6/18(月) 12:44配信 産経新聞
大阪北部地震 倒壊ブロック塀で女児犠牲…ジャッキ使っても上がらず、周囲に血だまり
塀が倒壊した高槻市立寿栄小学校=18日午前10時50分、大阪府高槻市(沢野貴信撮影)
大きな揺れが、都市機能を一瞬で混乱に陥れた。大阪府北部を震源に、最大震度6弱を観測した18日朝の地震。各地で建物倒壊や火災が起き、死者やけが人も相次いでいる。消防には、エレベーターに閉じ込められた人からの救助要請が殺到。週明けの都心を襲った災害の全貌はいまだ明らかにならず、自治体や警察は情報収集に追われた。
【写真で見る】 プール横の塀が広範囲にわたって倒壊した寿栄小学校の現場
「壁が崩れて、女の子が下敷きになった」
大阪府高槻市栄町の市立寿栄小学校。大きな揺れが収まった直後、門の前にいた警備員の男性(70)のもとに児童が駆け寄り、こう告げた。
同小のプール沿いに設置された高さ約2メートルのブロック塀が崩れ、通学中の女児(9)が巻き添えになっていた。男性は近くの住人らと協力して何とか塀を持ち上げようとしたが、最初はびくともしなかった。通りかかったトラックの運転手がジャッキを使って上げようとしたが、それでも上がらなかった。
消防が来て、ようやく救助された女児の周囲には血だまりができ、呼びかけにも応じることができなかったという。
「運転再開のめどが立っていません。余震の恐れがあるので、身の安全を確保してください」
JR大阪駅の改札付近では、男性職員が繰り返しこう呼びかけ、構内ではサラリーマンや学生らが壁や柱のそばに疲れた表情で座り込み、スマートフォンで地震のニュースを確認したり、会社や家族に無事を連絡したりしていた。
阪急梅田駅から大学に向かおうとしていた兵庫県姫路市の大学生、圓尾海さん(20)は「地震が起きたときは飲食店で食事をしていたが、驚いて声が出なかった。SNS(会員制交流サイト)で午前中の授業が休講になったと聞いた。自宅に戻ろうにも、JRが止まって帰れない」と話した。
駅構内で座り込み、友人らと学校の宿題をしていた高校3年の女子生徒(18)=兵庫県西宮市=は「今日は休校になった。電車が止まってどうしようもないので友達と合流した」と不安そうな表情で語った。
新幹線もストップした。JR新大阪駅では、身動きが取れなくなった旅行客らが、地震の被害を伝えるテレビの生中継映像を食い入るように見つめた。
千葉県白子町の無職男性(71)は「1時間以上前から座り込んでいる。いつ再開するのか全く分からない以上、待ち続けるしかない」とため息をついた。