≪アルゼンチンから見た三国国境地帯≫
アルゼンチン側からイグアスの滝を見た後、またトロッコ列車に乗って戻った。周囲に色々な国の人達が乗っていたが、前の子供連れの夫婦はブラジルから来たと言っていた。時々こうして国境を越え、家族で遊びに来るのだとか。簡単に来られる人たちが羨ましく思った。
次の駅で列車から降り、バスに乗り換えて「プエルト・イグアス」の町を通り、「アルゼンチン・ブラジル・パラグアイの三国国境地帯」に行った。
イグアスの滝から約18kmの所でイグアス川とパラナ川が合流する川の中に国境があった。
最初の写真の手前側が私が居るアルゼンチンで、川向こうの右側がブラジル、そして左側がパラグアイだ。
アルゼンチンのモニュメントは、国旗の色を表す白と青の色に塗られていた。
川岸の道路を現地の人や観光客が歩いていた。川の向こうには、かすかにパラグアイ共和国のモニュメントも見えた。
帰りのバスでガイドが『パラグアイは物価が安いので、大勢の人達が食料品や日用品の買い出しに行きます。』と話してくれた。
しかし私が調べた所、海を持たない内陸国パラグアイ共和国は大型船の出入りが一部の川に限られ、台地もアンデスから流れる多くの川が作った沖積平野で荒涼としていて農業に適さない場所が多く、多くは牛飼いと『原住民グアラニー』が住んでいるという。
国内にはこれと言った資源も無く、鉄、鉄鉱石、石油も全面的に輸入に頼っていて、工業生産が低迷し、経済の中心は肥えた土地で採れる大豆、サトウキビ、綿花などの農産物と牛の放牧、林業、織物加工といった小規模生産に頼った経済らしい。
近年、水力ダムで発電した電力を、ブラジルに売る売電事業がパラグアイの経済に貢献しつつあるという。だから物価が安いのだろう。
十分に国境地帯の様子を眺めた後バスに戻ろうとした時、数人の子供たちが通路の横で歌を歌っているのに気が付いた。私は皆の最後だったので慌ててバスに向かいながら、少し離れた所で振り返り子供たちの写真を写した。
後で知ったのだが、実はそのこどもたちは三国国境地帯で小集団で昔ながらの自給自足生活を今なお続けている「ボロレ村」の先住民族『グアラニー・インディアン』だったらしい。
私は帰国後TVで知ったのだが、言葉はやがて消えて行くかも知れない「グアラニー語」を話し、その歌を歌うとか。もう少し早く子供たちが居るのが分かっていたら、日本から持って行った飴もあったのにと思ったりした。改めて写真を見たら、皆靴を履いていなかった。
(先日のBSジャパンの『イグアス国立公園』では、豆やトウモロコシ、さつま芋、マンジョウカを栽培し、マテ茶を愛飲する人達だと放送していた)
その後、また、バスで国境を越えてブラジル側に戻り、イグアス飛行場からラン航空に4時間15分乗ってペルーのリマに行った。やっと窓側に座れたので夕暮れになる直前に眼下にペルーの広大なチチカカ湖を見る事ができた。
ホテルに着いたらペルー時刻で23:50になっていた。
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