J1からJ3まで各カテゴリが20クラブになる、これまでJ1のみであったルヴァンカップが全60クラブ参加、そしてJ3にも昇格プレーオフが導入されるなどなど。昨シーズンにまでと比べ、いろいろと変更点もあるなか、いつもよりも早い2月開幕となるJ3の新年度・2024シーズン。
昨シーズン、最終戦でYS横浜に勝利をおさめながらも、最後の最後で得失点差のみの決着で昇格を逃したカターレ。
そして今。悔しさを忘れることなく、今度こそはという強い気持ちで迎える新シーズンの開幕で対戦するは、やはりYS横浜。
昨シーズンの無念を晴らし、今シーズンこそは昇格の悲願成就を成し遂げるべく。
カターレ富山の新たなる戦いが、幕を開けます。
昨年末に新シーズンの開幕カードが発表された際、正直な印象が、「またかよ」でした。
近年では、2020年には新型コロナの影響でスケジュールが組み替えられたながらも、第2節・アウェイ開幕戦で対戦。翌2021年はアウェイでシーズン開幕戦。2022年こそ違ったものの、昨シーズン・2023年も同じくアウェイでシーズン開幕。そして今年・2024シーズンもまた、2年連続で同カード開幕と。しかも、昨シーズンのホームでの最終戦から続けて対戦、というおまけつきで。
「またかよ」ではありますが・・・いや、「また」であるからこそ。
今回もまた、同じとせねばなりません。
これまで同様に、カターレの勝利による開幕とせねば。新シーズンにあっても、それは変わりません。
これまでであれば、毎年のように前年活躍した選手が他クラブに引き抜かれ、大幅にメンバー変更して新シーズンに臨むこととなる、というパターンを繰り返してきたYS横浜。かく言うカターレも、かつてYS横浜から音泉(現八戸)を獲得、開幕戦で恩返しゴールの勝利、という年もあったくらいで。
しかし、そんなパターンに今シーズンは当てはまらないようで。
昨シーズン途中に就任し、今シーズンも続投となる倉貫監督のもとで、継続路線を採ることに。これまでらしからぬ、と言えるほど、出入りの少なさではリーグ最少レベルでは?という程度に変化を留めており。昨季からの積み重ねを活かすスタイルで2024シーズンに臨むようです。
その意味においては、小田切監督が続投、選手を入れ替えつつも骨格となる部分は継続というカターレとは、似た感じと言えるかもしれません。
どちらのクラブが、より継続性を勝利につなげられるのか?
新監督で基礎から作り上げるクラブに比べて、開幕時点での完成度が高いであろうことは想像に難くなく。より完成度の高さを発揮できるのはどちらか?という戦いを制し、勝利という結果につなげねばなりません。
前回対戦は、記憶にも新しい昨シーズン最終戦。ホームで対戦し、試合終了間際にPKで決勝点、劇的な逆転勝利を飾った試合でした。
ただ、それも言い変えるならば、それだけ苦戦を強いられた試合でもあったということ。
開始から10分もしないうちに先制点を献上してしまい。どうにか前半終了間際に追いつくことは出来たものの、一気に勝ち越しとはならず、なかなか次の1点が入りませんでした。
最終的には執念で決勝ゴールをもぎ取ったものの・・・足元の技術、ボール回し、相手にとって嫌なところを突くしたたかさなど、倉貫監督の目指すスタイルというものを発揮されていたからこその、苦戦。それが今シーズンも継続、さらに磨きがかかっているとなれば、ゆめゆめ油断することなど出来ず、簡単にはいかない試合となるのではなかろうかと。
昨シーズンからの継続と言えば、元カターレのストライカー・萱沼 優聖が今シーズンもYS横浜でプレー。かつて八戸時代に手痛い恩返しゴールをくらって逆転負け、なんて試合もあっただけに。さらに、最近第一子誕生というおめでたい情報も公開され。さらに気合の入った状態で心身ともに充実しているであろう彼には、やはり警戒を厳とせねばならぬであろうと。
前週のゴーゴーカレースタジアムオープニングマッチで金沢を相手に4得点を奪う完勝、その勢いをリーグ開幕戦にもつなげたいカターレ。
設立初年度以来でJ3がほぼ初めてに近かった、新監督の招聘もあってチームの仕上がり具合で後れを取ることとなった、など。金沢の側にも事情があったであろうし、こけら落としの試合で大敗という結果はいただけないにせよ、それだけを理由に完勝を慢心の理由としてはならないのですが。むしろ、4点どころかもっと出来たであろうこと、無失点に抑えられなかったことなどを反省し、改善につなげねばならないところ。金沢に勝ったからリーグ戦も大丈夫、なんて短絡思考は捨てるべきで。
それでも。
自信と慢心は違いますが、得られた手応えを本番たるリーグ戦にしっかりとフィードバックせねばならないことは確か。
相手のYS横浜にしても、金沢に4得点完勝という情報は当然のように把握しているはず。特に得点を挙げて結果を残してみせたショウセイと松本のFWツートップには、警戒を厳としてくることでしょう。それでもなお、相手を圧倒するだけの力を発揮できるかどうか。金沢が弱かったからではない、カターレが強かったから大勝したーーーそれが事実であること、リーグ戦においても他クラブからの脅威になり得るクラブであると、証明するための戦いとも言えます。
カターレが目指すのは優勝、そしてJ2昇格。その覚悟が確かなものであることを、まずはこの緒戦を制すことで示さねば。昨シーズンの昇格寸前という結果がまぐれでもなんでもなく、今シーズンも優勝候補に間違いないことを、実力をもって誇示していかねばなりません。
期待したい選手は、田川。
昨シーズンに続き、2年連続でアウェイYS横浜戦でシーズン開幕ーーーこの事実に関して、チーム内でも一層感慨深く臨むことになるのが彼ではなかろうかと。
昨シーズンは開幕直前になってカターレ入り。そこから正GKに抜擢され、開幕戦のYS横浜戦でJデビュー戦を迎えることになりました。
いかにプロ選手とて、練習試合とはわけの違う実戦・リーグ出場に対し、不安も緊張もあったとて無理ないこと。逆に、あって当然だったでしょう。
あれから、ちょうど1年。
昨シーズンの同カードでは、デビュー戦が所属元・横浜Fマリノスでも慣れ親しんだニッパツ三ツ沢での試合。そこに感慨もあったことでしょうけれど。
今年は、1年実績を積み重ねてきたカターレの守護神として臨む試合。同じスタジアムでの試合でも、臨む姿勢には大きな違いがあることかと。
昨シーズン最終戦のあとには、昇格を逃すことになった無念から、悔し涙もみせた田川。そこからの、決意の期限付き移籍延長。まさに、覚悟が違います。
それを証明せねばならない、この開幕戦。
もちろん、狙うはクリーンシートでの勝利。覚悟を力に変えて、是非とも達成してほしいです。
金沢戦で出色の出来を見せた2トップに期待したいのは、言うまでもないとして。
攻撃陣では、秋田から新加入の井上 直輝に期待したいです。
プロ加入初年度となった2020年、開幕戦で途中出場してプロデビューを果たすと、いきなりゴールを挙げてプロ初得点。その得点もあって開幕戦を完勝した秋田が第1節にして首位に立つと、そこから快進撃。無敗のままに優勝を決めて、結局1度たりとも首位の座を譲らないシーズンとしたのでした。
今シーズンはその年以来のJ3に挑むこととなる井上ですが、だからこそ。
今シーズンもまた開幕戦を制することで、「1位しか知らない男」を継続するくらいでなければと。
前日の試合の結果、大宮と岐阜がぞれぞれ4-1と大勝しています。それを上回っての首位奪取は、なかなか簡単なことではありませんが。
それでも。
金沢戦の出来がマグレなどではなく実力あってのものならば。それを上回ることも、非現実的なこととは言い切れないでしょう。
もちろん、YS横浜も簡単な相手ではない。昨シーズンの苦戦を見ても。
けれど、だからこそ。その簡単ではない相手を乗り越えてこそ、優勝への道が拓けるならば。狙っていかない理由などありません。
そのためにも。無敗優勝を知る井上に、その再現を、それを超えるくらいの活躍を、この開幕戦から見せてほしいです。
昇格を、J2復帰を逃し続けたなかで早10年目となるカターレ。
けれども。
得失点差で届かなかった無念を知る今シーズンは、覚悟が違います。
その覚悟を示すべく挑む、開幕戦。
油断も慢心もなく、ただひたすらに、求めるものは勝利のみ。
J3在籍期間と同じだけ対戦を重ねてきたYS横浜。
対戦成績ではわずか1敗、アウェイでは負けなしという圧倒的戦績ですが・・・かつて2度も3点差をひっくり返す逆転勝利など、神がかり的なところがあってのもの。決して、苦戦することなく楽勝だったわけではありません。
それでも。
今シーズンも、勝たねばならないことにはなんの変わりもなく。アウェイ無敗を継続し、開幕ダッシュの起点とせねばならないことには、変わりないのです。
初っ端から躓くわけにはいかない。
必ずや、勝つ!!!
優勝への覚悟を示し、必勝の気概を結果につなげろ!!!
またも開幕YS横浜戦、またもカターレ富山の勝利ーーー優勝への第一歩、アウェイでの不敗記録を堅持したままに、勝ち逃げを!
強いカターレを、みせつけろ!!!
勝たれ!!!富山!!!!!