2-0で勝利!
昇格の夢は断たれても、それでも。
消化試合ではなく、今シーズンここまで取り組んできたサッカーを見せるため、勝つために、全力で臨まなくてはならなかった試合。
本拠地ではない長野県・Uスタジアムでの試合であり。ファン・サポーター1136人が駆けつけましたが、移動距離の苦を苦とも思わない、気合の入った面々が声援を送るなかで。
そんな熱意に、しっかりと勝利で応えてくれたのでした。
これまで何度も訪れており、ほかに比べても「よく知っているスタジアム」と思っていたUスタジアムですが。
今回、全くの別モノでした。
普段は立ち入ることのないエリア、ホーム側スタンドから見たピッチというものは、アウェイ側からしか知らなかったことを思えば、とても新鮮に映りました。
その最たるものが、大型ビジョン。アウェイ側スタンドの屋根の上に設置されており、そちらのスタンドに居るぶんには、絶対に見ることのできないもの。
「ホームクラブである長野パルセイロサポーターは、いつもこんなふうに見ていたのか」と。
このような機会でもない限りは、まったく知らないままでいるところだったでしょう。
サッカー専用スタジアムということで、ピッチにとても近く。
それでなくとも、国内最大級にスタンドとの距離が離れている県総のことを思えば。
『ホームクラブとして』ピッチで躍動する選手たちを応援する経験・・・やはり、特別なものがありました。
このところ、悪天候との戦いでもあったアウェイ戦が続きましたが。今節のアウェイ・・・もといホーム戦は、雨や風を気にすることなく臨める良コンディションとなりました。
それでも、日が差しているときには暖かでも、陰になるとさすがに寒く。そりゃそうか、11月30日ともなれば。
とはいえ。
気象条件そのものには問題がない以上、慣れないピッチであろうが、ホーム最終戦。勝たねばなりませんでした。
ガンバ大阪U23、セレッソ大阪U23にしてもそうでしたが。個々の能力が高い選手が多い印象は、やはり今節のFC東京U23もまた同じでした。
現在リーグトップの17得点、前回対戦でしてやられたFW原 大智の存在感は、やはり大きく。
そして、あるいは同等以上に目を惹いたのがMF紺野 和也。
上背はないながらも、その切れ味鋭いドリブルでガツガツと攻め込んでくる姿は、脅威そのもの。
特別指定選手としてプレーしており、来季の加入が決まっているのだとか。その所属が法政大学。
同じく法政大学からは、来シーズンカターレにも2名の加入が既に発表されていますが。
元カターレ選手としておなじみの法政大・長山監督・・・その名が、また上がることになるのかと。
ともあれ。
なかなか主導権を奪うに至らず、均衡した状態が続き。いつもの自分たちのペースで試合を進行するパターンには、どうにも持ち込めませんでした。
お互いにチャンスは作りつつも得点にまでは至ない。油断のならない展開が続きました。
じりじりとした展開の中、0-0での折り返しも視野に入ってきていた44分。
CKのチャンスから、柳下がドンピシャのヘッド!見事に決めて、先制ゴールを挙げることに成功しました。
練習からやっていたかたちとのことですが、それを大事な場面で見事に決めて。
なかなか得点のにおいというものがないなかでも、それでも!と決めてみせた価値あるゴール。勝利に向けて、しっかりと前進したのでした。
リードして迎えた後半ですが、油断禁物であったのは言うまでもなく。
前回対戦にしても、先制ゴールを挙げながらも追いつかれてしまい、ドロー決着。それを繰り返すわけにはいかない。
それでなくとも、能力の高い選手が揃ったFC東京U23。
下手に守勢に回ってしまったのでは、隙を突かれて失点、というパターンも充分にありえたのだから。
集中を切らさず守りきること。そして攻めの気持ちもしっかり持って、追加点で突き放すこと。
勝利に向けて、油断のならない展開が続きました。
そして。
70分、待望の追加点が。
中盤での競り合いからボールを奪うと、碓井が中央を攻め上がり。途中出場の高橋にパス、そのリターンを受け、そのままシュート!見事に決めて、今シーズン初ゴールとなる得点を挙げたのでした。
奇しくも、碓井も高橋も元長野の選手。かつてホームスタジアムとしてプレーしていたピッチ、Uスタジアムで魅せたゴール。なんとも感慨深いものが。
さらに勝利を近づけることに成功。今シーズン2得点以上上げた試合は全勝というジンクスを全うすべく。そして、前節に続いて無失点で抑えるべく。集中したプレーが求められました。
そんななかで、きちんとやるべきことをやり遂げて。
3分あったアディショナルタイムもしっかりとしのぎきり。
試合終了。見事、2-0で勝利をおさめ、ホーム最終戦を白星で飾ったのでした。
普通でない、特別な状況での試合でしたが。
それでも、遠く長野まで駆け付け、勝利を信じて応援したファン・サポーター。その心意気に、見事に勝利で応えた選手たち。
昇格は成し遂げられずとも、消化試合になどしないーーー勝利に向けて懸命にプレーする選手たちの姿に、ファン・サポーターも心を打たれたことかと。
そんな、双方の絆が深まったような試合でした。
シーズンも、いよいよ残り1試合。
最後の最後まで、しっかり応援する。プレーをしかと目に焼き付ける。
そんな決意とともに、『ホームスタジアム』を後にしたのでした。