メランコリア

メランコリアの国にようこそ。
ここにあるのはわたしの心象スケッチです。

notes and movies(1996.6~ part1)

2013-07-12 10:03:23 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
今回は白い色のノートからご紹介。
またお笑い映画に戻って、「サタデーナイト・ライヴ」にハマったらしい

  

photo1:なんだか憎めない俳優ジャン=ピエール・レオ。
photo2:どこからコピったのか「十字架の聖ヨハネのキリスト」ダリ。
photo3:延々と「サタデーナイト・ライヴ」シリーズ

若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『We are the World USA for AFRICA』(1985)
出演:マイケル・ジャクソン、レイ・チャールズ、スティーヴィ・ワンダー、ボブ・ディラン、
ダイアナ・ロス、ブルース・スプリングスティーン、ビリー・ジョエル、シンディ・ローパー、
シーラE、ダン・エンクロイド、ダリル&オーツ、ポール・サイモン、ベッド・ミドラー ほか
アフリカで日々飢餓によって死んでいる人々に食糧や薬、生活用品等の資金にあてるため、
ビッグスターが集ってレコーディングをした様子を収めた作品。案内はジェーン・フォンダ!
日本でも話題は届いたがこれももう10年も前になるのに、いまだにステージに君臨しているアーティストばかり。本物は消えない。
普段は個々で活動している個性の違った歌手が1つに集まり、普段の表情を見せてレコーディングに集中している風景は貴重。
指揮はクインシー・ジョーンズ。

ベネフィット・コンサートの模様かと思ったけど、終始レコードを作り上げるまでの過程。
それでもビデオ・テープが48時間にもおよび、それらも寄付によるものだそうで、なんとも大掛かりだが、
夕方に集まって翌朝の8:30まで徹夜で吹き込んでいる。
一度に歌っているのではなく、まずコーラス部分、続いてデュエットのソロ部分、
そして2~3人のアドリブ部分を織り合わせて出来上がる過程は面白い。

レイが足を踏み鳴らしながら点字の歌詞カードで1回のテイクでシャウトしたり、
スティーヴィが♪間違えた~て節をつけたNGや、シンディがせっかくシャウトしたのにジャラジャラのネックレスの音でNGを出したり
途中♪デーオ、デーオ の曲で皆盛り上がるシーンや、現地の女性の「本当にありがとう」の言葉に涙を流すシーンもある。

終始クールなディランにも注目。1人だけ音程外れているようでもあれが個性なんだものね
ブルースも彼らしいシャウトで、ダイアナはスイートヴォイス、ラストは出来上がりの通しで聴かせて、
それぞれのインタビューのカットが入る。レコードを買ったら基金となる仕組みは一度に集まるのではなく、
時を経てこの曲に感動した者が継続してアフリカの人々を助けるシステム。

(こうしてあらゆる形で何十年間もお金や物資を送り続けても、現地の教育などの根本を進めなきゃ何も変わらないんだな


『マザーズ・ボーイ』(1994)
監督:イブ・シモノー 出演:ジェイミー・リー・カーティス ほか
カーティスが脚本を読んで母親役を買って出たという。
『ゆりかごを揺らす手』でも家庭を狙うサイコな女性を描いた監督が再び同じテーマに挑む。
同じ悪女ものでも彼の作品ではそれなりの理由があるリアリティさが感じられる。悪が滅びるのはアメリカンな展開だね。
祖母役にヴァネッサ、キャリー役にキルマー、弁護士役にジョス・オークランドって脇役も豪華。


『奇跡を呼ぶ男』(1992)
監督:リチャード・ピアース 出演:スティーブ・マーティン、デブラ・ウィンガー、リーアム・ニーソン、ルーカス・ハース ほか
教会でも流せるコメディ。マーティンがコメディアンとしてより俳優の才能を見せてかっこよくキメてる。
ウィンガーや、優男の魅力のニーソンの好演も生きてる。強力なゴスペルが注目
シェリフとジェーンが魅かれ合っていく過程も自然でイイし、手を叩くと舞い上がる数千匹の蝶のシーンもキレイ。
カルト教団に関してはもう懲りた日本でも、やっぱりこーゆーヒトたちっているものね。
要はボスの理屈通り「インチキと呼ばれても気にしない。問題は信じて起こす人々の力、その結果だ」
Faith=信仰。信じることこそ宗教であって、それがキリストでなくてもいいんだよね。
悩みのない人なんていないし、世界中似たり寄ったりの悩みだけど、
人が信じる力で、または他の何かで起こりうる奇跡ってやっぱりスゴイ。


『イングリッシュマン・IN・ニューヨーク』(1988)
監督:パット・オコーナー 出演:ダニエル・デュ・ルイス、ハリー・ディーン・スタントン ほか
今じゃシリアスものでベテラン俳優の仲間入りといった感じのルイスがオールヌードでコメディアンを頑張って演じている。
音楽はお馴染みスティングのヒット曲で、N.Y.に暮らし始めた英国人のカルチャーショックものだけど、
アクセントの他にやっぱり習慣の差とかってあるのかな。私たちにはそれほど違って見えないけど。
スタントンが出てくると俄然話が面白くなる。

ドタバタのラストもイイ。ニール・サイモン脚本って感じがする。
アジア系とかなら見た目ですぐ分かるけど、英国人は喋ったアクセントでどこに行っても「イギリス人?」て言われるのがめんどーそう。
コーヒーじゃなく紅茶を飲んで、いつも礼儀正しくしてなきゃって緊張してる。
喋れば人を小ばかにしたように上品で・・・見た目は同じでも米人とかなり気質は違うのね。


『デーヴ』(1993)
監督:アイバン・ライトマン 出演:ケヴィン・クライン、シガーニー・ウィーバー ほか
なんと本物の政治家がストーリーに協力出演して、シュワちゃんやストーン監督までまことしやかに語っちゃうスケールの大きいお話。
もし米大統領がニセ者だったら? 普段見れない執務室も見れる。
ファーストレディって夫が権力を持っている間だけの飾りにすぎないのね。
ボランティア活動がもてはやされるのもその期間だけ。

「人気取りに夢中になり、国民に雇われている身なのを忘れていた」とは名演説。本物からは滅多に出ないセリフ。

下積みから始まって何かと金が入用になり、ストレスも重なるうちにだんだん初心も忘れて染まっていっちゃう。
新鮮で純粋なココロを保つのって難しい世界なのね。
はじめは強面の黒人ガードマンとよそよそしいのに次第に打ち解けてキャンペーン運動に付き合わせちゃうまでの件もイイ。
「君の弾を受けるよ、今なら」


『雲の中で散歩』(1995)
監督:アルフォンソ・アラウ 出演:キアヌ・リーヴス、アイタナ・サンチェス・ギヨン、アンソニー・クイン ほか
観た人が大きな愛で包まれる文芸ロマン的作品。映画によくある偶然の積み重ねが運命の出会いとして優しく語られてゆく。
今回初のロマンス映画主演とは思えないリーヴスがまた一回り幅を広げた魅力を見せる。
いかにも清楚、誠実なルックスはR.レッドフォード路線。歌うシーンでは素顔ものぞく
A.クイン、J.ジャンニーニ他ベテランの共演も重要。
収穫した葡萄を汗と土で汚れた素足で踏む工程はちょっと・・・あのまま絞ってワインにしてるの???
けど果汁で光るギヨンの脚は官能的なシーンで注目

霜がおりて木を燃やし昆虫の羽根みたいなので温めるシーンも美しい。'45か。古きよき時代だね。
シスコの大都会になってしまう前の様子が分かる。
孤児院で育ち、大家族に憧れていた青年が完璧な妻と家と家族を手に入れる。途中に入る戦時中の夢が印象的。


『LINK』(1986)
監督:リチャード・フランクリン 出演:エリザベス・シュー、テレンス・スタンプ ほか
なんとも言えない怖さ。'86作にしては古ぼけた色使いがまた怖い。
ってここまで人に近づけるのに理性のコントロールは学べないのね。大人の10倍の力が出せるんじゃ、やっぱり野生には敵わない。
この主人公の猿はそうとう訓練している。稼いだろうね アボリツア賞かなにかもとっちゃったことだし演技力バツグン。
動物は普通火を怖がるのにタバコの吸い方まで覚えちゃって、人間の影響は怖い。
どんなに可愛くても共存していく安全のためには人が常に威圧してる必要があるのか。
こんな弱い生物を尊敬して付き合ってくれるなんて、健気な動物だな、チンパンジーは。


『他人のそら似』(1994)

監督・出演ミシェル・ブラン: 出演:キャロル・ブーケ、フィリップ・ノワレ、
シャルロット・ゲンズブール、ロマン・ポランスキー、マチルダ・メイ ほか
同じ替え玉コメディでも米映と仏映の撮り方は随分違う。
忙しい有名人は自分のソックリさんを代役に出してる!? 今までありそでなかった奇抜なアイデア。
二転三転する凝った構成。ブランがコメディアンとは知らなかった。その上、米中心の映画界に宣戦布告する監督だ。
フランスを代表する有名人が次々飛び出すのも楽しい。

「ウッディ・アレンみたいなフリはやめて」w
「英語も話せる」「スピルバーグに言っとくよ」
「私は本物だ。よくあるんだよ。今の仏映は戦死者の墓だ。セザール賞みたいだろ」

2人の行く所、行く所サインやらの人だかり。本当にプライベートなんて持てないのね。
しかし、今の合成技術ってスゴイ。本当にブランが2人いるみたい。
「次の作品は瓜二つの男の話で、C.ブーケが出るらしい」
ブランが「どうなってるんだ?」とカメラに話しかけたりして、なんでもありの現実ごちゃまぜ作品。


『ベイビー・ウォンテッド!』(1990)
監督:レナード・ニモイ 出演:ジーン・ワイルダー、クリスティン・ラーティ ほか
スポック博士でお馴染みのニモイは、監督としては『スリーマン&リトル・ベイビー』等、家庭的なホームコメディが好きらしいのが面白い。
なぜか体中から温かいイノセンスが漂うワイルダーと組んでフツーの夫婦話を描いたのがコレ。
子どもが欲しくてもできないであらゆる試みで努力している夫婦は多い。そこに孫を強要する姑がいたら、もう最悪だろうね。
このお父さんみたく「独りでいたくない」とか、若くても「家庭は束縛、負担なだけ」って人もいる。本当、愛するってフシギで可笑なもの。
容姿よりこれだけダフィみたく1人の人を愛せるのも貴重な存在。

♪You know love don't come easy, but I'm keep on waiting...


『イン・ベッド・ウィズ・マドンナ』(1990)

ミュージックビデオは数々あれど、マドンナのMVはどれも面白い。
彼女が自負する如くライブは完璧に計算し尽くされたエンンタテイメントショウでミュージカルみたいな芸術性、演劇的要素が強い。
テーマの主はセックス。A.ウォーホルならマリリンをとり上げたようにマドンナも題材にしたがるだろうな。
マドンナは今や彼女以外の誰にもなりようがないスーパースター。自身のイメージ、ロゴそのもの。
プライベートをとっても周囲を楽しませようとする気持ちが伝わる。

かなりキワどいステージで世界を沸かせた「ヴォーグ」ツアーのonとoffを撮った作品。
梅雨で冬みたいに寒い日本ツアーから始まって、米国に戻り、保守的なトロントではあるシーンのカットor公演中止かのトラブル、
(ちなみにピストルズや、ジャニスもトラぶった場所)、ヨーロッパでも絶好調。ダンサーとの仲をでっち上げられたことを除けば。
ウォーレン・ビーティとは映画からの付き合い?「(喉をつぶして)診察風景まで撮っていいのか?」と言ってることは真面目。
楽屋もアル・パチーノや、ケビン・コスナーら豪華キャスト。

「有名人は互いに仲良くするのが当然ていう雰囲気がある」

「ショーンは今まで一番愛した人」と素直な一面も。

兄も登場。幼なじみも出て子どもの名付け親を頼む。レズビアンの親友もいる。
周囲のコメントは「(マドンナは)自分の周りに壁を築いて、打ち解けるのが下手な人」と意外。
ビデオを見るかぎりメンバとは本当のファミリーみたいでそうは見えないけど。
スライの♪Family Affair まで歌ってる。ほかにも♪Holyday ♪Express yourself ♪Father ♪Vogue ♪Like a Virgin など。
メンバはオリバー以外はみんなゲイ。エイズで亡くなったキースに捧げたコンサートや、“ゲイに慣れてくれ”運動の模様もあり。
父の誕生祝いと母の墓参り。5才の時に死んじゃってるのね。こうして見ると平均的アメリカ娘。

「まるで母親のような気分。私も母性を必要としてるの」
マドンナママがメンバを寝かしつけるラスト。本当に若いダンサーらのビッグママなのね。

「私はそれほどいいダンサーでもシンガーでもないけど、表現して皆の目を覚ましたい」というのが野心家マドンナの本音。
体を張って永遠にセックス・シンボルであり続ける彼女はたった1人で戦うウーマンリブの体現者に思える。

コメント

notes and movies(1996.6~ part2)

2013-07-12 10:03:22 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part1からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『ウェルカム・トゥ・ヘヴン』(1987)
監督:ダイアン・キートン 出演:ドン・キング、ヴィクトリア・ セラーズ(ピーターの娘さん驚 ほか
D.キートンがこれほど宗教問題を撮るとは意外。観れば観るほど本当に死んじゃいそうになる
天国はキリスト教徒の白人しか行けない所だなんて差別もいいとこだ。
まだ丹波さんの『大霊界』のほうが面白い映画だったよ。

まあ、もともと「天国」て言葉と概念が聖書から生まれたものならムリもない。
この人たちは一体どこから連れてきたの? 毎週日曜には教会に通う信仰心の強い人たちを集めたのか?
それともランダムに選んだ一般人か。顔見知り同士もいたみたいだけど。
妙に鋭い目つきのおばあさん(天国を信じてるなら、そんなに怖い顔しなくても)や、
妙に汗ばんで話すイッちゃってる人、ヤンキー娘2人組(子どもらはノーマル)、
あつあつのカップルとか、老夫婦、サーカスの姉さん、不良もいるし。

「天国があるか証明して下さい」て質問に抽象論で答えようとしたのを止められて逆上し、
「天国がないこと証明してみろよ! ここが天国だ」こんな口論聞いていたくない。

'87とは思えない古いテープで、ホラー映画で「死は怖いですか?」の連続。
天国を信じている人なら必然的に地獄や悪魔、死の苦しみ・孤独を信じる人だもの。
「天国には白人しかいない」「壁は宝石でできている」「何でも買える」「何でも食べられる
「バート・レイノルズみたいに変われる」などと欲望の塊。

「神は絶対に男よ」キリストの格好をした俳優の足にキスをして恍惚とする女性。
崇める対象は必ず男で、崇める側は女性? 愛を映像化すると涙を流して、愛されることを喜ぶのは女?
ラストのサム・クックの歌声はイイ


『夜のめぐり逢い』(1988)
監督:フランソワ・デュペイロン 音楽:リヒャルト・ストラウス、セルジュ・ゲンズブール
出演:カトリーヌ・ドヌーブ、ジェラール・ドパルデュー ほか
本当に広告のコピーって口が上手いな。今作の見所はドパルデューとドヌーブの顔合わせと、車の中で流れる静かなオペラ音楽だけ
フランスの行動は傍目から見たら本当に挙動不審。
ドパルデュー(あくまで役だが)が体臭キツいと知ったシャルルが「汗臭い」「車の中は臭い」ってセリフが妙にリアルでこっちまで臭ってきそう
ルネ・クレマンにセルジュとはビッグネームだけど、リアリティは感じても小説向きな世界。

これじゃ誘拐でしょ。若い娘の約束も破って、安請け合いもいいとこ。こんなに嫌いだって言っているのに付きまとうのはおかしい。
ドヌーブが愚かでフラれた役をしていること自体キャスティングミスだし。
シャルル「故障した車なんか関係ない。人には一人でゆっくり考える時が必要なんだ。もっと考えるべき大切なことは山ほどある」てセリフはイイ。


『ドクトル・ジバゴ』(1966)
監督:デビッド・リーン 出演:オマー・シャリフ、ジュリー・クリスティ、ジェラルディン・チャップリン ほか
政治が絡んだ歴史もののロマンスは、状況把握だけでもひと苦労。ストーリーをメモってたら作品自体の感動が半減しちゃった。
懐かしいラーラのテーマ は、実家の電話の保留でかかってたなあ。
澄んだ瞳のシャリフが若々しい。長~~~~いOVERTURE(歌劇等の序曲・前奏曲)とINTERMISSIONあり。

自由のために戦うのが重要だったという時代は、現代の私たちには信じ難い。
観てみれば政治的部分を除けばなんてことない不倫の話。
こんな時代でも命懸けで人を愛する気持ちは失われないでいるのは不思議なこと。
列車内で悲観的な強制労働者が老夫婦が寄り添うのを見て苦笑したのも同じ気持ちだろう。

最後まで一度の不貞を恥じたラーラ。
「2つのタイプが男女にはある。清純だが愛する者を不幸にするか、不純でも生きているか」

人間て常に新しい何かを求め続けていくものなんだ。トラブルに巻き込まれて、今もっている幸運を手離しても。
相手がクリスティみたいな美人なら仕方ないか。若いJ.チャップリンも魅力的。

小説もきっと面白いだろう。実話? 発禁になったくらいだからそうとう政治色も強いんだろうな。
D.リーンは、ロシアの厳しい冬の厳寒を見事に撮り上げている。
厳しい時代における温かな男女の愛、家族の愛情、そして戦争で死んだあまりにもあっけない命。


『欲望のあいまいな対象』(1977)
原作:「女と操り人形」ピエール・ルイス 監督:ルイス・ブニュエル
出演:フェルナンド・レイ、キャロル・ブーケ ほか
本当に曖昧。うーーーん・・・納得がいく作品には当分巡り会えないのか?
原作のタイトルのほうがよっぽどストレートに内容を表している。
真実の変わらぬ愛を求めて体を与えようとしない魅力的な女に振り回される初老の金持ちの話。
人生分かっててでしゃばりもせず、文句も言わない代わりに、いつもフォローして、気の利いた忠告をしてくれる執事がイイ。
ブーケがセミヌードを披露。オールヌードはモリナにお任せ。全然似てないのに2人1役。
1人の女の中の別の性格を表してるってワケ? 余計にお金を持ってて暇だとロクなことにならないね。
ショッピングモールで突然テロ爆発。これは政治風刺の作品でもあるのか?


『逃げ去る恋』(1978)

監督:フランソワ・トリュフォー 出演:ジャン・ピエール・レオー、クウロード・ッジャド、マリー・フランス・ピジエ ほか

♪バラの香水をつけている女 母も耳の後ろに同じのをつけていた 涙ポロポロ 逃げ去る恋~

てテーマソングにのってトリュフォーの分身・レオが恋する男を忙しく演ずる今作は、監督の自伝的要素をもったシリーズの9作目。
“出会いは運命的、一緒になると続かない”恋の遍歴を小説にした、男と女たちを新鮮な感覚で描く。
中にレオ本人の幼い頃のショットがあるのが楽しい。
トリュフォーは51歳で亡くなっているのね。レオも悲しんだことだろう。
子どもの頃から大人になるまでの成長記録を撮られた感じだもの。
移り気で変わっている役が多いけどJ.P.レオってなんだか憎めない感じ。


『市民ケーン』(1941)
製作・監督・出演:オーソン・ウェルズ 出演:ジョセフ・コットン ほか
天才児として映画史に大きな影響を与えたというウェルズも過去の人。今じゃ英会話教材の広告で見る人って感じ。
'38に火星人襲来をラジオで放送して、皆が信じて怖れおののいたという逸話は聞いている。
この人本人の自伝のほうがきっと面白いはず。今観るとなんてことない作品だけど、当時は画期的だったろうね。
回想シーン、ドキュメンタリーニュース風の構成と演出。パン・フォーカス(遠近すべてにピントを合わせる撮影法)等。
実在の新聞王ハーストをモデルにしたという噂で反響を呼んだとか。

ローズバッドは確かに永遠の謎。ウェルズは後に何のことか明かしたのだろうか?
たわいない言葉にもとれ、ケーンが欲しくても得られなかった永遠に貴い美しいものの象徴ともとれる。
いろんな推測が生まれただろうね。25歳の若さで成し遂げたというのは本当にスゴイ。手づくりの新鮮なパワーが満ちている。
「今回が初出演の人たち」なんてテロップがちゃんとついてて、とってもハンドメイドな感じ。


『スタア誕生』(1954)

監督:ジョージ・クッカー 出演:ジュディ・ガーランド、ジェイムズ・メイソン ほか
ミュージカル映画の女王ジュディを堂々と主役に据えて、1人のハリウッドスターが生み出されるまでを丁寧に描いた作品。
けど手許にまったくジュディの資料がない!
ガーシュインの音楽とダンスに乗せて語られてゆくエスターの姿に、自然とジュディ自身の姿が重なってゆく。

子役からスタートして、超スーパースターとなり、アルコール依存症で孤独のうちに命を縮めたのは彼女も同じ。
デビュー当時17歳の頃とちっとも変わらない魅力がいっぱい。
曲の中に虹のかなたに を思わせる節があり、ジュディが演じたトランプのシーンもある。
家の中でショーを再現するシーンも圧巻。途中で2巻目に思いっきりぶちぎれてたけど

有名になるとアルコール依存症で身を落とすケースが多いのはなぜだろう。このノーマンも理由は分からずじまい。
プライベートも、真実もない生活から逃げるためか。「これがスターの行く末だ。侘しいものだな」
「皆はスターが成功してゆく姿と落ちてゆく姿を見たがる。絶頂で叩かれて引きずり落とされるのを見るのが楽しいんだ」
てタモリも言ってたのは本当だね。

♪Born in the Trunk のミュージカルシーンも素晴らしい。
時々、ライザ・ミネリと重なって見える。母娘が似ているのは当然だけど歌う姿もソックリ。
♪舞台のそでから、両親のショーに加わり、あらゆる事務所を回って、もらった仕事はフレンチカンカン
 主役が急病で代役も務めたけど、she's back, oh well... 

「何か特別のひらめきのある者がスターになれる」
ハリウッドスターを夢見る星の数ほどの卵たち。こんなサクセスストーリーもきっとどこかにあるんだろう。


『ミスター・アーサー』(1981)
監督:スティーブ・ゴードン 音楽:バート・バカラック
出演:ダニー・ムーア、ライザ・ミネリ、ジェラルディン・フィッツジェラルド ほか
この主題歌はどこかで覚えがあるしっとりしたイイ曲。♪New York City Cerenade
このオスカーは分かるけど、今作でこれだけ賞をとってるなんてこの年はあまりヒット作がなかったのね←失礼だ
働くことを恥と考える人たちがいるなんて。裸一貫で巨額を作るのもいいけど、金持ちは考え方が変わってる。
でも財布の中身を見ないで買い物をしたいってのは夢かも。
D.ムーアがちょっと弾き語りをするシーンがあるけど、もともと音楽を絡めて笑わせるスタンダップコメディアンだったのよね。
今作ではとにかく終始酔ってる役。


『透明人間』(1992)
監督:ジョン・カーペンター 出演:チェビー・チェイス、ダリル・ハンナ、サム・ニール ほか
今作の見所はひとえに透明人間描写の特撮。その他はなんてことない。
チェイスもH.ボガードみたいにクールに徹しているし、S.ニールの悪役は板についてる。ハンナのヒロインもごくフツー。
風景がダリの世界でイイ。追跡劇がメイン。レストランで口をナプキンで拭いたら、入れ歯が飛び出して怖い。
雨に濡れるとちょっと光って見えて幻想的。まさに特撮を駆使した現代ファンタジック・コメディ。
煙草を吸えば肺が浮き出て、食べれば胃が出てくる。自分の手も見えないから物をうまくつかめない。
誰しも一度は夢見る?透明人間も楽じゃない。孤独なもんだって悲哀まで感じちゃう。
パンツだけがジョギングしてたり、顔だけ逃げていったり、メイキングが見てみたい。


『マカロニ』(1985)
監督:エットーレ・スコラ 出演:マルチェロ・マストロヤンニ、ジャック・レモン ほか
今作の日本公開は'88か知らなかったな。こうゆう渋好みのファンもいたのかな。
タイトルがいかにも外国人向けイタリア映画って感じだけど、このベテラン中のベテランの2大スターの顔合わせが楽しい。
歳してもとってもキュートな2人。特にJ.レモンファンとしては手に入りにくかった作品で、やっと観れた喜びしきり!
テンションが高い『ちょっとご主人貸して』とかの頃ももっと観たいけど、落ち着いてからもイイ。
フツーのオジサンが子どもっぽく人生を楽しめるようになるまでって話が多いね、レモンは。
自慢のピアノの腕も紹介するワンカットがあるのにも注目。レモンのCDもあれば聴いてみたいんだよね、ぜひいつか。

スーパークリームを口いっぱいにほおばって伯爵に「ボンジョルノ」て言って吹き出しちゃうシーンは笑える。
両足をコンって宙で鳴らしたり、工事中の鉄骨に登ったり、レモンは全然元気な様子。
イタリアって本当にアミーゴを家族みたいに大切にするところって感じが出てる。
屋台で売ってるいろんな珍しいお菓子もなんだか美味しそうだし。
ギャングがまかり通る同時に物騒な場所もあるけどね
コメント

notes and movies(1996.6~ part3)

2013-07-12 10:03:21 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part2からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『マルクス兄弟 オペラは踊る』(1935)

監督:サム・ウッド 出演:マルクス兄弟、マーガレット・デュモン ほか
これぞマルクス兄弟のナンセンスコメディ決定版 あらゆるベストシーンが詰まった最高傑作
こうゆう笑える作品を観たかった

♪Alone 曲:ナシオ・ハーブ・ブラウン 詞:アーサー・フレッド
♪Cosi-Cosa 曲:カパー&ジューマン 詞:ネッド・ワシントン

(ノートにはほぼギャグのメモが書いてあるけど、グルーチョの会話ネタの一部を紹介w
「牛乳育ちのチキンはあるか? その乳を搾ってくれ
「なにもしないで高給とりだわ」「高給をとってるじゃないか」
「ついてくるかい?」「ええ!」「ついてくるな、逮捕するぞ!」

「面倒だ、カットしよう」と契約書をどんどん破っていくやりとりも有名。
「読めるか?」「読めるが、字が見えない(遠くに離して)テナガザルをポケットに入れてないかい?」
「ここなら君も気に入るぞ」「いや気に食わん」「どこが?」「全部だ」「こんな事で友情は壊せない、カットだ」

部屋に警察がやって来て、4つのベッドをどんどん次の部屋に運ぶと「ウサギ並みの繁殖力だ」爆
うーーん書ききれないほどの爆笑ギャグの応酬。
これも舞台で練り上げられたものだろう。無駄なシーンがまったくない。
グルーチョのアップもあって、改めてぶっとく描いた眉とヒゲを見てみとれちゃったw
みんな若々しくて、バリバリの頃だからね。カップルのオペラ歌手のシーンが入るタイミングもイイ。
本人の歌唱かどうかは分からないけど、オペラの味も楽しめる。


『マルクス兄弟 珍サーカス』(1939)

監督:エドワード・ブゼル 出演:マルクス兄弟、マーガレット・デュモン ほか
中盤まではギャグも控えめでローギアのローレル&ハーディ風。動物芸をまじえてストーリーの探偵ごっこ中心だけど、
サーカスショーがメチャクチャに盛り上がる、このハチャメチャぶりはイイ
確か、長年作品に出てきたデュモンが吊り下げられたりするアクションに根を上げて、共演をしばらく休みたいって言ったんだよね
でも、やっぱりグルーチョとの掛け合いの相手は彼女が最高

♪Woo Blind Love 恋に盲目の2人は魚と肉の違いも分からない~
♪リディア 1900年の万博にいたそうな イレズミの女王で 体中が百科事典 ちょっと太めのお尻を振って踊るのもキュート

ギャグメモ:
「やあ、最後に会ってから会うのはこれが初めてだ!」
「白状しないと子ども椅子(high chair)行きだぞ」
「一緒に歩きましょう」「いややめとく。イエバエと契約したんだ、天井は歩かないって」
スピーチで「Good Evening!!」を「おこんばんわ~!」て和訳がイイ。呼ばれて「何じゃろか~?」とかw
「遅いわね」「象はスローだから」「象?」「象なんて言ってないぞ、飲みすぎだ。いい歳して象だなんて・・・」

ん~こうやって書いてみるとそれなりに愛着が沸く作品だね。
マルクス兄弟の作品でバスターがギャグを書いたものがあるんだけど今作かなあ?
でもクレディットには何も書いてなかった。これのメモだけで3時間も過ぎちゃった

(なんだかハッチさんを思い出した。マルクスbros.に通じるナンセンスな笑いのセンス、歌ごころを感じるぞv


『豚と天国』(1990)
監督:フランシスコ・ロンバルディ 出演:グスタボ・ブエノ ほか
冗談キツイね。ホラー映画なのか? スペインの下層民の実態を描いてて思わずひきこまれる話だけど、気の重くなる作品。
今生きることより、死んだ後どこに収まるかのほうが老夫婦にはとても大切なことだったんだね。
「運命は切り開くものだ。強く望むか望まないかが勝敗を分ける」アドバイスは簡単だけど、人生はもっと複雑。


『豚が飛ぶとき』(1993)
監督:サラ・ドライバー 出演:マリアンヌ・フェイスフル ほか
豚シリーズだね。この次に「ベイブ」がきたらもう完璧。豚が流行り?
でも今作は豚の出演はなしの幽霊話を真面目に描いた、ジム・ジャームッシュ製作にしてはパンチの弱い作品。
タイトルはまさかの時って感じの意味。
これだけ大物のスタッフが集まっていたら、もうちょっと面白味のある作品ができてもイイと思うけど。


『立候補』(1992)

監督:マイケル・リンゼー・ホッグ 出演:ダイアン・キートン、エド・ハリス ほか
E.ハリスのマイナー作品を探せばイイものいっぱいありそう。
今作は上院議員から大統領選出馬の際、不利な独身の肩書きを消すためにタイプの女性を見つけたはいいが、
体面や公共性の間で揺れる男女の関係をストレートに描いている。
キャリア・ウーマンで自己表現のハッキリしたアギー役は、まさにダイアンの十八番だし、
元フットボールキャプテンてのは本当のハリスの魅力も爆発。
出会いを描いたのが今作なら、その後を描いたのは『デイヴ』てとこかな。

「フィルムに出てたのですか? yes or no?」この憎たらしいリポーターが効果的
「yesだ。でもアギーは今までの中で最も誠実だ。結婚しても公共物として扱うつもりはない。知る権利というが思いやりを忘れてないか?」
このヒューの演説がクライマックス。病めるアメリカに渇を入れるセリフ。
これだけ広大なアメリカで、考えの違う大勢の人をひとつにまとめようっていう大統領だから、
1人の個人というより、周囲のバックアップの意見のより集めになっちゃうのもムリはないけど、
完璧クリーンな人間じゃあり得ないし、元は誠実でも変わらざるを得ないってこともあるかも。
でもこうしてストレートに究明しようとするアメリカ映画は貴重。
J.コッカーのYou're so beautiful が効果的。


『大陸横断超特急』(1976)

監督:アーサー・ヒラー 出演:ジーン・ワイルダー、リチャード・プライアー ほか
変だな。これも観た覚えがある。いつ、どこでかは思い出せないけど、
とにかく何度観てもよくできたミステリー・アクション、ロマンス・ストーリーだし、
ラストの列車が駅に激突するシーンはもの凄い迫力。合成 逃げていく人々の撮影はどうやったのか。
反対車線の列車に頭を吹き飛ばされるなんて『マッドマックス』の前衛だね。
シカゴの駅に突っ込むまでにブレーキのかかる連結を回さなきゃならない。
ドキドキの盛り上がりは映画ファンにはたまらない。
屋根の上での決闘や、トンネル内での殺人などはヒッチコック的なトリック。
ワイルダーも007並みにハンサムに見えてくるクールな役。プライアーもノリノリな時だったし。
いろんな要素が文句なくノンストップで楽しめる逸品


『奇跡の旅』(1993)

監督:デュエイン・ダンハム 出演:ロバート・ヘイズ ほか 声の出演:マイケル・J.フォックス ほか
ちゃんと「動物愛護団体の厳正な監視のもとに・・・」撮ったというクレジット付き。
にしては一体どーやって撮ったの!?て思うほど様々なアドヴェンチャーが次々と起こる。
犬猫両方のファンが楽しめるし、声の出演がビッグネームでビックリ。そういやマイケルは大の犬好きだもんね。
犬の視点で、犬が主人公で、犬猫のセリフのほうが多いのが面白い。
イタズラ犬で、布をかじったり、エサをせがんだり、マヌケ顔のチャンスがふつーの飼い犬と同じ事をしているだけで可愛い。
でも単に動物好きの贔屓目に寄りかかった映画じゃなく、協会も納得させてしまう、まさにディズニー魂に溢れている。
信頼や友情、愛を知る、動物と人の絆を描いた作品。


スーパー・ギャグ・コレクション『It's 笑 Time(上級編・上巻)』
なんか「喜劇研究会」の皆様が編んだサイレント映画のコメディでベストシーンをカテゴライズした作品。
タイトルから構成もいたってシンプル。アクターの説明があるわけでもなく、名前の表示すらない。
ケースのほうにはちゃんとあったのに。名前と作品名くらいは知りたいな
レンタルショップより図書館のAV資料向き。
バスターの『大列車強盗』の1カットや、チャップリンの『スケート』、ロイドの時計からぶら下がるシーン、マルクス兄弟もチラッと。

(「ああ、悲しき勘違い」「運の悪い話」などのタイトルでまとめてあって、延々とギャグのメモが書いてあるけど割愛


スーパー・ギャグ・コレクション『It's 笑 Time(上級編・下巻)』
笑いをとるため体を張った超危険なスタントの数々。それは笑いを超えてる。
資料付きで、知らない人もたくさんいる。貴重なフィルムが目白押し。
やっぱり危険ってゆったらバスターだよね。

(ほかにも「安全運転」、作品紹介のメモもあるけど割愛

コメント

notes and movies(1996.6~ part4)

2013-07-12 10:03:20 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part3からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『SATURDAY NIGHT LIVE 1975-1980 BEST SELECTION 1』(1992)

監督:ローン・マイケルズ
出演:ジョン・ベルーシ、ダン・エイクロイド、チェビー・チェイス、ビル・マーレイ、ギルダ・ラドナー、
ゲスト:ポール・サイモン、ジョージ・ハリソン、シシー・スペイセク、マーティン・シーン ほか
やっぱ笑える!これが今でも毎週土曜日に観れるなんてイイなあ。長寿番組(しかもアメリカで)だけある。
プロのコメディアンから、伸び盛りの登竜門として、濃い笑い満載。ゲストも豪華。
バカ演技するところなんか普段とても観れないよね。

ギャグメモ:
七面鳥のコスチュームにノリ気じゃないポールがStill Crazy を歌うw
ギャラを交渉するJ.ハリソン。人形と遊ぶスペイセク。
Soul Man/ブルース・ブラザース


『classic film collection Buster Keaton's SHERLOCK Jr. キートンの探偵学入門』(1924)

監督・出演:バスター・キートン ほか 総監修:淀川長治
これは文句なく完璧に完成度の高い、素晴らしく面白いキートン作品
様々なカラクリが魔法のようで、今もその感動は変わらない。
若々しく駆け回るキートンもキュートで、監督業も見事!

仕事中に居眠りすると透明なバスターが出てくるのはどーやったのかな??
綱引きを邪魔して、橋の切れ目に同じ高さのトラック2台が通る上を走り、
橋が倒れて着地!すっごいスタント、今でも危険極まりない瞬間のタイミングと技が必要/驚

この映画を盗み観る表情がなんともユーモラスでカワイイ。
恋人の髪をちょこっと触るだけの純粋なヒーローなんだよね
このヒロインはんだかカツラみたく豊かな髪形をした、ちょっと太めで大きな瞳がマンガ的な女の子。
キートン映画のヒロインって、チャップリンのと比べるとちょっと独特w
でも、この1~2分足らずのラストシーンはなんともいえない魅力たっぷりのエンディング。


『ムッシュー』(1989)
監督:ジャン・フィリップ・トゥーサンン 出演:ドミニク・グールド ほか
1シーン毎にポストカードみたいに整った美しさのあるモノクロ映像。
トゥーサンの主人公の男は、いつも無機質で空気のように実体がない。
このムッシューも彼が愛読する「静かな生活」「心の平静」そのままに水面のように静か。この本面白そう
音楽が懐かしくメランコリックでラストも甘い
ドミニクはK.マクラクラン風の美形で彼の穏やかな表情にみとれているだけでも面白い。
彼より学者を選ぶなんてリタは趣味悪いんじゃない?
これで2作目。『カメラ』も映画化されたかな?観てみたい。ちょっとしたリラクセーションになる。


『インモラル・マーメイド』(1992)
監督:エックハルト・シュミット 出演:イザベル・パスコ ほか
やっぱ『ロザリンとライオン』の女優だよね。ドイツ人だったの?
最初、妙に口とセリフが噛み合ってなくて、フランス映画のドイツ語吹き替えかなにかか?って思っちゃった。
すこし描写の繰り返しがくどいところもあるけど、スイス?現実離れした壮大な景色と、人魚の美しい映像は一見の価値あり。
パスコのクリクリの豊かな金髪と、豊満でしなやかなヌードは、『スプラッシュ』の趣とは異なっている。
自然保護をいくら訴えても文明の進化は逃れられない必要不可欠だと信じている人がいるかぎり、壊された自然は二度と元には戻らない。
そういうわたしも文明の利器に頼っている1人だけど。なんたる矛盾!


『007/カジノ・ロワイヤル』(1967)
 
監督:ジョン・ヒューストン 音楽:バート・バカラック、ハル・デビッド
出演:デヴィッド・ニーヴン、ピーター・セラーズ、ウディ・アレン、オーソン・ウェルズ、
デボラ・カー、ウィリアム・ホールデン、ジャン・ポール・ベルモンド ほか
125分もかけて、この豪華キャストに、たぶん相当お金のかかったセットの数々は、本家007と著者もビックリの番外編は、
スパイ・アクションあり、もちろん美女は無数に登場、コメディあり、SFまで飛び出すなんでもありの
出演者、スタッフ、観客、みんな楽しい完全娯楽作品

それぞれのスターがそれっぽい役を演じているのがなにより。
セラーズは意味もなく変装してるし、アレンは相変わらず臆病な女好き、
太りすぎたO.ウェルズは美術コレクターのマジシャン&ギャンブラー、
テクニカラーでブッ飛んだ世界は『バーバレラ』を思わせる。

セラーズ変装コーナー:
彼の好きなロートレックはじめ、ヒットラー、ナポレオン、カーレーサー、水平さん、縞々パジャマ姿もなかなかキュートでアレンにも似てる。
突如現れるUFOはよくできてる。アレンが処刑場で「妊娠してるかも。こんな事すれば、後で投書するからな!」w
ピンク・パンサーのケイトーも出てる?! それにピーター・オトゥールも!


『SATURDAY NIGHT LIVE 1975-1980 BEST SELECTION 3』(1992)
監督:ローン・マイケルズ
ゲスト:リチャード・ベンジャミン、クリストファ・リー、アンソニー・パーキンス ほか
このヴィデオシリーズは、1975-1980の間だけなのね。SNLが始まったのが1975年なのかな?
この5年間にこれだけのスターが生まれたんだ。その後も同じスタイルで、メンバーは変わっただろうな。

ギャグメモ:
「ペプシシンドローム」核炉コントロールにコーラをこぼして放射能が大量に漏れ、大統領が巨大化。
ラドナーのリポーターが「30mですか?」「とんでもない!」「27m?」「ノーコメント
ラストのヒッチコックは似てないけど、ダン・エイクロイドは本当に何でも演れる芸達者だね。


『the best of SATURDAY NIGHT LIVE hosted by BILLY CRYSTAL』(1993)

監督:デイヴ・ウィルソン 出演:ビリー・クリスタル、エディ・マーフェ、ロビン・ウィリアムズ、スティーヴィ・ワンダー、マーティン・ショート ほか
それぞれSNLから出たスターのベストパフォーマンス集かと思いきや、「BEST SELECTION」のほうとあまり主旨は変わらない。
でもビリーは比較的新しいメンバなんだね。やっぱり一番充実してたのは1975-1980なのか?
エディが唯一盛り上げてる。ビリーは物まねとスタンダップコメディが得意。

ギャグメモ:
「十戒」でのユル・ブリナーのマネは爆!
M.ショートのシンクロナイズド・スイミングでの妙な演技も爆
40年前ゲシュタポからかくまってからすっかり忘れてた家族エディの老男が妙に遠慮するのが笑えた。
「40年何も食べてないが構わなくていいんだよ。お手数でなきゃねえ、何とか食うよ。チキンか、出されたら文句は言えまい」


『SATURDAY NIGHT LIVE 1975-1980 BEST SELECTION 4』(1992)
監督:ローン・マイケルズ
ゲスト:エリオット・グルード、リック・ネルソン ほか
「コーンヘッズ」の主題歌が入り、私の個人的な疲れと退屈さでテンション落ちてる気がした。

ギャグメモ:
「激安革ジャン」:「君が牛を選び、気絶させて、皮を剥いで、我々がなめす
「陸上ジョーズ」:「水道局です」「電報です」などと言って、戸が開いたら食われちゃう。


ロザンヌ・ロザンナダナはサイコー
「大英美術館に行って、ケースに近付いて気がついたの、舌がミントアメですっかり緑色で死んだかと思った!
 この世で一番ゾッとするものは舌の下! 青や白やピンクで柔らかでデコボコで薄くて破けそうな皮があって・・・」
て、いつも話がどんどんあらぬ方向にいっちゃう/爆×5000


『ジュニア』(1994)
監督:アイバン・ライトマン 出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、ダニー・デヴィッド、エマ・トンプソン ほか
なかなか笑えるシチュエーションコメディ。あの筋肉ムキムキアクションスターが売りの
シュワちゃんが母性丸出しの妊婦になるってシチュエーションだけで当たり。
マストロヤンニの時よりリアルで共演者もそろってる。
ラストの甘いシナトラI got you under my skin にいたるハッピーエンドまで丁寧なつくり。

「もう1人産んだら?」「あの痛みはもう・・・」「別に女である必要はないもの。夫に頼めば?」

こんな画期的な新薬があったら素晴らしいだろうね。男も女も子どもを生む権利を持てるなんて!
映画やイマジネーションで可能なら、いつの日かそんな時代がこないとも限らない。
出産率低下のニュースが飛び交う日本でも一挙に問題解決か!?
イメージ一新中のシュワちゃんのうろたえぶりや、すっかり主婦になってる健気な演技がサイコー。
お腹の特殊メイク?もスゴイし。生まれた子どもがシュワちゃん顔じゃなくてホッとした(?)


『the best of SATURDAY NIGHT LIVE hosted by STEVE MARTIN』(1992)
製作:ローン・マイケルズ 監督:デイヴ・ウィルソン
けっこうベスト版とダブってる。とっても濃い笑いがスティーブ・マーティンの信条。

ギャグメモ:
ツタンカーメンの歌とダンスも濃いねえ!
その昔。牛車に轢かれて脚を折った患者に、医師が「瀉血すれば治る」「もう出血してます」「鳥からも1リットル血をとれ」
「待てよ、科学的な方法が人々を救うのかも・・・んわけないかあ!」て、このシリーズはいろんなバージョンがあって好きw

コメント

notes and movies(1996.6~ part5)

2013-07-12 10:03:19 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part4からのつづき。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『the best of SATURDAY NIGHT LIVE hosted by EDDIE MURPHY』(1993)
製作総指揮:ディック・エバーソル 監督:デイヴ・ウィルソン
出演:エディ・マーフィ、ビリー・クリスタル、マーティン・ショート ゲスト:リッチ・ホール、ジュリア・ルイス・ドレイファス
別で出てるライヴver.のほうが笑えるかな。スタンダップコメディに徹してた頃のエディが、もはや俳優だもんね。
SNLも美味しい人材を売れた頃には皆つみとられちゃって因果な番組だな。

ギャグメモ:
「名士の親類訪問」M.ショートのJ.リー・ルイスの姪の整形科受付嬢より、ユル・ブリナーの叔父やJBの従兄弟の交通巡査はイイ
「ロングアイランドに引っ越したが、ユダヤ人の幽霊が出る。“俺の庭から出てけ”てホラー映画では白人はなぜ早く逃げないんだ?
 血だらけの便器を洗ってまた使って。黒人なら“イイ家じゃん”“出てけ~”“OK、出ていこう!”映画は5分で済んじゃう」て爆

エンディングに飛び入りしたS.マーティンが「エディ、僕の職を奪わないでくれ。私生児13人も養わなきゃいけないんだ」
SNLスペシャルは5巻までなのね。ホストシリーズはいろいろ他にもあるみたい。
R.ウィリアムズのも面白そう。ちょっとかげ薄いM.ショートのも作って欲しい。


『おかしなおかしな訪問者』(1992)
監督:ジャン・マリー・ポワレ 出演:ジャン・レノ ほか
MPのメンバが好みそうな中世劇もの。『ターミネーター2』を凌ぐとはフランス人もコメディ好きだね。
『レオン』で寡黙なヒーローを渋く演じたレノもカッパヘアでボケまくる結構コメディ路線も好きそうな感じ。
話はフルーのカルチャーショックもの。中世人が現代に来たらそれこそビックリだろうけど、
ここまですぐに納得するとは優れ者。カレンダーだって見た事もないだろうにすぐ未来だと知るのも映画の面白味だけどね。
歯磨きがなかったり、川で行水するだけなんて本当にこっちまで臭ってきそうでいただけない。
でも、過去に行ったら、未来はまた変わっちゃうんじゃないの? 眉村卓さんの世界になっちゃう。
時間の帯はそれほど単純じゃない。でもタイムトリップものはいつでもウケがイイ。
「あの時こうしていれば・・・」てのは誰にでもあるもんね。


『メイド・イン・アメリカ』(1993)
監督:リチャード・ベンジャミン 出演:ウーピー・ゴールドバーグ、テッド・ダンソン ほか
パンチはないけどラストまで観たらなかなか温かい話だ。なんといってもウーピーのラブシーンまであるし!
金髪の頭の軽い役のJ.ティリーって、メグ・ティリーの娘?!ソックリだけど。
ゾーイの親友tea cake もおちゃらけてるけどイイ奴だし「いい人物語」って感じ。
注目のひとつは、やっぱりウーピーのアフリカン・ファッション。
豊かなドレッドヘアにジャラジャラのネックレスとか着心地良さそうなコットンドレスとか一風変わっているのがポイント。
2人で寿司を食べに行くシーンでワサビをそのまま食べちゃうアメリカ人ギャグはありそう。


『the best of SATURDAY NIGHT LIVE hosted by TOM HANKS』(1992)
製作総指揮:ローン・マイケルズ 監督:ポール・ミラー
出演:トム・ハンクス、ダナ・カーヴィ ほか ゲスト:エアロスミス、ジャン・フックス、デニス・ミラー ほか
SNLのメンバも1人1人個性あって面白いね。ハンクスは隣りの兄ちゃん的な風貌を生かして
喋りより演技で売る、今じゃオスカー俳優! このメンバもまた違う。けっこう最近じゃないかな。

ギャグメモ:
スティーヴン・タイラーに「その唇は移植?
ビルダーの手ほどきで、「君らを筋肉パンッパンにしてやる」「ステロイドなんて使ってない、全身ナチュラルヨーグルトだ!」


『SATURDAY NIGHT LIVE 1975-1980 BEST SELECTION 2』(1992)
ゲスト:ジル・クレイバーグ、アンディ・カウフマン ほか
残るは5巻だけか。ホストシリーズはR.ウィリアムスのが観たいな。
今作は私の好きなロザンナダナが2回も出てくるから嬉しい。キョーレツなキャラ!

ギャグメモ:
禁煙して体調最悪の人にアドバイスするロザンナ。「私もそうで、ヘルスクラブ行って、ブヨブヨ股ズレまくりの太もも見たよ。
いろんなヘソもある。真っ黒にゴマが詰まったのや。鼻先の汗が落ちなくてイライラ。何事も関係あるのさ」これが決めゼリフw
ニュースで今度は税金申告についてアドバイス。「(周りをクンクンして)何か臭う?なんか死んでない?」
毎回、ものすごく日常的な笑いなんだよね。


『the best of SATURDAY NIGHT LIVE hosted by DAN AYKROYD』(1993)
ゲスト:シェリー・デュヴォール、マデリン・ケーン、マーゴット・ギター ほか
エイクロイドはSNL'75.10-'79.5に出演。案外短い。J.ベルーシとともに脚本も書いてた。風刺の効いた笑い。
なんでもこなす俳優でもある。しけたラバー・ビスケット の早口歌にのせて紹介される数シーンも面白そうなのに、
なぜ全部入れないのかな。彼のだけ57分と短いし。

ギャグメモ:
著書「襲われて」の著者は顔にひどい傷。「グリズリーにマシュマロを口伝えで与えないこと
超激安電器屋のCM。「クレイジー・アーニーは本格的なクレイジーだ! 900ドルのテレビがなんと12ドル!
実は彼はアーニーの従兄弟のフランクで「アーニーが戻る来週までがチャンスだv」

最後も♪ラバー・ビスケットで締め。もうブルース・ブラザースが見れないのが残念。
予想通りダブリが大方けど、それだけこのトリをとってただけあって先頭に立って支えてたってことだね。
彼も最近は映画で忙しそう。


『SATURDAY NIGHT LIVE 1975-1980 BEST SELECTION 5』(1992)
ゲスト:ジュリアン・ボンド、エリオット・グールド ほか
ベストセレクションシリーズは今作がラストだけど、
S.マーティンホストのビデオがあんまりダブってるから同じのを借りちゃったかと思った。
ちょっとズルくないか?それとも、それほどベストシーンがなかったとか?
ラストにいい旅をまた会う日まで と歌っているところなんか
キューブリック監督のキノコ雲にかかる♪また会いましょう~ってくらいブキミだし。

ギャグメモ:
ヘイ!バーテンダー/ブルース・ブラザース
「色の濃い黒人のほうが、色の濃い黒人よりもIQが高い」「SAY WHAT???」
すっかり退屈したギルダが1人で芝居遊びをする。ペチコートをかぶって「花嫁さん!」夫はクマさん
「フランス姫です!ドボボン。どこにも逃げられない」 oh, we miss you Gilda...


『アフリカン・ダンク』(1993)

監督:ポール・マイケル・グレイザー 出演:ケビン・ベーコン ほか
『クール・ラニング』以来の痛快な面白さ K.ベーコンも久々彼の軽快なイメージを存分に発揮できてるし、
このロケと、適材適所のキャスティングは大変だったろうね。その甲斐あって秘境の美しさが圧倒的。
アフリカンミュージックを聴いてると、なぜか東洋的な感じ。意外につながっているのかも。
ストーリーはよくあるパターンだけど、やっぱり的を得てて楽しめる。
こうゆう異文化の出会いもイイ。MTVもNBAも知ってるけど、民族独自の伝統やプライドも持ってる。
自然と見事に調和してる生き方、その美しさに魅かれる。


『春にして君を想う~ミッシング・エンジェル』(1991)
監督:フリドリック・トール・フリドリクソン 出演:ギスリ・ハルドルソン ほか
青春映画? 何かのジョーク? 完璧ヨーロッパのアートフィルム。
こうゆう崇高なアートフィルムを一般に勧めるには、ちょっとオーバーなストーリーを宣伝する必要があるわけね。
1カット1カットがポストカードかパズルにでもしたくなる美しさ。
特にこのジャケットの丘の上の教会なんか、実在とは思えない幻想の世界

2人の老人は、生の世界にいたのか? 死の世界にいたのか? その中間か?
ブルーノ・ガンツがまるで『天使の詩』そのままの天使のような役でチラッと出てる。
原題の意味は、自然の子どもたち、郷愁を誘う、故郷といってもこんなに自然が美しい場所は少なくなってしまったけれども。

「人間も結局はゴミだ。どこに埋められようが対して気にしない。幽霊になって出るなら別だが」

素っ裸の若い女性の幽霊が海の岩場で手を振ってるのを見て、船長が「単なる幽霊だよ」て、しょっちゅう出るのか?!
介護費がかさんで、面倒をみる若者が減って、個人生活を重視するのはいいけど、
老後は楽しいものじゃなさそうだ。気の持ちようかもしれないけど。


『天使も許さぬ恋ゆえに』(1991)
監督:チャールズ・スターリッジ 出演:ヘレナ・ボナム・カーター、ベティ・デイヴィス ほか
このジャケットの写真がとてもイイ。ストーリーを凝縮してるし、ヘレナの独特な高貴さがよく表れてる。
中世劇には貴重な個性だよね。若手の実力派イギリス女優として今後も注目。
ベティ・デイヴィスも超イジワル小姑役で強烈な印象。
旅先、それも愛の国イタリアでの愛憎劇を通じて、イギリス人とイタリア人の違いを描く。
それほど英国人自身も習慣や考え方そのものの堅苦しさを痛感しているわけね。
ちょっと話の飛躍が早くて散漫してる。

「体裁ばかり気にして、恥をかくのが、そんなに嫌?」
「無為な人生を送るようにできてるのさ。恋もすべて横を通り過ぎてゆく。矛盾をそのまま表現できるイタリア人が羨ましいよ」

姉の女王気取りなわがままに従い、女性をとことんたてて傘をさしてやるわ、コートかけてやるわと男性はまるで小間使い。
そこまで気を遣ってもらったら、慣れない日本人女性はかえって息苦しくなるよね。
結局、レディ・ファーストもっ女性蔑視の一種。今でもイギリスには紳士道が息づいているんだろうね。フシギな国だな。

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notes and movies(1996.6~ part6)

2013-07-12 10:03:18 | notes and movies
過去のノートにある映画感想メモシリーズ。
part5からのつづきで、白いノートのラスト。
若かりし頃のメモなので、不適切な表現、勘違い等はお詫び申し上げます/謝罪
なお、あらすじはなるべく省略しています。


『マイ・ライフ』(1993)
監督・脚本:ブルース・ジョエル・ルビン 出演:マイケル・キートン、ニコール・キッドマン ほか
がんと知り、産まれてくる息子に“自分がどんな人間だったか”をビデオに残す父と周囲の姿を静かなタッチで丁寧に描いた作品。
本人に告知して厳しい現実をつきつけるってことを考えさせられる。
残された時間をどう過ごすのか、東洋的な解釈や、リインカネーションも含めて問いかける。
中国医の話では“現世の心の中の核がそのまま来世の命の元になる”とのこと。宗教的で哲学的。
宣伝文句は「ハンカチをお忘れなく」。それほど泣ける作品ではなかったけど、意味のあるテーマ。
キートンのキャラは優しいパパよりギャングって感じだけど、シリアスな映画でも好演。
私も薬物治療とかより、すべて試したなら、生きて考えられるうちは人生を清算して、もっと余命を楽しみたい。


『哀愁のエレーニ』(1985)

原作・製作:ニコラス・ゲイジ 監督:ピーター・イエーツ
出演:ケイト・ネリガン、ジョン・マルコヴィッチ、リンダ・ハント ほか
久々に重いテーマを持つ実話に基づく作品。'40年代ギリシャの内乱で離れ離れになった母子の物語。母性愛をうたいあげる。
ニコラスは戦犯を殺す代わりに、この映画で本質を伝え、罪を告発した。
当時の貧しく辛いギリシャ人らの様子がリアル。にも増して、ケイトが熱演して、娘に
「結婚して子どもを産みなさい。大きな喜びよ。母になることは。神に感謝するわ」女と母とは別物みたいだ。
「なぜ母性愛とは、あんなに強いものか?」殺し合いよりもっと恐ろしいのは思想。
カティスが歳をとり、当時を自慢話としてしか覚えていないのにはゾッとする。
信じるものが違えば、人はとんでもない悪魔に化すことも、愛にあふれた母になることもできる。


『南太平洋ボロ船作戦』(1960)
監督:リチャード・マーフィ 出演:ジャック・レモン、リッキー・ネルソン ほか
“痛快アクションコメディ”とはいかないけど、'60代の初々しいレモンの姿が見れるのはファンには嬉しい。
同じ海軍ものでオスカーをとった『ミスタア・ロバーツ』関連で出演したのかな?
日本軍との戦争が題材で立場的に笑えない。戦争がテーマじゃ、どっちが勝ってもハッピーエンディングとはいかない

暑い日ざしの中で、中年男たちが脂汗を垂らして、制服も汗まみれにして、狭い部屋の中で寝起きしたり、
作戦をたてたり、とてもステキな環境とは思えないね。これが男のロマンか?
まずいコーヒーをゴミ捨て場みたく海へ投げ捨てるシーンもいただけない。
士官クラブでジャズピアノを弾くシーンが見れると思ったけど、レモンは弾いてなくて残念。
秘書とのロマンスストーリーでも良かったのに。
『エアポート'75』も観たいんだけど、どこにもない幻の作品なんだよね。シリーズ中では影が薄いのかな?


『別れの街角』(1973)

原作・監督:アンソニー・シモンズ 出演:ピーター・セラーズ、ドナ・ミュレイン ほか
セラーズの隠れた名作とも言える『チャンス』にも通じる、抑えた味のある名演。原題は楽天家たち。同名の本の映画化のようだ。
途中流れる流しの歌手が歌うような人生の悲哀を感じさせる曲がトム・ウェイツ風で聴かせる
イギリスの下層労働階級を描いていて、これだけ主要な都市のひとつに発展しながらも貧富の差という大きな問題を抱えている事実を伝えている。

「人間は敵だ。信用できない。犬は友だちさ。永遠にな」

奥さんと子どもを亡くしたショックでホームレスになってるのかな? それぞれの理由があるんだろうね。
でもストリートパフォーマーたちは動物と一緒に歌って踊って、私たちを楽しませてくれる。彼らなりの人生の楽しみ方がある。

「子どもに“あれしちゃダメ、これしちゃダメ”と言うだけじゃダメだ。頭の中に夢を育ててやらなきゃ」

♪Sometime
 それほど悪くない時もあった ひどい目にもあったが 楽しい時もあった ってセラーズの歌も楽しい。

♪僕は彼女に恋をした 彼女も僕に恋をした お互い黙っているけれど 分かってるんだ
 土曜の晩に会ったらどうなる? まだミスターと呼んでくれてるけど キスをしたら変わるだろう
 もうじき僕の朝食を作ってくれるだろう お互い黙っているけど 同じこと

♪どうして泣き声を出すかってよく聞かれたよ 泣き声じゃないんだ 生まれつき優しい声なのさ


『ローマで起こった奇妙な出来事』(1966)

監督:リチャード・レスター 出演:ゼロ・モステル、フィル・シルバース、バスター・キートン ほか
これがバスターが晩年に出演して、遺作となったコメディか。ちょい役と思いきや全編に渡って駆け回ってる!
主演のコテコテコメディアンのゼロって『サロメ』に出てた人?

ステキでグロテスク 王や戦争はなし 今夜はコメディ!
とめっちゃ明るく豪華な音楽で始まる100%純粋で理屈なしの「笑い」に徹してるところがイイ。
まるでバスターのサイレントスラップスティックと、マルクスbros.の理不尽なギャグを合わせたノリ。
映像の汚さや、下品さもgood。

チェイスで体を張ったアクションはスゴイ。バスター直伝の教えをもらったのか?
バスター自身も老人とは思えない走り方。やっぱり体の鍛え方が違う! 嬉しくなっちゃう、喋ったりする姿が観れて
こうゆう恥も外聞もなく、中年オヤジらが集まって頭カラッポにして楽しめちゃうコメディが少ないもの、最近は。
それにしても'60とは思えない汚い絵。
の汗が秘薬に必要だと言って一緒にサウナに腰掛けて、「こんなに汗をかいた」と見せるとペロペロ舐めてるしw
ゼロも数多くコメディに出ていたんだろうね。このキョーレツなキャラは貴重。


『ワイルダー・ナパーム』(1993)
監督:グレン・ゴードン・キャロン 出演:デニス・クエイド、デブラ・ウィンガー ほか
とってもセクシーでコケティッシュな魅力が爆発してるデボラがたっぷり楽しめる作品
愛し合うと火が起きちゃうベーコン夫婦の映画があったけど、こっちも負けずにホットな関係。
こんなに火がついたら撮影中の消火もさぞ大変だったことだろう
「I'm sorry, come to take me」なんてシンプルでスイートな仕業。
髪を燃やされた役でかつらがちょっと不自然(かつらだよね、ずっと?)だったけど、アリス・ハワードもなかなか好演。
デニスは自他共に認めるセクシーさをふりまいてるし、でも、やっぱりデボラ
最初の足からのスーパーショットでノックアウト!
こうゆう頭カラッポでも自由な蝶みたいな役をラクラクできちゃうのよね。フシギな人。


『鏡の中の他人』(1993)
原作:シドニー・シェルダン 監督:チャールズ・ジャロット
出演:ペリー・キング, ロリー・ラフリン, クリストファー・プラマー, シドニィ・シェルダン ほか
売れまくってる作家S.シェルダン原作の映画化。
彼の作品はほぼ全て映像化確実だけど、そのはず。もともと脚本家やってたものね。
ハリウッドの裏側を暴いた今作もとってもリアル。ちょっと霊的サイコなシーンは彼らしくないけど。
とっても分かりやすく刺激に満ちた展開。さすがに観客の心の掴み方が十分分かってる。
でも一本調子で話が似てて、飽きちゃったな。


『バイバイ・モンキー』(1977)

監督:マルコ・フェレーリ 出演:ジェラール・ドパルデュー、マルチェロ・マルトロヤンニ ほか
なんて悲劇だろう! 予想もできないほど。これほどの作品が埋もれていたなんて。
まさにフランスとイタリアを代表する2大スターの共演だけある。幅が広いねえ、彼らも。

「なぜ俺だけモテない? ビザのないやつは“イタ公”と呼ばれて見下されるだけだ」

「ローマ帝国が滅びてもネズミは生きてる。我々が死滅しても、未来はネズミのものだ」

「これがお前だ。猿でも人間でもない。欠陥品だ。世の中は混乱している。服従が嫌なら私を殺せ」

世界でも蝋人形ってゆうとクレオパトラや、最後の晩餐って歴史的人物なのね。
シュールな映像とストーリー。世紀末の香り漂う感動と悲しみで泣けてくる。
白い壁に書かれたフキダシの「WHY?!」は気に入った。



【読書感想メモ】
「HAPWORTH 16,1924」J.D.SALINGER


【イベントメモ】
この時期にアルファスターに登録したみたい。

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