花好き・旅好き80代北国女性の日記(ブログ開設18年目)

趣味はガーデニングと家庭菜園、外国旅行だが、新型コロナ禍と膝の不調、円安が重なり、今は外国行きは見合わせている。

フランスの旅(9)

2010年04月10日 | 海外旅行「西ヨーロッパⅢ」フランス・ギリシャ
《ロワール川周辺の城》
ロワール地方は、全長1020kmものロワール川が東西に流れ、美しい渓谷と森がおりなす景観が古くから王族や貴族たちに愛され、幾つもの城が建設されて来たところである。
パリにも近く、オルレアン、ナントといった歴史上有名な町もこの地方にある。
今でも城の幾つかが世界遺産に指定され、公開されている。
私は二十数年前にパリから1日がかりで城の幾つかを見学した事があるが、今回は「6人の女性の城」とも言われているシュノンソー城を観光し、その後、アンボワーズ城には写真撮影に立ち寄っただけだった。

シュノンソー城に着いた時に、初めて雨が振り出した。
この城は、シュール川をまたいで建てられていて、外観が白鳥に例えられる程優美な美しさで人気があるためか、入場券売り場の周辺は観光客で溢れていた。

この城は、1521年に財政出納官ボイエの妻が完成させた。
その後1547年に当時の王、アンリ2世が愛人ディアーヌ・ド・ポアチエに贈ったとされている。
王が暗殺された後、正妻カトリーヌ・ド・メディシスが愛人から取り上げて3人目の城主となった。
その後も引き続き女性が持ち主となり、今は個人の所有になっているという。
(日本では女性が経済的な所有権や取引の権利を持ったのは、第二次世界大戦後の事だと思われるが、フランスでは早くから、女性にも男性と同じ経済的な権利が与えられていた事が分かる。
日本では現在もなお、生きるための裏づけである財産権が女性にも必要だ、と言う事が十分に認識されているとは言い難いと思う。)

しかし残念なことに、丁度、外壁の一部が工事用のシートで覆われていて、今回はその美しい全景を見る事はできなかったが、内部の調度品は以前来た時とあまり変わっていなかった。ただ、地下の台所の炊事用具は、新しく充実していた。
地下は川の流れの中に建っているため、夏でも涼しい天然の冷蔵庫となり、食品の保存に適する建て方がされているのだ。
①全景 ②1階の礼拝堂 ③2階のガブリエル・デストレ居室 ④⑤地下の台所の一部
(室内はフラッシュが禁止されているので、どれも暗い写真となっている)

 ① ② ③

 ④ ⑤ 

私は以前に見学した事があるのだが、今回は遠くからの写真撮影だけだったアンボワーズ城である。⑥
ガイドブックによると、この城は15世紀末、古代ローマ時代の砦をもとにシャルル8世が造り、ルイ12世、フランソワ1世が増築した。
1519年にここで死んだレオナルド・ダ・ビンチは、建築に多大な貢献をしていて、傍の礼拝堂に埋葬されているといわれている。
1560年には、新教徒1500人がここで虐殺されたという歴史も持っているとのこと。
権力者の栄光と血で染められた歴史を見て来た城なのである。

 ⑥




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3 コメント

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Unknown (マサエ。)
2010-04-10 11:15:00
 さすが、フランスのお城はステキですねー。塔のある優美な形もいいですし、ステンドグラスの窓も内装もいいですねー。
 でも、確かにこれは富と権力の象徴なんでしょうね。
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Unknown (lastsmile)
2010-04-11 20:30:37
6人の女性の城って名前、面白いですね。
ステンドグラスも調度品も素晴らしいですが、やっぱりお城は絵になるなぁ。存在だけでその空間の空気が変わりますよね。
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Unknown (ソナタさん)
2010-04-12 07:53:08
マサエさん、こんにちは。
城には設計した人や依頼した城主の人柄が表れるみたいですね~。
勿論大金を持っていないと作れないわけだから権力者が作った訳だし、石造りだから何時までも残るんですね。

lastsmileさん、こんにちは。
城はそこにあるだけで歴史を語るようですね。
この城の1室は壁紙もベッドも真っ黒でした。
確かカトリーヌ・ド・メディシスが夫の喪に服し続けた部屋と記憶しています。
凄ましくも悲しい印象でした。
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