存在する音楽

ジャンルに関係なく良いと感じた曲は聴く
誰かの心に存在する音楽は
実際に音が鳴っていない時にも聴こえてくることがある

坂本龍一 雑誌

2017-04-22 01:31:17 | 坂本龍一
教授のアルバム発売が嬉しすぎて片っ端から雑誌を購入して読んでいる♪
とりあえず それぞれの紹介をコピペした。
写真やインタビュー内容はとても興味深く、自分の感覚とも呼応して楽しめた。

美術手帖 2017年5月号


特集
RYUICHI SAKAMOTO
坂本龍一

1978年の音楽家としてのデビュー以降、YMOでの活動、
そして映画音楽や現代音楽の分野のみならず、
様々なアーティストとのコラボレーションした映像作品や舞台の制作、
また環境や社会活動に関わるアクティビストとしても、
ジャンルを超え幅広い分野で活動を続ける坂本龍一。
本特集では、8年ぶりのアルバム『async』発売と
ワタリウム美術館での個展にあわせた最新インタビューとともに、
80年代から現在まで続く、様々なメディア装置とともにある
坂本龍一の作品にスポットを当て、
音楽家とアーティストの境界を行き来する彼の活動の秘密に迫る。

SPECIAL FEATURE
坂本龍一
空間芸術としての「SN/M」

「坂本龍一|設置音楽展」ビジュアル レポート

INTERVIEW
坂本龍一 ロング・インタビュー
あるがままのSとNにMを求めて
松井茂=聞き手・文

最新アルバム『async』レビュー 畠中実=文

CHRONOLOGY
坂本龍一にみる“メディア・パフォーマンス"の表現史
松井茂=監修

高谷史郎インタビュー
音楽とアート、目に見えない“美しさ"について
田坂博子=聞き手・文

ESSAY
消え入るインスタレーションをつくり出すために
阿部一直=文

コラム:マスメディアとアーティスト
松井茂=文

INTERVIEW 2
坂本龍一をつくった音楽、映画、アート

カールステン・ニコライインタビュー
共作が生む新しい音楽と音を聴く環境のこと
畠中実=聞き手・文

コラム:音楽とメディア・アート、または、「録楽」の未来
三輪眞弘=文

DIALOGUE
坂本龍一×蓮沼執太
音楽が生まれる環境をつくること

…………………………

連載:コンテンポラリー・ファインアート
アート・アクティヴィズムについて
ボリス・グロイス=文 大森俊克=訳

ARTIST INTERVIEW
荒川医 Ei Arakawa 木村絵理子=聞き手

SWITCH Vol.35 No.5 特集:坂本龍一 もの探しニューヨーク


MUSIC
坂本龍一 VISIBLE THINGS & AUDIBLE SOUNDS

012
LONG INTERVIEW
目に見えるものと耳に聴こえる音

030
INSTALLATION
THE ART OF “async"

032
ARCHIVES
ニューヨーク、1984年
坂本龍一にとって、1984年は特別な年だった。その年の10月、教授はニューヨークを訪れた。
当時の貴重な写真・メモ帳・スクラップブックなどをコラージュした旅の記録を公開

050
ART
トム・サックス
[現代版アーツ&クラフツ運動の行方]
かつてはアートのメッカだったソーホーのはずれにある、彼の脳内そのもののようなスタジオを訪問

062
PHOTOGRAPHY
ライアン・マッギンレー
[キズ物の缶を撮っていた頃]
携帯電話もSNSもなかった時代、フィルムやポラロイドで撮影したNYダウンタウンの身近な仲間たち

072
RADIO
アーロン・ボンダロフ
[フリーフォームのプラットフォーム]
インターネットラジオKnow WaveをめぐるNYクリエイティブコミュニティの現在について

080
MAGAZINE
アーロン・ワード
[現在進行形の〈もの〉としての雑誌]
大判のアート・ファッション・マガジンLet's Panicがインディペンデント雑誌の歴史を更新する

084
ART & FASHION
スターリング・ルビー
[時代に呼応するアメリカ的感性]
ラフ・シモンズ率いる新生CALVIN KLIENのキーパーソンである現代美術家の最新インタビュー

088
MOVIE
アレキサンダー・オルチ
[映画制作のようなコミュニティを]
昨年オープンした注目のインディペンデント・ムービー・シアターMETROGRAPHのプログラムとは



96
BUDDY & SOUL with FRED PERRY
神木隆之介+藤原さくら/玉城ティナ+Mappy/村上淳+渋川清彦/
夏木マリ+石野卓球/高橋愛+あべこうじ/JJJ+KID FRESINO
さまざまな関係性で結ばれた6組の表現者たち、その“バディ"なストーリー

98
荒木経惟
[女優礼讃] 第25回 板谷由夏
写真家・荒木経惟が、アルマーニをまとった女優たちを撮り下ろしていく特別連載

106
池松壮亮
[NIHOMBASHI CHUO STREET]
都市の片隅で生きる人々を描いた『映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ』について

110
石原恒和×野村達雄×川村元気
[WHAT MOVES PEOPLE]
昨年を代表するヒット作『Pokémon GO』と『君の名は。』、そのクリエイター同士が語り合う

114
光浦靖子
[手芸はどうぞ、ご自由に]
3部作完結編となる手芸本『靖子の夢』に込めた、手作りブローチへの思い

118
青木奈緒
[幸田家の柄 椋の木の教え]
幸田露伴、幸田文から青木玉、そして奈緒へと受け継がれてきた幸田家の生活の知慧

140
SWITCH INTERVIEW
ハナレグミ [ケンメリ]
文 戌井昭人 写真 浅田政志
ハナレグミこと永積 崇の原風景――武蔵野、国立。そしてそこに流れるブルース



008
角田光代[オリオリ]
第32回 書かれ続ける理由

122
TALK OF THE TOWN
第29回 ポルシェ911カレラ@ソニービル

124
宮﨑あおい [世界をいただきます]
第42回 ナイジェリア/豆シチューとイドド

128
TRY & ERROR
真鍋大度・LOCUS/伊藤ガビン・クリエイターのサバイバル術
tomad・バトルトラックスタウン

132
本屋のかお
第12回 神保町 東京堂書店 神田神保町店

91
THINGS WE LOVE
LEICA/TEAC/CONVERSE

133
CATCH & RELEASE
西島秀俊 × GIORGIO ARMANI MTM/池田晶紀の写真教室

ミュージックマガジン 2017年 05 月号


内容紹介

【特集】 坂本龍一

『async』=“非同期"──大病からの復活を遂げ、いくつものサントラの仕事をこなしながら、坂本龍一が8年ぶりにリリースしたオリジナル・アルバム『async』は、2017年の世界の様相に対する彼の立ち位置を示唆している。現在の坂本の音楽の歴史的な位置づけをインタヴューで掘り下げつつ、彼のアクチュアルな面を、イヴェント “NONUKES 2017" のリポートという形で取り上げ、人間=坂本龍一の多面性に迫りたい。

■ ロング・インタヴュー~人間には、より同期する 、“Sync"するという何かが強く働いている。でも僕は、合っちゃうと嫌なんですよ(畠中実)
■ 新作『async』と、『Year Book 1980-1984』から見えてくるもの(石川真男)
■ “NO NUKES 2017"~坂本龍一がオーガナイザーを務める“脱原発"イヴェントをリポート(渡辺裕也)


【特集】 トロント・インディの深い森

ここ数年、カナダ・トロントのインディ・シーンから、良質な作品が生まれ続けている。ロック/ポップス系人脈とジャズ/インプロ系の人脈とが自由に行き来をする複雑で独特なネットワークを背景に、フォークからR&Bまで、さまざまなジャンルが境目なく隣接するシーンは世界的に見ても珍しい。シーンの重要人物二人の来日を機に、その深い森に分け入る。

■ 充実を極めるトロント・インディ(新田晋平)
■ エリック・シュノー/ライアン・ドライヴァー・インタヴュー(松山晋也)
■ ディスク・ガイド(方便凌、松山晋也、村尾泰郎、新田晋平)


□ あがた森魚&はちみつぱい(小倉エージ)
□ GLIM SPANKY(志田歩)
□ ユッスー・ンドゥール(北中正和)
□ サーストン・ムーア(天井潤之介)
□ アルカ(小野島大)
□ ミシェル・ブランチ(山口智男)
□ ブリティッシュ・シー・パワー(大鷹俊一)
□ フアナ・モリーナ(高橋健太郎)
□ ロナルド・ブルーナー・ジュニア(出田圭)
□ ハレイ・フォー・ザ・リフ・ラフ(五十嵐正)
□ フューチャー・アイランズ(油納将志)
□ シルヴァン・エッソ(廣川裕)
□ Reliq(小山守)
□ スクービードゥー(池上尚志)
□ Matt Sounds(大石始)


Front Line
◇ ジョン・メイヤー
◇ ザ・マグネティック・フィールズ
◇ エイミー・マン
◇ サラ・マッケンジー
◇ アンドレア・モティス
◇ 仮バンド
◇ SPiCYSOL
◇ 夕食ホット
ほか

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番匠谷紗衣おやすみキャスVOL.35

2017-04-20 23:21:14 | 番匠谷紗衣
2017,4,20 23時頃~
おやすみキャスとしては35回目?

たばこ コレサワ カバー

蝶々結び Aimer カバー


けんちゃん あー写 とか 

ジュエリー・デイ 絢香カバー
今夜も星に抱かれて 絢香 カバー

片思い Aimerカバー

キャンプのうた 番匠谷紗衣オリジナル曲

forget you 番匠谷紗衣オリジナル曲

いっぱいライヴ あっちこっちでライヴできて
ライヴで
自分の良い出し切れたら良いな

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NHK「クローズアップ現代+」坂本龍一

2017-04-19 20:25:22 | 坂本龍一
2017,4,19 水
NHK総合「クローズアップ現代+」
『“同期しない”坂本龍一 不寛容の時代へのメッセージ』
武田真一アナウンサーがインタビュー

async
断された世界で

バラバラで同期しない

一つのテンポにみなが合せるのでなく

音楽なのか音なのか?

普通の99%の音楽というのは同期する=シンクロするもの
人間は同期することに感動する動物
僕は敢えて誰も喋ってない言葉を喋ってみる

同期しない音を集めて感じたことは?

音はもうすべての音には同党の存在理由があって存在している。人間が勝手に良い悪いというのではなく、敢えて耳を開いて聴いてみる。公平に音を聴く。

東北ユースオーケストラ
携帯の着信音
子供たちがそれぞれスマホを持って
バラバラの着信音を教授がピアノでまとめていく

生存に必要ない音は無視している
視覚でも良いけど、人間は見たいと思っているものを見ている。
フィルターにかかったものを通して見ている
考えるということまでも含めて
フィルターという檻に閉じ込められて生きている

garden
天国に繋がる庭

アナウンサーをしていて、世間に非常に沢山の意見がある

無尽蔵な情報の中で関心のある情報だけを選択している
似たような感じに思ったグループは似たような情報を意見交換して
違う意見のコミュニケーションがなくなっている

新しいアルバムの制作中にトランプ政権が誕生し、
異なる意見を認めない動き
不寛容という空気が広がっている(アメリカ大統領選挙後の地図が真っ赤に共和党になったのを見て落ち込んだ)
ただ、アメリカの各地で反対運動も起きている

武田アナも引っかかることがある
音楽に政治を持ち込むことに冷ややかにある
僕らが聴いて来たフォークやパンクというのはそういう要素があったと思うのですが、どうお感じですか?

僕は無いですが、日本にはいささかありますね。原発事故の23年後はみんなも声を挙げようという動きはありましたが、数年経ってみんなだんだん変わってきて、声を上げにくいようになってきているように感じます。僕は関係なく言いたいことを言ってます。色んな意見があって良いと思うんです。それぞれが固有のテンポを持っているので人間社会はそれで良いと思います。

8年ぶりのアルバム
闘病生活が大きかった。唾液の出が悪くなって、普段の半分くらい。寝ていても目が覚めて2,3度
ガムを噛んでる時が多い。

深く色んなことを考えざるを得ないです。限られた時間の中で10やりたいことを一つ二つやろうと
本当にやりたいことだけをやる。本当に大きく変わりましたよ。

シェルタリングスカイのコメント
人生は限りがある。満月をあと何回見るか?満月を20回も見ないんじゃないか?

我々はそれを観ようと思います?

今回のアルバムは最後のアルバムになるかもしれない。

これからの音楽家 坂本龍一の人生は?

人生は毎日毎日残り少なくなっていくから自分に嘘偽りがなく、そういう音楽を作りたいし、ウソ偽りなく生きたい。
月を忘れないで毎日眺めて

それおぞれの音/パートが固有のテンポを持つ音楽を持つこと

あと何回満月を観るか
11の言語で語った。

コピペ

NYを拠点に活動し世界の音楽シーンに影響を与え続ける音楽家の坂本龍一さん(65)が、先月29日、8年ぶりにソロアルバムを発表した。「async」=「同期しない」というタイトル、自然の音や雑踏の音など、それぞれ固有の響きとリズムを持った音を取り込み、一つの音楽の中に共存させた作品だ。これまでもNY同時多発テロや福島第一原発の事故などと向き合い、社会に向けたメッセージを発してきた坂本さんが、今回のアルバム「async」にどのような思いを込めたのか、NYのスタジオでの仕事の様子や日本での活動の様子なども交えつつ、武田真一キャスターがロングインタビュー。 坂本龍一が、今の時代に何を伝えようとしているのかを解き明かす。
出演者

坂本龍一さん (音楽家)
武田真一 (キャスター)

坂本龍一 “音楽の常識”を超えて

8年ぶりの最新作を発表した、音楽家・坂本龍一さん。
ニューヨークのプライベートスタジオです。

今、音楽の常識を超えた挑戦を始めています。
スマートフォンで、街や自然の音を録音。
身の回りにある何気ない音から音楽を生み出そうというのです。
坂本さんは、常に時代の最先端の音楽に挑んできました。
日本の音楽シーンを変えたYMO。
テクノポップと呼ばれる新たなジャンルを確立しました。

日本人として初のアカデミー賞作曲賞を受賞。
映画音楽で世界的な評価を確かなものにしました。
そして先月(3月)、新たな境地を切り開くソロアルバムを発表。
「async(アシンク)=同期しない」と名付けられた異色の音楽です。
30年近くアメリカに暮らし、音楽家という枠を越え、時代にメッセージを発してきた坂本さん。
3年前には、がんを患い、ようやく復帰を果たしました。
新たな音楽には、どんな思いが込められているのか。
先日、帰国した坂本龍一さんにじっくりと話を聞きました。
坂本龍一さんが、YMO=イエロー・マジック・オーケストラに参加し、世界中の注目を集めていた1978年。
私は、小学校5年生でした。
坂本さんの生み出す音楽は私にとって、いつの時代も社会に対するメッセージに聞こえました。
先月、発表されたアルバム「async」。
ばらばらで同期しない、一見、調和しない音楽を試みた作品ですが、そこにはどんなメッセージが込められているのでしょうか。
アルバムに添えられた文章に、その手がかりとなる言葉があります。

“一つのテンポにみなが合わせるのでなく、それぞれの音/パートが固有のテンポをもつ音楽を作ること。”

その意味するところは…。
坂本龍一 “音楽の常識”を超えて
ゲスト 坂本龍一さん(音楽家)
今回のアルバムを私も聴かせていただいたが、明確なメロディーやテンポというものがない。
音楽なのか?音なのか?
ずっと聴いていると、ひとつのまとまった音、音楽のようにも聞こえるし。
私は音楽というよりも風景みたいに感じたんですが、坂本さんは、どういうことで今回の作品をお作りになったんですか?

坂本さん:普通、99%の音楽というのは、同期を目指す音楽なんですよね、同期してる音楽なんですよね。
人間のどうも人間の中のネイチャーとして、そういうものがあるらしいんで、ほっとくと同期しちゃうんですね。
同期することに快感を覚える動物らしいんですよ、人間というのは。
僕はあえて今回は、その同期しない音楽というのを作ってみようと思って、同期してない音楽、いわば誰もしゃべってない言葉をしゃべるみたいなことなんですよね。

♪:walker
枯れ葉を踏みしめる音や、動物の鳴き声などを重ね合わせた曲。
ニューヨークや東京などで、身の回りのさまざまな音を探し求めた。
一つ一つの同期しない音というのを、改めて耳を澄ませて集めてみて、何か感じたこととかあるんですか?

坂本さん:音は同じ必然性で同じ重要性を持って、いつもこういう、ごーっという音も通りの音も、同じ同等のなんていうのかな存在理由があって存在しているわけですね。
それは、人間が勝手にこれはいいとか悪いとかを決めて、僕もそうですけど、決めている。
それはやめて、一度大きく耳を開いて公平に音を聴くほうがいい。
(一つ一つの音に改めて耳を澄ますことで音の存在感、みんな無意味に存在してるわけじゃないと?)
そう。

身近な音から音楽を生み出す。
それを象徴する場面がありました。
東日本大震災以来、坂本さんが支援している被災地の子どもたちで作るオーケストラの合宿です。

オーケストラ団員
「携帯を準備してください。」

境遇も年齢も異なる子どもたち。
坂本さんは、ある試みを行いました。
使うのは、携帯電話の着信音です。

坂本龍一さん
「こっち見てください。
どうやってやろうかな。
わあっと拍手があって、何か演奏してくれるかなと、お客さんは静かにして待っています。
そういう緊張の一瞬のときに、“うっかり誰かの携帯が鳴った”という設定にします。
びっくりして、自分が鳴ったのかもと慌てる人も出てくるかもしれません。
面白いね。」

子どもたちが鳴らす、ばらばらな着信音を坂本さんがピアノで一つの音楽にまとめていきます。
これがまさに、今回の作品にも通じる?

坂本さん:そうですね。
非同期の、でも一つの音楽にしようというね。
ちょっとうまくいかなかったんで。
でも、この時はおもしろかったですよ。
今までやったことがなかったので、本当に子どもたちもびっくりしたし、戸惑って何をやったらいいのか分からないという感じもあったと思いますけど。
僕たちは24時間ほとんど音に囲まれて生きていますけども、生存にあまり必要のない音は無視しているわけですよ。
本当は、こっちも音が鳴ってるのにそれは聴こえてこないって、そういうこともよくあるんですよ、人間ってね。
視覚でもよくありますけど。
脳が見たいと思っているものだけ見ちゃう。
それは突き詰めれば人間が持っている脳っていうフィルターがかかって世界を見ている、認識している。
いかにふだん、自分というものが固定化されたフィルターによって、そういう知覚を、聴覚や視覚や、それから考えるということまで含めて、フィルターという、おりに閉じ込められているかということが見えてくるわけですよね。

♪:garden
オーケストラのようなパートはバラバラのテンポで演奏されている。
天国につながつ庭をイメージして、“garden”と名付けた。
坂本龍一 最新作 分断された世界で
今のお話をお伺いして、私がふだんテレビの仕事をしていて感じることなんですけれども、今、ネット上とかにさまざまな意見や声が本当に充満してますよね。
しかも、世の中の意見というものがすごく極端に分かれていたり、分断していたりと、まさに、情報や意見の海のような状況になっていると思うんです。
そういう状況みたいなものを、例えば音になぞらえて、今回のアルバムの一つの発想みたいなものになっているのかなという気もしたんですけれども、そういうことはないんですか?

坂本さん:それは考えたことがなかったですけど、そうも言えますね。
結局、そういう非常に数の多い意見とか、無尽蔵ともいっていいような情報の中で、一人一人やっていることっていうのは、自分が関心のある情報だけを選択して得ているわけですよね。
だから、その似たような関心を持ったグループというのが、似たような情報を得てお互いに意見交換していって、どんどんどんどんそういう、たこつぼ化といいますか、違う関心のグループはこっちいって、そこの間のコミュニケーションはあまりなかったり、あるいはコミュニケーションといっても、お互いに反発し合うようなコミュニケーションだったり、そういうことが世界的に起きているのは、非常に不幸だなと思いますね。

さまざまな異なる意見や価値観を認めない風潮が広がっている。
30年近く、音楽活動の拠点としてきたニューヨークで、坂本さんはそう感じています。
新しいアルバムの制作中、トランプ政権が誕生。
異なる考え方を拒絶するかのような言動に衝撃が走りました。

トランプ大統領
「黙れ、質問は許さないぞ。」
坂本さんは、アメリカでずっとお住まいになって、今のアメリカをどんなふうにご覧になっているんですか?

坂本さん:大統領選挙の結果が明るみになった後の、あの真っ赤なアメリカの地図ね。
(共和党が選挙で獲得した地図ですね。)
あれを見ると、アメリカ全体が変わってしまったかのような印象を受けるし、僕もあの真っ赤な地図を見て落ち込んだんですけど、不寛容という空気は広がっていると思いますね。

ただ、そういうアメリカに住んでいて、自分はどうなんだろうというふうに当然考えますけども、見方を変えると、いくら大統領になっても、きちんと反対意見を述べる有名人から普通の人まで、まだ半分近くいるというのはアメリカのまだ少し健康なところで。
翻ってわが国を見ると、いかがなものかという気はして、じくじたる思いもしますけどね。
実は私もちょっと心に引っ掛かることがあって、例えば日本で、音楽の場に政治を持ち込むことが冷ややかに見られるような空気ってあるのではないかと。
僕が聴いてきたフォークとかパンクとか、ロックもそうですけれども、ある種、社会に対する異議申し立てというような役割があったと思うんですけれども、今のその音楽シーンの中にはどうなんでしょう、そういう自ら発言することに対するアレルギーみたいなものがあるんでしょうか?

坂本さん:海外はないと思いますよ。
日本は、なぜかありますね。
なんか年々強くなっていく感じがしますけど。
原発事故の後に、1年、2年弱ぐらいはすごくみんなも声を上げようというような雰囲気があったと思うんですけど、ただ、3・11の後、6年以上経過して、だいぶ空気もまた変わってきたかなというね。
なんか言いづらい、声を上げにくいような雰囲気もだんだん多くなってきた気がしますよ。
僕は、それはもう無視して言いたいことは言ってますけど。
やっぱり言いたいことが言えない社会というのは、よくないと僕は思いますね。
本当にばらばらですから、2,000人いれば2,000人の受け取り方があっていいと思っているんですね。
それはだから、それぞれの固有のテンポを持っているということ。
それは、人間社会というのはそういうものでいいと思っていて、みんな同じである必要はないですから。

♪:solari
映画「ソラリス」にインスピレーションを受けた曲。
水面(みなも)の揺れや、もやがかった世界を表現している。
坂本龍一 “いのち”と向き合う

8年ぶりとなった今回のアルバム。
その間、坂本さんは人生の大きな岐路に立たされました。
がん闘病のために音楽活動を休止したのです。

坂本龍一さん
「唾液の出が悪くてね。
病気以前の半分ぐらいかな。
すごくのどが渇いちゃう。
夜寝ていても2、3回は起きてしまう。
水などで補給しないとだめなんだよ。
だから人と話すときはあまりよくないけど、1人のときはガムをかんでいることが多い。」

これまでの人生で、最も死を間近に感じたという坂本さん。
再び活動を始めるにあたって、今の自分にしかできない音楽を追求したいと考えました。

坂本さん:それは深くいろいろなことを考えざるを得ないですよね。
やっぱりショックでしたよ。
もう限られた時間だから。
10ある中で1つ、2つ、本当にやりたいことだけやろうということは大きく変わりました。

♪:fullmoon
今回のアルバムで坂本さんが最も愛着がある曲。
かつて音楽を担当した、映画「シェルタリング・スカイ」のせりふを引用。
人生には思うほど時間は残されていないと語りかける。

“How many more times will you watch the full moon rise?
Perhaps 20.
And yet it all seems limitless.
(あと何回、満月を眺めるか?
せいぜい20回。
だが人は無限の機会があると思う。)”
あそこで語られている、「人生というのは限りがある。あと月を何回見る、20回程度じゃないか」というような。
今、いろんな活動もされていますけれど、坂本さんもそういう思いはあるんですか?

坂本さん:満月を20回も見ます?
(見ようと思いました。)
思いますよね。
見てないって思わず反省しちゃいますよね。
日本とか、ニューヨークの都会の中で、満月ってそんな何回もわれわれ見ないですよね。
今回のアルバムというのは、坂本さんの最後のアルバムになるかもしれないという発言をされていますが?

坂本さん:いつ死ぬか分かんないもんね、人は。
これからの音楽家として、あるいは1人の坂本龍一としての人生、どういうふうに命を燃やし尽くそうというふうに考えていらっしゃいますか?

坂本さん:もう本当に、人間の人生というのは毎日毎日残り少なくなっていくわけだから、やっぱり強く思うのは、自分にうそ偽りなく、自分にうそ偽りのない音楽を作りたいし、僕も音楽家だから。
ひいては、自分にうそ偽りなく生きていきたいですね、できることならね。
(思いを込めて、残りの人生の月を数えながら。)
月もちゃんと毎日眺めて、忘れないで。
坂本龍一 分断された世界で
一つのテンポにみなが合わせるのでなく、それぞれの音/パートが固有のテンポをもつ音楽を作ること。
お話を伺って、坂本さんは、音を私たち人間の姿と重ねているように感じました。
ばらばらな音が一つの音楽になるように、一人一人の個性や思いを尊重し合うこと。
分断ではなく、共に生きること。
改めて、今、その大切さに気付かされました。

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Pierre Boulez/シェーンベルク:セレナーデ,『グレの歌』~「山鳩の歌」『ナポレオンへの頌歌』

2017-04-19 18:36:37 | album p
Pierre Boulezのアルバムを続けて聴いている♪

音楽に詳しくない僕にとって新たに聴く音楽は新鮮だ。
ショーンベルクも知らないので、立て続けに聴いていたらどうかなーと思ったが、共通した魅力はまだわからないけど、歌曲は歌詞が解らないし聴いた感覚で魅力的かどうかしかない。

面白いなと思う瞬間も退屈だと思うものもある。

「セレナーデ」で歌も入ってるのもあったけど、7曲目あたりのストリングスの演奏が心地よい。

『グレの歌』
シェーンベルクが12音技法を取り入れる以前の後期ロマン派的爛熟の大作(5管編成のオーケストラに男性合唱、混声合唱、単独で歌唱数人)とのこと。
このアルバムではその一部
女性の歌


Disc54
● シェーンベルク:セレナーデ Op.24
● シェーンベルク:『グレの歌』~「山鳩の歌」(室内楽版)
● シェーンベルク:『ナポレオンへの頌歌』Op.41
ジョン・シャーリー=カーク(Bs-Br)
ジェシー・ノーマン(Sp)
デイヴィド・ウィルソン=ジョンソン(語り)
アンサンブル・アンテルコンタンポランのメンバー
ピエール・ブーレーズ(指揮)
録音:1979~1980年 パリ


1. Serenade, Op. 24 / I. Marsch
2. Serenade, Op. 24 / II. Menuett
3. Serenade, Op. 24 / III. Variationen
4. Serenade, Op. 24 / IV. Sonett von Petrarca: "O konnt ich je der Rach' an ihr genesen"
5. Serenade, Op. 24 / V. Tanzscene
6. Serenade, Op. 24 / VI. Lied (ohne Worte)
7. Serenade, Op. 24 / VII. Finale
8. Gurre Lieder, Part I: 10. Lied der Waldtaube
9. Ode to Napoleon Buonaparte, Op. 41

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Pierre Boulez/シェーンベルク『ヤコブの梯子』『期待』

2017-04-16 11:01:46 | album p
Disc55
● シェーンベルク:オラトリオ『ヤコブの梯子』
ジークムント・ニムスゲルン(ガブリエル)
ケネス・ボウエン
イアン・パートリッジ
ポール・ハドソン
ジョン・シャーリー=カーク
アンソニー・ロルフ・ジョンソン
オルトルン・ヴェンケル
マディ・メスプレ
BBC交響楽団
ピエール・ブーレーズ(指揮)
録音:1980年、ロンドン
● シェーンベルク:モノドラマ『期待』Op.17
ジャニス・マーティ(Sp)
BBC交響楽団
ピエール・ブーレーズ(指揮)
録音:1977年、ロンドン


1. Die Jakobsleiter / "Ob rechts, ob links, vorwärts oder rückwärts"
2. Die Jakobsleiter / "Ohne zu fragen?"
3. Die Jakobsleiter / "Gleichviel! Weiter!"
4. Die Jakobsleiter / "Du bist immerhin zufrieden mit dir"
5. Die Jakobsleiter / "Dies Entweder und dies Oder"
6. Die Jakobsleiter / "Gegen seinen und euren Willen"
7. Die Jakobsleiter / "Ich sollte nicht näher, denn ich verliere dabei"
8. Die Jakobsleiter / "Herr, verzeih meine Überhebung!"
9. Die Jakobsleiter / "Herr, mein ganzes Leben lang"
10. Die Jakobsleiter / "Nahst du wieder dem Licht?"
11. Die Jakobsleiter / Great Symphonic Interlude
12. Erwartung, Op. 17 / Scene I: "Hier hinein?...Man sieht den Weg nicht"
13. Erwartung, Op. 17 / Scene II: "Ist das noch der Weg?"
14. Erwartung, Op. 17 / Scene III: "Da kommt ein Licht!..."
15. Erwartung, Op. 17 / Scene IV: "Er ist auch nicht da.."
16. Erwartung, Op. 17 / Scene IV: "Das Mondlicht...nein dort"
17. Erwartung, Op. 17 / Scene IV: "Nein, das ist doch nicht möglich"
18. Erwartung, Op. 17 / Scene IV: "Du siehst wieder dort hin!"
19. Erwartung, Op. 17 / Scene IV: "Der Morgen trennt uns"

オーケストラに歌声が響き渡る
差し迫った感じ


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