田中法務大臣の後任人事には驚いた。
わずか3週間ほど前の改造内閣人事で年齢を理由に法務大臣を辞退し
た滝実元法務大臣が再登板したからだ。
しかし私がもっと驚いたのは拉致担当大臣に藤村官房長官が兼務した
ことだ。
前の田中慶秋という政治家がおよそ拉致問題に無力であることは明ら
かであったが、この藤村修という政治家もまた何の力もない。
野田政権の嘘と弁解を国民に垂れ流してきただけの忠実な野田首相の
側近というだけだ。
おまけにその身代わり役でこれからますます忙しくなるという藤村
官房長官に拉致問題の解決を任せるという。
これでは当面は拉致問題に取り組む余裕はありませんと言っているよ
うなものだ。
拉致被害者家族ならずとも怒らずにはいられないだろう。
しかし私がこのメルマガで書くことはそのことではない。
野田、玄葉、藤村民主党政権が言いなりになっている拉致問題解決
についての外務省の無能さ、無責任ぶりについてである。
私は繰り返し書いてきた。
金正恩体制になった今こそ、日本政府が試みる価値のある方策は故
金正日総書記の専属料理人であった藤本健二氏をパイプ役とした金
正恩新指導者との直接交渉であると。
そして、それを拉致問題担当の大臣である松原前国家公安委員長が行
なおうとしていたことが後日の報道で明らかにされた。
しかしその試みは二元外交と批判され、潰された事もまた報道で明ら
かにされた。
外務官僚とその操り人形のような玄葉外相が野田首相を動かし潰した
のだ。やがて松原大臣は内閣改造人事で外される。
この外務省の画策の具体的な証拠を私は発売中の週刊現代11月3日
号で知った。
すなわち週刊現代は「霞ヶ関24時」という連載コラムで次のように
書いている。
内閣府には拉致問題対策本部が設置されている。その事務局長代理の
三谷秀史(警察庁出身)チームが藤本氏の第一回目の訪朝をお膳立てし、
藤本氏が金正恩第一書記と面会した時の言葉を日本語とハングル語で書
いて藤本氏に話させたというのだ。
藤本氏と金正恩第一書記の第一回目の面会がここまで内閣によって準
備されていたとは驚きだ。
問題はその後である。
これが明らかにされるや、自らの手で拉致問題を解決したい外務省は
強烈に反発し、巻き返しに出る。
それが朝日新聞にリークしてスクープさせた松原大臣の二元外交批判
であり、野田首相を通じた松原、藤本潰しであったというわけだ。
そしてその後の展開は見事に拉致問題解決の道が頓挫してしまった・・・
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