芥川賞選評に対する印象をwebで見ていて感じるのだが、この選者がこの作品にこんな評価をするのは意外だ、というものがある。
私はどの選者の小説もほとんど読んでいないから文芸春秋の選評を見ても、そのとおりに受け取るのだが、選者たちの小説をよく読んでいる人のコメントらしいので、おやと思うた(すこし訛ったね)。
それで、一体選者たちは本当に候補作品を読んでいるのかなという疑問。四つか五つか、候補作を絞るのは編集者や下積みの作家や評論家らしいから、それまでの段階では選者はまったくタッチしていないようだが。
最終候補作を読む時間(日にち)はどのくらいあるのか。選考会は二時間くらいというが、その場で初めて見るのかしら。そうすると、事務取扱(即ち編集者など)が用意した要約やブリーフィング資料しか見ないのかな。
皆さん忙しいから、事前に読む時間などないのかもしれない。国会答弁みたいに担当編集者の原稿を参考に適当に流しているのかな。
もっとも、選者の個人差もあろう。全然読まずに選考会でも執筆疲れで居眠りをしている人もいる、というのは筒井康隆氏の小説だが、大岡昇平氏によると実話というし。
まじめに予習をしてくる人もいるが、選考会前にまったく目を通さない人もいるに違いない。