35度の角度で選評を飛ばし流した感想は「直木賞って随分辛気臭そうだな」。
まだ今回の二作は読んでないが、選評の各氏、各嬢は難しいことを書いている。直木賞ってエンターテインメントの賞だと思っていた。皆さん理屈をこねているので感心した。
各氏の講評を見ていて読もうかな、と食指が動いたのは「漂砂のうたう」かな。根津八重垣町なんて懐かしい。今はなんていうのかな、不忍九丁目かな。昔あの辺に住んでいた生国不明のヨーロッパの老嬢に英会話を習いにいっていたんだ。
最近はないが、台風が来ると水があふれるところでね、ゼロメートル地帯だったんだが。
とにかく、芥川賞の選評に比べると詳細だし、候補作全部に律儀にコメントしている。この傾向は大分前からなのかな。選者は芥川賞に対抗心でも燃やしているのだろうか。
今度の候補作には「悪の教典」があったんだね。これは実は読んだんだ。例のハヤカワのベスト・ミステリー・ガイドに出ていたんでね。
なんとか最後まで読めた。しかしコメントしようもないへんてこなものだと思った。ところが直木賞の候補なんだね。みんな律儀に講評している。それを読んで、へえ、そんなに積極的にとらえる見方もあるんだ、と勉強になりました。
つづく