穴村久の書評ブログ

漫才哲学師(非国家資格)による小説と哲学書の書評ならびに試小説。新連載「失われし時を求めて」

古着はたたる

2010-04-08 08:53:56 | 本と雑誌

古着はたたる、なんてことをもうしますな、と志ん生なら言うところだ。最近は古着屋なんてない。いやそうは言わないと言うべきか。リサイクルショップかな。ジーンズなんか着古したものが高く売れるらしいが。

古着の話じゃない。このブログだから古本の話だ。ここまでは落語でいえばマクラだ。

おいらは古本を好まない。誰が読んだか分からない本は気持ちが悪い。それは古着は祟るとおなじ系統だろう。ブックオフなんかも同じだ。同じ理由で図書館へいくのも好まない。ま、マイノリティだろうね。超マイノリティでなければこのブログでは取り上げないんだから。

したがって新刊本を買うがたまる一方だ。これの始末がまた往生する。古本屋と折衝するのがこれまた不愉快な経験だ。どうせ金になる古典籍なんてないからいくらでもいい、持って行ってくれればいいのだが。そうも言えないから黙っていると

古本屋というのは、いちいちケチをつけながら値決めをしないとこけんにかかわると思っているのか、業界の知識をひけらかしながら、ねちねち、延々とやる。こっちはタダでもいいから早く持って行って清々したいというだけなんだが。

それに、携帯電話を買う時みたいに身分証明書を見せろというだろう。店頭に持っていく学生なら万引きを疑ってそういうことをやることも昔はあったが、カバーも帯もないし、赤線も引いてあるような本なのに、何のためにするのだろう。

古本屋なんて、職業に貴賎はないとは言うものの、こちらから見れば得体のしれない商売だ。ただでさえ、大企業でもうっかり個人情報を渡すとすぐに悪徳市場に出回る。古本処分のためくらいにそんな危険を冒すわけにはいかない。