添えをつけて走ることが夢。
「You already won.」
佐藤さんは報道カメラマン役。いつになくシリアスに演じてた! 冗談は一切なし。
観音さまは夜ライトアップされるのか
●第3話 「澤野始は友を見た」
友人レイコの手紙を届けた相手は亡くなったばかりで葬儀をしていた。
もう1通は看護師・笑子(黒谷友香)。ダイビングで会った友だち・りつ(京野ことみ)からの手紙だった。
「一番苦しまない自殺法を教える」と言われて話に付き合う始。
りつは骨肉腫で脚を失って「会いに来てくれ」と懇願していた。
笑子はりつが好きだった高橋くんにも嫉妬して奪ったことを後悔する。
約束していた自殺のクスリは、とても苦しむ方法。
「ちゃんと生きなきゃ死ねないの。それが救急病棟にいる者の思い」
正美は、輝を連れて家を出る。
新型うつと診断されてる通称・軍艦は、2ヶ月ぶりに会社に行ってずっとトイレにいた。
診断書さえ書けば、障害手当てで一生遊べるってなんだろう???
いつまでも変わることなく友だちでいよう 明日の日を夢見て希望の道を
この下校の時の歌を思い出して泣いた始。
笑子なんて名前あるかなぁ? でも、この強気な感じステキ。
私も一度ウミガメさんと泳いでみたい
私の小学校の下校の時の音楽はエデンの東 これを聴くと、いまだにどこか奥のほうが寂しくなる。
昔の名画音楽って、切ないメロディが多いよね。
●第4話 「澤野始は父を見た」
6通目は、教師に宛てた教え子からの手紙
学生時代に財布を3つ盗んだのは自分だという告白で、罪をかぶったススム君を許してあげてという嘆願だった。
始の父も中学教師。自分も罪をかぶって高校を中退させられ、ジャーナリストを目指した。
「人の手本になる。それが教師という仕事だ」
「悪事千里」「教師は思考や政治的偏向を知られてはならない」(へえ!そんなルール知らなかった/驚
ニッチ産業? 戦場の前線を取材するのはフリージャーナリスト。それがテレビ局などに買い取られる。
イラク戦争で一攫千金を求めて大勢のジャーナリストが集まった。
始は怖くなって日本に帰る。正美が妊娠し、3つの雑誌に断られたショックもありプロポーズし、旅行代理店の添乗員になった。
翌年死んだ父は、別れ際に見せた蔑んだ眼が永遠になった。
「おやじは、オレの臆病を見抜いてた。誤魔化し疲れてこの病気に逃げ込んだんだ。
なにをしていても逃避じゃないかって思える。そう考えると辻褄が合う」
教師「喋りたがる人は、実は聞きたがっている。
過去は変えられないが、その意味はいつでも変えられる」
「教師も父は神じゃないから間違う。お父さんはキミを責めたんじゃない。心配し、揺れていただけだ。
頑張れ!成せばなる!」と禁句連発で叱る
シンガポールでお世話になった恩師が戦地アフガンで行方不明になった記事を読む
「本当は責めてたのは自分自身。父はオレを映す鏡だった」
●最終話 「澤野始は言葉を見た」
最後の手紙は、「死刑制度に反対する市民ネットワーク」に参加していた女性。
叔父に暴力をふるわれる兄妹(こんな鬼みたいな叔父の家早く出ちゃえばいいのに
妹のために叔父と近所の女性を殺してしまった兄。
その男と2年間文通して、女性は婚姻届を送ったが、その返事は届けられることなく、別の人と結婚してしまった。
始の主治医「がんは原因が分かったといっても治るわけじゃない。うつ病も同じ」
始が書き始めて終わりまで書けなかった「ちくびくん」のお話のつづきを有が書く。
「ぼくは、輝くんの胸のドキドキを感じてる。そんなのが身体にあってもいいんじゃないの?
ここがいい。わたしがここにいたい」
「希死念慮」は、うつ病の回復期に多い。
「韓国やリトアニアに比べたら、日本は自殺率5位。まだまだだ」
前回未遂した劇場でクスリを大量に飲んで、また計画を実行しようとする始。
その前に正美の手紙を読む
「あなたをうつにしたのは私です。あなたを手放したくなくて、
ジャーナリストになる情熱を奪ったことで生き甲斐を奪った。わたしの性(さが)が招いた」
昆虫採集セットを買った意味がちょっと分からなかった???
「すべて逆だよ。輝のおむつ替える時、手についたウンコの臭いが好きになった。
オレは穴に転んだだけで、穴に理由はない。
もしこの次、眼を開けて、生きてたら、旅をする」
1年後、澤野は旅に出て、写真を撮り、ツイッタにつぶやく。
「あなたと歩くことで、その日の悲しみを倍にしよう
あなたと歩くことで、その日まで温度を感じていよう」
始は、そもそも戦争なんて撮りたくなかったんじゃないかな?
むしろ、生を撮りたかった。そのための長い旅だった。そして、これからも。
要所、要所にかかる佐野元春の主題歌がイイ。