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観客席で思ったこと ~200文字限定のスポーツコラム~
 



サンパウロFC対リバプールFC(横浜国際総合競技場)他

新しくなったトヨタカップを計4試合(アルイテハド対アルハイリ、サンパウロFC対アルイテハド、アルイテハド対デポルティボ・サプリサ、サンパウロFC対リバプールFC)観た。出場6チームのうち、カズが所属するシドニーFC以外の5チームを観ることができた。その感想をまとめておきたい。

全体的には好ゲームが多く、また各チームの個性も豊かで、とても楽しめた大会だった。ただ、普段の12月よりも冷え込みがとても厳しかったのが、残念だったというか、とてもつらかった。来年も日本で開催するはずだが、せめて1週間でも前倒しにしてもらえないだろうか。

厳しい寒さのなかでの試合だったが、各チームとも、さすがに各大陸のチャンピオンチームらしく、個人技、組織力とも高いレベルにあった。結局、決勝は下馬評どおり南米と欧州の対決になったが、アジア王者のアルイテハドが予想以上に健闘していたのが印象に残った。1回戦のアフリカ代表アルハイリ戦では、丁寧にパスをつなぐ相手に対して、得意のカウンターを仕掛け勝利をものにした。チーム戦術の浸透度がアルハイリを上回っていた。準決勝ではサンパウロFCと堂々と渡りあい、3位決定戦では、内容的にはサプリサを圧していた。アジア王者の活躍は、日本のチームへの期待と重なるが、Jリーグのチームにこれだけの戦いができるのだろうか。

決勝戦が、これまでのトヨタカップと同様に南米対欧州となったのは、予想どおり、期待どおりだった。ただし、準決勝を戦ってからの決勝戦だったことが、これまでの1発勝負とはちがっていた。昨年までの大会方式だと、自分と相手のコンディションや出方を見ながら試合に入るため、どうしても前半が押さえ気味の内容になることが多かったように思う。しかし、今年の決勝戦は、前半から激しい攻防が展開され、6万7000人の観客を魅了した。

決勝戦は、リバプールがボールを支配し、サンパウロが勝負を制した試合となった。リバプールのシュートが、クロスバーに嫌われ、サンパウロのGKセニのファインセーブによって阻まれるたびに、トヨタカップのジンクスは生きているのかと思わざるを得なかった。トヨタカップ2戦2勝のサンパウロに対して、2戦2敗しかも無得点のリバプール。新しくなったトヨタカップでも、その栄冠を手にすることができなかったリバプールに、再び雪辱の機会があるのか。

結果的に、今年の第1回大会はひとまず成功だったと思う。しかし、来年もうまくいくかというと、はなはだ疑問である。まず、観戦チケットの値段が高い。大陸別代表国の戦いであるコンフェデ杯よりも高く、欧州選手権に近い価格設定はちょっと高すぎるだろう。もう少し観客のことを考えて欲しい。さらに、オセアニア代表の問題。オーストラリアがアジア連盟に加盟した後に残るのは、はっきり言って超弱小チームだけである。それに加えて、ホスト国からのチーム出場問題。ホスト国のチームが出場するほうが大会は盛り上がるが、チーム力によっては、オーストラリアが抜けた後のオセアニア代表とともに、大会のレベルダウンを引き起こしかねない。また、ホスト国代表をどうやって選ぶのか。

終わったばかりではあるが、次回に向けて検討すべき点は多い。代表の対抗戦であるワールドカップとは違った世界クラブ選手権ならではの魅力を、さらに引き出すためにどんな方法があるのか、自分でも考えてみたいと思う。

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