大人になっても面白い昔話。子供のころ聞いたはずなのに、改めて面白いと思う。
この本には江戸時代からの絵が紹介されていて、改めて真意や深いところ、不思議な感覚がわいてくる。
そして、突っ込みもしたくなる。
異常な生誕をした、桃太郎ーーおばあさんの包丁の刃先が入る前に、桃が割れたのか、包丁の刃は食い込んだのか、ここで桃太郎が血を流して生まれたらやばい。
かぐや姫ーー桃太郎と同様、おじいさんはうまく竹を切ったけれど、疑問が残る。お爺さんは竹が光っているのを、小判が光って竹の節の間にあると思わなかったか。まさか、姫がそこにいるとは。
舌切り雀のおばあさんは、おじいさんと夫婦なのに、なぜ悪いおばあさんと呼ばれるのか。のりを舐めた雀をおじいさんはなぜ異様に可愛がっていたのか?洗濯用の糊を全部舐めたら怒るでしょ。これって、雀ってもしかして、若い女ではないか。
かちかち山のたぬきは、なんだかかわいそうになってくる。背中を焼かれて、とうがらしを塗られて、あんまりな仕打ちに、子供たちにはどう説明すればよいのか。
浦島太郎などは、亀に竜宮まで乗せてもらっている間、酸素ボンベは必要なかったのか。息苦しい。で、乙姫様は、なぜ浦島太郎は悪いことをしたわけではないのに、玉手箱を渡したのか。時を忘れるほど竜宮にいた浦島太郎は、何か悪いことを乙姫にしたのか。
突っ込んではいけない。しかし、勧善懲悪なら辻褄が合わないではないか。
でも、子供のころわくわくした。童話や昔話は、なぜか引き込まれる。細かい辻褄などどうでもよいのである。
その話の流れと、登場する人物や動物に魅力があるんだろうと思う。
一寸法師は、打ち出の小づちで大きくなるとき、どうして服まで大きくなるのか?