『 家庭の経済力が、子どもの学力格差や進学に影響している」と感じる学級担任は8割――日本教職員組合は、3月10日、こんな調査結果を公表した。「影響がある」と答えた教員の比率が大きい都道府県ほど、昨年実施された全国学力調査の平均正答率が低い傾向にあったという。 調査は昨年9~12月、35都道府県の小中高の学級担任3913人から回答を得た。結果によると、「家庭の経済力が学力に影響している」と感じる教員は、小学校81%、中学校84%、高校87%で、学校段階が上がるに連れて高くなった。 都道府県によって回答数が異なるため単純比較はできないが、「経済力が影響している」と思う教員は、沖縄や大阪、北海道など、全国学力調査の平均正答率が低かった地域で多く、秋田や福井など平均正答率が高い地域では少なかった。 調査では、給食費や修学旅行費、副教材費などの未払い実態も聞いた。「未払いがある」46%、「ない」51%、「不明」3%。未払いへの対応を複数回答で聞いたところ、「そのままにしている」58%、「立て替える」30%、「その子は修学旅行や遠足に参加しない」11%だった。 日教組は「所得格差があっても、公教育に影響が出ない条件整備が必要」と訴えている。』アサヒコム。
この調査を読みまして、「2006年1月3日の朝日新聞の第一面の記事に『公立小中学校で文房具代や給食費、修学旅行費などの援助を受ける児童・生徒数が2004年度までの4年間に4割近く増え、受給率4割を超える自治体も有ることが、朝日新聞調査で分った。」の記事を読み直しました。記事によりますと大阪府と東京都は4人1人、全国平均でも一割強に上ると書かれていた。家庭の経済力が子供の学力格差や進学に影響していることも事実です。経済によって教育は影響を受けると言う事は、教育行政の常識です。今の日本には、社会的格差の是正が必要で、給食費の未納問題で子供達に給食ストッブの処分をしても解決しないと思います。私は反対で、子供達の人権を尊重する立場からです。学校では,生徒と先生との人権を尊重するのは常識です。誰が解決するのですか。私は、不正や不正義を黙認したり、見逃せとは言っていません。正しい事実確認をしてから、法律的な適用を考えないと事実誤認に成ると思っています。正当な事由が有るのに処罰してはいけない場合も有ります。教育現場に居ないと家庭の事情も分らないでしょう。本当に事実関係が明らかでない場合疑わしきは、罰せずの余裕も時には必要でしょう。給食費未納問題の2005年の文部科学省の全国調査で、保護者の姿勢を問題にしたのが60パーセント、保護者の経済的な問題が約33・1バーセントと見ている。この問題の難しさがあると思います。経済的に恵まれ余裕があって給食費を支払わない保護者は別ですが。朝食も食べて学校に来ない子供達も多いのでは有りませんか。子供が悪いとは言えません。記事によりますと「足立区内のある小学校では、修学旅行費や給食費を保護者が目的外に使わないように校長管理の口座に直接振り込んでいると言われていますし、就学受給率が7割達した小学校では、6年生を担当する先生が、鉛筆の束と消しゴム、白紙の紙を持参して授業を始める。クラスに数人いるノートや鉛筆を持ってこない児童に渡すためだ。卒業文集を制作するため、クラスの児童に『将来の夢』を作文させようとしたが三分の一の子供が何も書けなかった。『自分が成長してどんな大人になりたいのか、イメージ出来ない』のだと言う。」又この新聞記事によりますと『足立区内の公立中学校では、私立高校への併願する生徒が減り、部活でそろいの上着を購入しようとすると、『必ず俺は要らない』と言う子供がいる。「3,4時間目に来て給食を食べて、又居なくなる子がいる」と50代の教員は話した。』と書かれています。一ヶ月の塾費用に何万円も支払える経済的に恵まれた家庭の子供達も居れば、学用品や給食費の補助を受けている経済的に恵まれていない家庭の子供達も増えている現実を直視すべきです。この問題 解決には、格差の是正が必要です。戦前の貧しくて、食べ物も着るものも無く苦労した子供達の時代と変わらないと思いました。いつの時代も子供が辛い思いをしていると感じました。お金持ちで、経済的に恵まれた家庭に育ったお坊ちゃまのインテリには、社会的弱者や経済的に困窮している家庭の子供達に対する、元自由民主党衆議院議員で幹事長の野中公務氏の言われた「社会的弱者に暖かいまなざし。」を求めても無駄かも分りません。お坊ちゃまに今の日本の現実を直視するように言って理解出来ないと思います。経済的に恵まれない家庭の子供達を区別したりするのは、教育的差別でしか有りません。人の痛みの分らない知識人が多くなったのかも分りません。弱肉強食・適者生存の競争社会に勝ち残った人達は、強者の経済的に恵まれたお金のある人達の側に立つて考えるでしょうが。時代の長者、六本木ヒルズの住人も歴史の教えどおり、平家物語の「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響き有り」の盛者必衰では有りませんか。経済的に恵まれない家庭の子供達や貧乏人を蔑視しても、いつまでも人間一生、人生の勝ち組で居られるとは限りません。法曹界の花形でした弁護士も合格者多数で、法科大学院の設立による弁護士過剰時代で軒先弁護士の時代です。昔の居候(いそべん)弁護士より、事務所に入れず待遇の悪い「のきべん」の増加です。このような結果になることはとうの昔にわかっていた筈です。頭か良くても人間性の無い弁護士に頼んでは裁判は勝てませんし、依頼者も居なくなるでしょうね。日本の構造不況中で、リストラや中小企業倒産、廃業、給与水準の低下も原因として挙げられ、地方と大都市の地域格差、所得格差が拡大している今日、法律や規則の適用だけで解決すると思うのは、今の日本の経済状況を正し見据えていないと思います。弱きを助け強気をくじく、男立てが求められます。日常生活の身近なところに目を向けますと小売業者やスーバーマーケットの経営者は、日々大変な思いをされているのが良く分ります。原油高で、薄利多売の経営の難しさに直面していますね。