今こそ出発点

産直巡りの際に母校の高校前を通る。
立派に建て替えられた建物や教室を眺めながら「あの頃もっと頑張っていれば・・・」と後悔の
念を持つことがある。
しかし、よくよく考えてみると現時点の事も数年経過後には「あの頃もっと・・・」となるよう
な気がする。
必要なのは過去を振り返って後悔することではなく「今頑張ること」と自分に言い聞かせている。

高齢者の仲間入りをしたにも関わらず年中無休の農業に励んでいることを「年齢や健康を考えない
頑張り過ぎ」と親類縁者等々から批判されることが多いが、自分の信念でもある「今に全力を」は
微動だにしない。


(間引いたニンジンも産直へ)

この機会にPCデスクの横の本棚に飾ってある「座右の銘」を紹介したい。

「今こそ出発点」

人生とは毎日が訓練である
わたくし自身の訓練の場である
失敗もできる訓練の場である
生きているを喜ぶ訓練の場である
今この幸せを喜ぶこともなく
いつどこで幸せになれるか
この喜びをもとに全力で進めよう
わたくし自身の将来は
今この瞬間　ここにある
今ここで頑張らずにいつ頑張る

　　　　京都大仙院　尾関宗圓

稲刈り終了

台風前に済ませたかった稲刈りが三日遅れとなった。
残っていたのはいずれも苦戦が予想される田んぼで、台風による雨の影響で状態は
更に悪化していた。

倒伏して且つぬかるみ状態という最悪の条件下でコンバインと一緒に泥んこになり
ながら無理やり終わらせた。
一部踏み潰すところもあったが悪条件の中では諦めるしかない。
「手刈り」する時間的余裕は無かった。



倒伏した田んぼの「大変さ」を厭と言うほど味わった。
就農して来年は１０年目を迎える。
既に「ベテランの域か」と慢心した訳ではないが所詮はまだまだ「幼稚園子でしかない」
ことが証明された「稲刈り」だった。

葉っぱビジネス

徳島の上勝町の「葉っぱビジネス」には及びもせぬが我が家の大根の「間引き菜ビジネス」も
捨てたものではない。
もともと間引いて捨ててしまうものをパックして売る訳だから、たとえ売れ残ってもダメージ
は限りなくゼロに近い。

しかし、大根の葉は一日店頭に並べていると翌日には黄ばんでくるので即日完売を目指さなけ
ればならない。
そのため三ケ所の産直にどう配分するかが営業部長の腕の見せ所となるが、何故か今日の
「フードパワー」には葉物野菜がゼロだった。
極めて珍しい事象で、これなら「葉物野菜の独占販売になる」と判断し、他の産直の倍の数を
並べた。

夕方、所用で近くを通った際に立ち寄ったら「読み筋通り」の結果となっていて大満足だった。



今日はたまたま読みが的中したが、読みが外れることもあるし深読みし過ぎて裏目に出ること
さえある。
そんな時は翌朝萎れ気味の葉を持ち帰ることになるが、実はその「持ち帰り品」を鶏達が大喜
びで迎えてくれる。

我が家の「葉っぱビジネス」は労さえ惜しまなければ結構「美味しい商売」と言える。

ズンダ

ズンダは枝豆をすり潰して作る。
当地方では昔から「ズンダ餅」、「ズンダばっと」、「ズンダ団子」等に広く活用されて来たが、
グルメブームの影響で活用範囲は更に拡大しつつあるようだ。

先日、「新鮮館おおまち」でいつもご贔屓のSさんが「お宅の枝豆が無くて隣の籠の枝豆を買ったら
美味しくなかったのでズンダにした」とグチをこぼしていたが、ズンダを作る際は好みに合わせて
味付けすることから「美味しくない枝豆」を利用することが多いようだ。
我が家でもズンダを作る際は青バタ豆を利用するのが慣例となっていた。



そんな前例に逆らい昨夜は今盛んに販売中の「秘伝」を使った「ズンダおはぎ」に挑戦してみたら、
その美味しさに「ビックリ仰天」してしまった。

味付けで誤魔化したズンダと異なり素材の美味しさがそのまま乗り移ったような味だった。

「ズンダを作る際も美味しい枝豆を使うべし」
この教訓はこれからの枝豆販売にも活用できそうだ。

台風

台風の影響で昨夜から雨が降り続いた。
幸い台風は太平洋側にスライスし午後の三時頃には雨もあがったので被害は殆ど無かった。
しかし、雨で産直の客足はサッパリとなり、今日の売れ行きは散々だった。

枝豆の売れ残りは明日半額にして売り捌くしかないので、これも台風被害の一つに加えられ
るかもしれない。


(雨上がりの後山の入口の畑)

周囲の景色が日増しに秋めいて来る時に大根と赤蕪が緑の葉を茂らせていた。
ここの大根はこれから「間引き菜」の収穫期を迎える。