2-3で敗戦。
試合後、敗れて神妙な面持ちでスタジアムを回る選手たちに、ブーイングはありませんでした。
昇格の可能性が消滅寸前、ただでさえ後がない状況での敗戦。そのごくわずかな可能性すらも、実現が非現実的だと断ぜざるを得ない、ただの数字となり果てたなかで。
もちろん、あからさまにやる気のないプレーぶりであったなら、ブーイングも有り得たかとは思います。例えば、リスクを極端に恐れて攻勢に出られずパス回しに終始、とか。
そうではなかった。選手たちそれぞれ、懸命にプレーしていたと思います。最後の笛が鳴るまで、走り続けていたと思います。
ただ、結果が伴わなかった。
チカラが及ばなかったという、事実。それを認めるのは、とてもつらいことですが。
シーズン最終盤にあって、怪我人が相次ぐ事態。前節の負傷退場で、メンバーに松本とガブの名は無く。
前節は出場のなかった柴田やがスタメン復帰となるなかで、目を惹いたのが今瀬のスタメン入り。このところずっとメンバー外が続いていたところ、7月のホーム八戸戦以来となる出場であったとか。
総力戦の体制で、誰が出場するかに関わらず、勝つしかない。連敗阻止、そしてホームで勝つ気概を見せねばなりませんでした。
ただ・・・思いとは裏腹に。
試合を優位に進めるにあたっての良い時間帯・前半17分で、先制を許してしまうことに。
ピッチ中央でのパスミスから突破を許し、最後はゴール隅に落ち着いて蹴り込まれ。
もちろん、今治も富山対策としてスカウティングをしてきたことでしょう。
つまりは、「裏を狙う動き、縦への変化に脆い弱点があるから、それを突け」と。
それをまんまと実行される、相手にとってはしてやったりの展開でリードを奪われることになったのでした。
確かに、大きな痛手。けれど、そこでうつむくことなく反撃の機会をうかがいつづけたカターレ。
それが実ったのが、34分でした。
CKのチャンスから林堂が頭で合わせ、競り合いでこぼれたところを押し込んだのは今瀬!久々の出場に気合も入っていたであろう彼が、起用に応えて大きな仕事をやってのけました。
試合を振り出しに戻すことに成功し、さぁここから!というなかで。
プレー中、安藤のユニフォームが破れ、スタッフがロッカールームに走って替えを取りに行くという事態に。
カターレの初年度から見続けてるけれど、こんなことは初めてであり。なにか、スタジアムも微妙な雰囲気に包まれた感がありましたが。
そのリスタートのFKからでした。
ペナルティーエリア内でボールを受けようとした松岡に相手選手が足を振り上げ、PKに。
ことPK判定においては、「これがホントに?」という微妙なものも少なからずあるなかで。今回に関しては、松岡の肩付近まで足を上げて蹴るようなかたちであって、「そりゃそうだろ」としか。
キッカーは、吉平。
相手GKを意識せずに蹴ったというボールは、読みが当たっていたとしても獲れなかっただろうという勢いで突き刺さり、見事に成功。
前半のうちに逆転、勝利への道筋をつけたカターレ。
ただ、今治も負けられないのは同じで。
前半終了間際の45分、今度は今治の側がCKからのボールを押し込むかたちでゴール。2-2の同点となってしまったのでした。
さすがに、一筋縄ではいかない。
勝負の後半、押し気味に、優位に進めていたのはカターレのほうでした。
ボールの回り、パス精度ともに前半のそれよりも改善が見られ、スムーズさが増していたのが見てとれて。
ただ・・・そんななかでも、決定的なプレー、すなわちゴールまではむすびつかない。
すると。
76分、シュートをブロックしたこぼれ球がちょうど中川 風希の前へとこぼれ、それを蹴り込まれて失点。勝ち越しを許してしまうことに。
なんというか・・・ジンクスというかセオリー通りというのは、こういうことかと。
サッカー界隈でよく言われるところの、「決めるべき時に決めきれないと、そのうち手痛いしっぺ返しをくらうことになる」という、そのまんまのことが。
痛恨というよりほかない逆転ゴール。しかも、前回対戦でもやられた中川にまたしても決められてしまうという追加ダメージつきで。
その後、気力を振り絞って同点・逆転を狙うカターレであったものの、守備の強度と集中力を増した今治を、ついに崩せず。
そして、タイムアップ。
落としてはならない試合を落とし、3連敗。そして、今治戦2連敗で、今シーズン初の同カード負け越し確定。言葉に出来ない無念さがにじむ結果となってしまったのでした。
急逝した工藤 壮人選手への思いを胸に団結した宮崎が、優勝を確定せんと乗り込んできたいわきを返り討ちにしたとか。
敗色濃厚であった2位・藤枝が、試合終了間際に追いついて勝ち点1をもぎとったとか。
信州ダービーを制した松本が3位浮上、愛媛に敗れた鹿児島が4位に転落したとか。
各地で様々なドラマがあったなかで・・・。
今治に5位の座を取って代わられ、6位に転落したカターレ。
他力本願どころではない、ほぼ実現が不可能に近い、数字だけの可能性になってしまった昇格への道。
小田切体制になってから、3連勝の後3連敗。
様々な意味で、苦しいです。
それでも。
逃げるわけにはいきません。目を背けるわけにはいきません。
どのような結果となるにせよ。
「3位も最下位も同じ」という極論もありますが・・・ここまで頑張ってきたカターレが、無価値であろうはずがない。あってたまるか!
勝利を信じ、応援を続けるのみです。
残り3試合、まだシーズンは終わってはいないのだから。