世界的な「文系の算数」の潮流をどう読むか
(ベネッセ 教育情報サイト) 00:00
2018年の入試では、「受験日の新設」と「算数一科目入試」が目立ちました。来年もこの流れは続きそうです。背景にはどんなことがあるのか、森上教育研究所がお伝えします。
増加傾向にある「算数一科目入試」
今年の受験で目立った特徴は、「受験日の新設」と「算数一科目入試の新設」です。
神奈川県の男子校、例えば、鎌倉学園は従来2月2日に実施していた一次入試を2月1日午前に新設、桐蔭学園は、2月1日午後の入試を新設しました。
また、女子校では、来年は香蘭女学校が2日午後に第2回入試を新設。大妻中学校が2月5日に第4回入試を新設することを発表しました。
さらに、品川女子学院や晃華学園など、算数の一科目入試を実施する学校が増加。
世田谷学園が2月1日に算数一科目の午後入試を新設、攻玉社中学校は従来の算数一科目入試・国語一科目入試を、算数一科目入試のみに絞ることがわかっています。
算数の一科目入試は、全体的に非常に難化の傾向があり、4科目受験の偏差値よりは2〜3ポイント高いことがほとんどです。これは、相当難しい入試といえますから、算数が得意な子にとっては、学校選びの選択肢が増える一方、「算数一科目で受けられるから便利」と思って受験すると、ハードルの高さに苦戦する可能性も出てきます。
世界的な潮流を迎えた「文系の数学」
今までも中学受験は、算数のウェイトが大きい入試でしたが、最近、改めて算数にスポットライトが当てられています。高校入試で英語のウェイトが高いのと同様で、学校側としては、中学入試で算数ができるお子さまを入学させられると、進学実績がよくなるという意図があるというのは確かです。
それとは別に、これからの時代は、数学的思考をもとに論理的に物事を判断できるようになることを目指すという世界的な潮流があり、それに対応できるような進路選択の自由を確保する目的があるからです。いわゆる「文系」に進路選択をする際も、無関係な話ではなく、世の中全体で、数学的な思考力が必要とされる場面が増えていくということです。いわば、「文系の数学」として、文系科目にも数学的要素の導入を目指し、入試科目や指導の中にも取り入れたいという考えが、中学入試にも当てはまるというわけです。』,
少子化による18才人口減少で、中高一貫校も今後生き残りを掛けた競争が、熾烈になると思います。難関国立大学に合格者を多数出す為には、数学の出来る生徒を集める必要性があり、中学入試の段階で、算数の出来る子供達を入学させることが大切になって来ていると思います。文科系で有っても大学入試センター試験には、数学の試験科目が有りますし、二次試験も有るからです。難関国公立大学の文系入試を睨んだ先取りです。数学の現実的な日本の大学入試での大切さでは有りませんか。