2024年05月29日発売
カテゴリがTで良いのか迷ったけれど、高柳昌行というミュージシャンを知らない。
大友良英さんがネットで、大発掘したというコメントで絶賛していたので、迷わず購入して聴いて
なるほどー
この演奏を長時間していたとは!
これは、しばらく聴くアルバムになりそうです。
予測不可能な演奏
ノイジーな演奏
音や
発生しているグルーヴとでも言えばいいのか
感じるものに惹かれていく
CDの大友良英さんのライナーノーツで内容が解ったんだけれど
以下はコピペです
1973年、新宿のアート・シアター新宿文化劇場で開催された「インスピレーション&パワー14」での高柳昌行のNew derection for the artsのライブ演奏をカットなしで収録。同タイトルのアルバムに収められたのは終盤部分だけでしたが、このCDには当日のすべての演奏が収録。近年、高柳昌行の遺品から発見されたカセットテープを、かつて師事をしていた大友良英が復元させた奇跡の発掘作品!
「ニューディレクションの総てを通じて最良のものに一つである」(1975年 高柳昌行)
ジンヤディスクの斉藤さんから、高柳さんの遺品の中にこのときのライブのカセットがあると聞いた時には、本当に腰が抜けるくらい驚きました。夢にまでみた音源が残っていたと。(大友良英)
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本作に収められた高柳昌行率いるNEW DIRECTION FOR THE ARTSの演奏は、1973年6月27日から7月12日にかけて開催された〝フリージャズ大祭〟『インスピレーション&パワー14』(於新宿〈アート・シアター新宿文化劇場〉。企画・制作:副島輝人ほか)の一夜、7月9日のものの完全版である。
ここでわざわざ「完全版」と断るのは、全16グループが出たこのコンサートの模様のうちの8グループの演奏はすでにトリオ・レコードから二枚組のLP『INSPIRATION & POWER 14 FREE JAZZ FESTIVAL 1』として発表されており(のちにCDとして再発)、NEW DIRECTION FOR THE ARTSの演奏も〝最後の約10分だけ〟収められていたからだ(LPではC2、CDでは2-2)。
このときのNEW DIRECTION FOR THE ARTSの演奏の記録は、長らくこの「最後の約10分だけ」しか残されていないと思われていた。
しかし、近年、高柳の遺品の中からこのときの演奏の全体像と思われる録音が収められたカセットテープが発見されたのである。このカセットテープには、約1時間とだけはわかっていたこのときの演奏のいろいろな場面が、それぞれ断片的に収録されていた。
その演奏記録の断片を、かつて高柳に師事をしていた大友良英が繰り返し丁寧に聴き続けたところ、「全貌を録音したテープから何回かに小分けにしてカセットにダビングしたもの」ではないかと思い至った。そこで各断片の音量や左右チャンネルのバランスなどを調整しながら繋ぎ合わせ、「1時間にわたるほぼ完全な状態のライブ録音」として甦らせたのである。
実際に試聴すると、断片的な録音をつないだという事実など、頭の片隅からすぐにどこかに消え去る。演奏はグラデュアリー・プロジェクション(暫時投射)的に始まり、演奏開始から全体の1/3くらいの時点でマス・プロジェクション(集団投射)的なアプローチに完全に移行して、演奏の熱量や密度、速度を徐々に高めながら緊張感も途切れることなく、このときの「最後の約10分」に至る過程がまざまざと蘇るようである。
可能な限りの最大音量で、あるいはヘッドフォンで集中して聴いていると、いつしか「断片的な録音をつないだ」という事実は意識の外へと飛び去り、あたかも〝このとき、その場に〟いたような気持ちにすらなってくる。
高柳の活動としても日本のジャズ・シーン(フリー・ジャズ・シーン)の歩みとしても重要な時期の貴重な演奏の記録が見事に蘇った一枚として、古くからの高柳の聴き手はもちろん、現在のフリー・ジャズや完全即興演奏に興味がある若い人たちいも、ぜひ聴いていただきたい。
最後に、本作に付属のライナーノーツより、本作の意義を端的に表した証言を引いておく——(2024/3 青木 修)
「間違いなく高柳昌行の最高作の一つだと確信」(大友良英)
「これはグラデュアリーからマス・プロジェクションへ切れ目なくなだれ込んでいく、非常に貴重な演奏の一つといわざるを得ない」(玉井新二)
■NEW DIRECTION FOR THE ARTS
高柳昌行 (Guitar)
井野信義 (Cello)
山崎比呂志 (Perc)
ジョー水木 (Perc)
1973年7月9日、アート・シアター新宿文化劇場にて録音
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