いよいよ今シーズン最後の戦い。
悲願であるJ2昇格は成し遂げられなかったけれど、それでも。
過去の右肩下がりの結果に終わってしまったシーズンとは違い、J2昇格を、J3優勝を目標に掲げても名目倒れとは言わせない戦いをしてきたという、自負。
それを、この最終戦も勝つことで、確かなものとせねば。
アウェイの愛鷹広域公園多目的競技場で対戦するは、アスルクラロ沼津。2017年の初対戦以来、1分け4敗と未勝利。かなり分の悪い相手です。
4連敗のあと、今季のホーム戦でやっとそれをストップする引き分け。内容としては、相手を圧倒するシュートを放ちながら勝ち切れずにドロー決着という、なにか、今シーズンの至らない部分を象徴するような試合でした。
J参入初年度の2017年、いきなり最終節まで優勝を争うなど実力を見せてきた沼津。
しかしながら、今シーズンはなかなか振るわず、最終節を残した現時点で12位。11勝6分け16敗と負けが先行してしまっています。
とはいうものの。
カターレがJ2にいた時分からおなじみ、岐阜や岡山などでプレーしていた染矢 一樹。前所属の相模原時代から輝きを放ち、今も沼津の中心的選手である普光院 誠。ガイナーレ鳥取時代から幾度もカターレの前に立ちふさがってきたベテラン・尾崎 瑛一郎などなど。侮れないどころか、要警戒という選手が揃っている沼津。
正直なところ、12位という戦績が意外とも思えますが。
なかなか思うようにいかないJ3の難しさーーーいや、それは他ならぬカターレがよくわかっていることではなかったか?
思うようにいかないシーズンではあったでしょうが、それでも、ホームでの今季最終戦。必勝を期して待ち受けていることは間違いなく。
それ以上に、沼津にとっては特別な試合。
JFL時代を含め5年間指揮を執ってきた吉田 謙監督が今シーズンをもって退任。今節がラストゲームとなるだけに、勝って有終の美を飾り送り出そう!と、沼津一丸となって試合に臨むことは確実でしょう。
しかしながら。
相手にどういう事情があろうが、それはそれ。勝ちを譲る理由には当たりません。
それでなくとも、いまだ勝ち星のない相手。全力でもって打ち砕かねばならない。そんな気概でもって挑むからには、咬ませ犬になどなるわけにはいきません。
去りゆく者のために勝って有終の美を飾りたい、というのであれば。監督退任というわけではないにしろ、カターレとて事情は同じ。
前節終了からの1週間で、代、才藤、太田、谷奥の契約満了が発表されました。
いずれも、これまでチームを支えてくれていた印象深い選手たち。プロサッカークラブの宿命とはいえ、やはりさみしさも。
今節が、今季ここまで戦ってきたメンバーで挑む最後の戦い。同じメンバーで公式戦を戦う機会は、もう無いわけで。
勝たねばならない理由しかありません。
今節、期待したいのは白石。
元沼津の選手であり、プロのキャリアをスタートさせた地での試合は、やはり特別なものであろうと。
そのキャリアのスタート時に薫陶を受けた吉田監督の退任に対しても、勝って恩返しをしたいという思いもあろうかと。
現在所属するのは、J2昇格を見据えるクラブ・カターレ富山。その中心選手として活躍する白石 智之の姿を、愛鷹のピッチで存分に見せつけねば。
前所属クラブである岩手との対戦で魅せたのと同様に、勝手知ったるスタジアムで躍動する姿を、ぜひとも。
勝ち切る強さが足りなかったことが昇格を逃してしまった要因ですが。
ならばこそ。
それを、そのままに終わるなんてことになれば、後味が悪いどころではなく。
今シーズンの戦いは終わりますが、それでも。カターレの挑戦は続いいていくのだから。
これまでの総括と同時に、未来につながるような、そんな一戦。それを、勝利でもって飾らねば。
沼津戦初勝利に向けて、乾坤一擲!
有終の美は、待っていても掴めない。奪い取れ!!!
勝たれ!!!富山!!!!!