先日から思いついて、目が悪い伯母の元に図書館から借りた絵本を1冊ずつ持参して読み聞かせをしている。
最初に読んだのは新美南吉著「ごんぎつね」だった。
いたずら好きな山の狐が、いたずらで窮地に追い込まれた村人に詫びるために毎日栗を届ける。
しかし、村人は栗が狐からの贈り物だとは知らず、発見して鉄砲で撃ってしまう。
やっと最後に自分の心が通じた狐は、満足したように死んで行くという話だ。
この本を読んだ後、伯母は「良い話だね。私も昔、ゴンという犬を飼っていたんだよ。」と思い出して懐かしがっていた。
次の機会に読んだ本は「おばあちゃんのきおく」だ。
オーストラリア人の作家が書いた本で、認知症のお年寄りが生活するホームの傍で暮らす子どもが、「記憶って何?」とお年寄り達に聞きまわり、自分で集めた記憶に通じるものを仲の良いおばあちゃんの所に色々持ち込む。
するとおばあちゃんが、記憶を蘇らせてくれるという話だ。
伯母は、「自分が使っていた日用品のほとんどをケアハウスを出る時に処分してしまったから、思い出に繋がるものがもうほとんど無いのが残念だ。」と言っていた。
北欧の高齢者施設では、箪笥や写真の額、鏡台などの私物を持ち込めるというが、日本の施設の大半では部屋が狭く、私物の持込を認められない。やはり環境的に狭くて貧しいと言わずにはいられない。
(一部、グループホームでは少量の家具を持ち込めるらしいが)
次の機会に読んだのは、ポーランド人の作家が書き、絵を描いた「たからもの」だ。
貧しい男が同じ夢を3回見る。お城の橋の下に宝物が埋まっているという夢だ。3回も同じ夢を見たのだからとその男は長旅に出る。
山を越え、森を抜け、その大半を自分で歩き続けて、ようやくお城がある町に着く。
城の入り口にある橋は、衛兵に守られていたが、毎日そこへ通う。
その内、隊長から訳を聞かれて夢の話をすると、自分はその村人と同じ名前の男が住む田舎の家に宝物があるという夢を見たと言う。
男はまた何日も歩き通して家に帰り、かまどの下を掘ったら宝物が出て来た。
その場所に「祈りの家」を建てて、壁に「近くにあるものを見つけるために、遠くまで旅をしなければならないこともある」と紙に小さく書いて貼ったという話だ。
その本を読み終わってから、お互いの宝物について話をした。
私は「自分が生き生きとなれて生き甲斐を与えてくれている庭だよ。」と言った。
伯母は「自分は大切な宝石類など、みんな無くしてしまった。」と嘆くので、「伯父さんが生きていた頃は、伯父さんが宝物だったのでは? 」と言うと、「そうだね。」と答えてくれた。
毎日同じことの繰り返しで生活に変化が無い伯母と、絵本を仲立ちにした新しい話ができるので、これからも目が悪い伯母に、1回に1冊ずつ図書館から借りた絵本を読み聞かせたいと思っている。
読んだ本は翌々日に行く時まで置いて来る。
絵を見ながら物語を思い出したり、素晴らしい絵を見て心が刺激されたり、楽しくなったりするのではと思うからだ。
最初に読んだのは新美南吉著「ごんぎつね」だった。
いたずら好きな山の狐が、いたずらで窮地に追い込まれた村人に詫びるために毎日栗を届ける。
しかし、村人は栗が狐からの贈り物だとは知らず、発見して鉄砲で撃ってしまう。
やっと最後に自分の心が通じた狐は、満足したように死んで行くという話だ。
この本を読んだ後、伯母は「良い話だね。私も昔、ゴンという犬を飼っていたんだよ。」と思い出して懐かしがっていた。
次の機会に読んだ本は「おばあちゃんのきおく」だ。
オーストラリア人の作家が書いた本で、認知症のお年寄りが生活するホームの傍で暮らす子どもが、「記憶って何?」とお年寄り達に聞きまわり、自分で集めた記憶に通じるものを仲の良いおばあちゃんの所に色々持ち込む。
するとおばあちゃんが、記憶を蘇らせてくれるという話だ。
伯母は、「自分が使っていた日用品のほとんどをケアハウスを出る時に処分してしまったから、思い出に繋がるものがもうほとんど無いのが残念だ。」と言っていた。
北欧の高齢者施設では、箪笥や写真の額、鏡台などの私物を持ち込めるというが、日本の施設の大半では部屋が狭く、私物の持込を認められない。やはり環境的に狭くて貧しいと言わずにはいられない。
(一部、グループホームでは少量の家具を持ち込めるらしいが)
次の機会に読んだのは、ポーランド人の作家が書き、絵を描いた「たからもの」だ。
貧しい男が同じ夢を3回見る。お城の橋の下に宝物が埋まっているという夢だ。3回も同じ夢を見たのだからとその男は長旅に出る。
山を越え、森を抜け、その大半を自分で歩き続けて、ようやくお城がある町に着く。
城の入り口にある橋は、衛兵に守られていたが、毎日そこへ通う。
その内、隊長から訳を聞かれて夢の話をすると、自分はその村人と同じ名前の男が住む田舎の家に宝物があるという夢を見たと言う。
男はまた何日も歩き通して家に帰り、かまどの下を掘ったら宝物が出て来た。
その場所に「祈りの家」を建てて、壁に「近くにあるものを見つけるために、遠くまで旅をしなければならないこともある」と紙に小さく書いて貼ったという話だ。
その本を読み終わってから、お互いの宝物について話をした。
私は「自分が生き生きとなれて生き甲斐を与えてくれている庭だよ。」と言った。
伯母は「自分は大切な宝石類など、みんな無くしてしまった。」と嘆くので、「伯父さんが生きていた頃は、伯父さんが宝物だったのでは? 」と言うと、「そうだね。」と答えてくれた。
毎日同じことの繰り返しで生活に変化が無い伯母と、絵本を仲立ちにした新しい話ができるので、これからも目が悪い伯母に、1回に1冊ずつ図書館から借りた絵本を読み聞かせたいと思っている。
読んだ本は翌々日に行く時まで置いて来る。
絵を見ながら物語を思い出したり、素晴らしい絵を見て心が刺激されたり、楽しくなったりするのではと思うからだ。