「ケロアン」の世界遺産を見た後、南に212km離れたチュニジア中東部にある町「ガベス」に向かった。
途中の「シテイ・ブジド」町は、昨年起きた一連の民主化運動「アラブの春」の先駆けとなった「ジャスミン革命」が起きた町である。バスから見る限り、静かな田舎町といった雰囲気しか感じられなかった。
《昨年のジャスミン革命を振り返る》
路上で果物・野菜を売る青年モハメド・ブアジジ(26歳)が、2010年12月17日無許可商売だとして警察に摘発され殴られたことをきっかけにして、イスラム教で禁じられている焼身自殺をしてしまったのである。
その映像がインターネットで流されると、若者の失業率が30%と高く貧困に喘いでいた市民に衝撃を与え、これに抗議したデモや暴動が起き、瞬く間に全国に広まって行った。
2011年1月になると、この市民の抗議運動はベンアリ大統領の23年間に及ぶ抑圧的な長期独裁政権に反対する運動になり、ついに大統領は1月14日サウジアラビアに亡命し、革命は成功したのだった。
やがてこれが引き金となって北アフリカのエジプト、リビアなどへ民主化革命が飛び火し、一連の「アラブの春」といわれる市民運動になったことは私達の記憶に新しい。
そしてこの影響は瞬時に情報が世界を駆け巡る様々なインターネットによって、北アフリカに留まらず世界的な規模に波及した。
ネットで「アラブの春」の影響を調べたら下の様になる。
①政権を打倒した国は、エジプト(ムバーラク)、リビア(カダフィー)、イエメン(サーレハ)(イエメンの女性活動家ダワッフル・カルマン女史は2011年ノーベル平和賞を受賞した)
②何らかの進展結実があった国は、アルジェリア、モロッコ、サウジアラビア、ヨルダン、レバノン、イラク、クエート、オマーン、バーレーン
③運動が継続中の国は、シリア
④政権側がデモを制圧した国は、ジブチ、モーリタニア、西サハラ、スーダン、ソマリア
⑤それ以外に影響が及んだ国は、中国、アメリカ、イスラエル、ロシア、アルバニア、イラン
これだけ世界中に影響を与えたジャスミン革命がチュニジアの田舎町から起きたことは、歴史に刻まれるだろう。モハメドさん、どこかで見ていてくれるかな。
移動中、バスから見た珍しい光景の一つは、道路のあちこちに18L入りのプラスチックタンクを積み上げて売っている人々の姿だった。ガイドに聞くと、隣国リビアから国境を越えて安いガソリンを売りに来た人々だという事だった。
二つ目は、道端の簡素な店に白い肉がぶら下げてあることだった。ガイドは、羊の肉を売っているのだと話した。(スピードがあるバスからの撮影なのでぼけている)
私達は地中海近くの「ガベス」のレストランでランチを採り、赤土だけの大地が広がるガベスの南西40kmにある中南部山岳地帯「マトマタ」に向かった。
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「へぇー、そうなんだ」ソナタさんの旅行記、いつも読み終わったときの感想です。
コメント有難うございました。
チュニジアの一青年の犠牲が世界に波及した訳ですね。抑圧されている人々には、民主主義という政治体制を求める気持ちは本当に強いんですね。
まあ、今の日本の選挙を見ても、民主主義なら一般の民衆が平和に暮らせる様になるとは簡単には行かないんですけどね。
最近は民主主義の限界を感じています。
サマンサどら猫さん、こんにちは♪
シリアは混乱が続いていますし、エジプトも最近大統領が独善的な政策を取って、民衆のデモが起きていますね。
今回チュニジアに行って見て、思いの外変化があって楽しかったです。
革命後まだ間もなく果たして治安は大丈夫なのだろうかと知識がないが故の素朴な思いでしたが、そこはたくさんの海外を飛び回って旅慣れたソナタさんだからこそ、チュニジア旅行を計画されたのだなと思いました。
アラブの春の経緯がよくわかりました、水面下でインターネットって、今時の革命、時代ですね。
いよいよサハラ砂漠がやってきますね、なんかワクワクします、ビニール袋に包んだカメラの出番が楽しみ!
今朝も新スーパーに立ち寄ったのではと推察しています (^_-)
バス1台分の参加者でしたが、何と一人参加が半数でした。70歳代と見られる方々も何人も。
チュニジアは全く安全だったし、人懐こい素朴な人々でしたよ。遺跡を見ても癒されました。