日本サッカー協会による、ドイツ・ワールドカップの取材証の割り当て先が決まったらしい。日本サッカー協会が、FIFAから割り当てられた取材証の数は、記者100人分、カメラマン40人分である。テレビ中継に関する、いわゆるライトホルダーやインタネットメディアはFIFAが直接管理するため、各国のサッカー協会は新聞・雑誌などのリトゥン・メディア(=written media)関係者分のみを扱う。
先日、友人のS氏から記者証が取れたとの電話をもらった。一生懸命日本代表を追いかけて記事を書いていたことが認められたということだろう。2002年大会のときには、一緒に韓国に行って、右往左往しながら試合を見ていたことを考えれば、たいした出世だ。ドイツでの活躍を期待したい。
一方、師と仰ぐU先生は記者証がもらえなかった。1970年メキシコ大会から9大会連続で取材を続けてきたU先生は、来年、観客としてドイツに向かうことになる。取材証がもらえなかった理由としては、国内だけでなく海外まで、丹念に日本代表を追いかけて記事を書いているライターを優先した結果だろうとおっしゃっていた。大学で講義をもち、また高齢であることを考えれば、日本代表の追っかけも不十分になろう。
しかし、現地取材10大会目となるはずだったドイツ大会。足掛け37年という長いスパンのなかで、ワールドカップという世界的なイベントを語れる唯一の記者に取材証が与えられなかったのは、日本のサッカー文化が、まだまだ成熟には遠いことを表しているのではないか。なんともさびしいかぎりである。
取材者たちにも、当然、世代交代はある。先人たちに代わって記者席に座る若いライターたちには、その責任を十分に感じながら、ワールドカップに取り組んで欲しいと思う。
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