穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

ハイデッガー講義録の癖

2015-03-21 06:49:05 | ハイデッガー

と言っても「形而上学入門」を読み「ニーチェ1」を7、80ページ読んだだけですが、両書に共通した書き癖がある。最初にそれについて言っておいた方が良い。この書評ブログは短い本は別にして、現在進行形書評であります。つまり10ページ読んだところで感想をアップ、70ページ読んだ所でアップという具合に読了するまでに数回にわたって印象を述べることがおおい。

従って著者の叙述の仕方によって総合的にみると、原著と書評の間のブレというか「振動」が一時的におこることがある。それはそれで良いというのが私の方針です。起承転結がはっきりとしていて理路整然と叙述が進んで行く本では両者の間に揺れはない。そうでない本の場合は免震構造が必要かもしれない。

ハイデッガーの講義録ではこうはいかない。最初の結論めいたものが出る。そして詳しくはいずれ後で触れると身をかわす。そして最後までフォローアップが無い場合も有る。フォローアップがあってもよほど注意して読んでいないと見落とす。また、今度のテーマは何々だ、と言いながら全然別の話をする、などなど。

この書評は現在進行形でリニアに読んで行きます(最初からという意味です、原則として)。したがって、親切な読者がいて、この書評と原著を併読していただくかたがいるとして、若干の揺れを感じるかもしれません。