花好き・旅好き80代北国女性の日記(ブログ開設18年目)

趣味はガーデニングと家庭菜園、外国旅行だが、新型コロナ禍と膝の不調、円安が重なり、今は外国行きは見合わせている。

フランスの旅(5)

2010年04月05日 | 海外旅行「西ヨーロッパⅢ」フランス・ギリシャ
《アヴィニヨン》
アルルの観光を終えてから、36km離れたプロバンス地方のもう一つの町、アヴィニヨンに向った。
この町は、1309年に当時のローマ法王クレメンス5世が、ローマでの派閥争いを嫌い、ここにカトリックの法王庁を建設した町なのだった。
ガイドブックによると、その後7代、70年間に渡って世界の教会の頂点に立った町なのである。
(ご存知のように、現在は、イタリア・ローマの中のバチカン市国に法王庁がある)

自由行動時間があったので、他の人は行かなかったが、私と友人は早速、法王庁を見学した。
15000㎡ある建物は、中庭を囲んで3階まで多くの部屋が造られていて、どの部屋も天井が高く、要塞の様に強固で壮大な造りとなっていたのには驚かされた。
しかし、1789年のフランス革命時に、権力の象徴と見られて攻撃され、内部の調度品や美術品の多くが破壊、略奪されたのだという。
かって私が、パリ郊外にある世界遺産、ベルサイユ宮殿を見た時、最高権力者ルイ王族達の想像を絶する絢爛豪華な生活振りを知り、フランス革命が起きた理由の1つが理解できた様に思ったことがあった。
しかし今回、この世界遺産を見て、私は、全ての文化遺産は人類の英知を結集した遺産なのだし、人類のかけがえのない歴史の語り部なのだから、例えそれが勝利者にとっては敵の財産であったとしても、決して破壊するべきではないと思ったのだった。
革命後、アヴィニヨンはフランスに統一されたのだという。

写真①法王庁入り口 ②階段下から中庭を見る ③大広間 ④小部屋に置かれていた石棺の台座 ⑤扉上部の聖人のレリーフからは、首が全て失われていた

 ① ② ③

 ④ ⑤

次にこの町で有名なサン・ベネゼ橋(アヴィニヨンの橋)に行った。
12世紀、羊飼いベネゼが「ローヌ川に橋を架けよ。」という神のお告げを聞いて、とうとう建設した橋がこの橋の始まりなのだそうだ。
その後何度も川の増水で流されるたびに再建されたが、12世紀に崩壊した後は橋脚を4つ残してそのままになっているのである。
「♪ 橋の上で踊ろうよ踊ろうよ ♪♪ 橋の上で輪になって踊ろう ♪」の歌が聞こえて来た様に思った。⑥

 ⑥

30分程の自由時間に時計台広場を散策した。
時計台は市庁舎の屋根にあった。15世紀に作られた古い物だが、残念ながらからくり人形が動く仕掛けは見られなかった。
市庁舎の前にあるメリーゴーランドは、子ども達に大人気のようだ。⑦⑧
その隣にはオペラ座があった。⑨
アヴィニヨンは古い町だが、市民は精神的にも豊かな生活を営なんで来た町なのだった。

 ⑦ ⑧ ⑨
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4 コメント

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Unknown (lastsmile)
2010-04-06 11:52:03
石の文化なので、歴史ある建物が本当に美しく現代に残っていますね。法王庁がすばらしい。いかにキリスト教が力を持っていたのか伺えます。

素敵な写真が多くて、ガイドブックを観ているかのようです。とくに階段下からの中庭と奥行きのある大広間の写真がいいですね。
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Unknown (あばた)
2010-04-06 12:41:06
sonataさん、こんにちは♪
いいな~。
写真を観ていてうっとりです。
学生の頃、バチカン展というのが神戸でやっていて観に行ったことがあります。
その素晴らしさに感動しました。
それを壊せる人がいるなんて信じられないです。
争いは人の心も壊してしまうのですね(--
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Unknown (マサエ。)
2010-04-06 15:35:27
 古い教会や橋、私もそういうものに憧れます。昔の栄華の跡、でもそれは人類の遺産なのですよね。
 確かに民衆を搾取して造られたものですが、だからこそ、その記憶も共に残さなくてはいけないと思います。
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Unknown (ソナタさん)
2010-04-06 20:42:00
lastsmileさん、こんにちは。
石の文化って数百年も数千年も残るから、そのまま財産価値として続きます。大昔の石積みの遺跡の中の先祖から受け継いだ家で、モダンな暮らしをしている人たちも多いんです。簡単には改造できないという問題もありますが、経済的だなと思います。
それと、写真が良いとすれば、被写体が良いからですよ。

あばたさん、こんにちは。
バチカンの法王庁も、凄い建物とイタリア芸術の最高級品を集めていますね。
それらは全部、世界中のカトリック教会や信者、支持者からの寄進で実現したものだから、宗教の力の凄さを見せつけられます。
庶民は自分の現実生活が苦しく貧しくても、教会で祈って癒され、来世に希望を抱いたのでしょうか。
いつもそんな疑問が湧いてきます。

マサエさん、こんにちは。
私もそう思います。
最近ユネスコでは、アウシュビッツ、ボスニアの内戦など、人類の負の遺産をきちんと残して後世への教訓にしようとしていますね。大切な事だと思います。
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