加藤勝信が刑事告発?<本澤二郎の「日本の風景」(4648)

<義父・六月は安倍晋太郎のお庭番=当人は晋三の最側近=出来るか>

 立憲民主党の井坂信彦が厚労委の質問で、厚労相の加藤勝信が、統一教会が41年の間に745組の養子縁組をした違法行為に「刑事告発も念頭に対応したい」と、やや前向きな答弁をして注目を集めている。昨日のことだ。

 「加藤答弁?ホントかな」と首をかしげる向きが少なくない。というのも、加藤は派閥は異なるが、安倍晋三の最側近で知られる。義父の六月と晋三の父・晋太郎は一枚岩といわれるほど深く結びついていた。六月夫人は、晋三の母親・洋子夫人と大の仲良し。したがって娘婿の勝信の人事は、洋子夫人のもとで具体化してきたといわれるほどだ。

 それほど安倍家と加藤家の結びつきは深く長い。従って統一教会との関係も深いと見られている。いわば身内のような統一教会を、加藤が刑事告発することが出来るのか。

 当事者を抜きにした婚姻は、人権侵害どころではない。私財略奪のみならず、悪魔のカルト教団に支配されてきたような安倍・清和会と、継承する岸田・自民党に国民は、このことにも驚愕するばかりだ。刑事告発が法の立場であろう。加藤の政治家としての真価が問われる場面だ。注視していきたい。

 

<統一教会被害者救済弁護団=日本の本部は当事者能力なし=虚しさ>

(週刊ポスト)教団は紀藤正樹・弁護士らのメディアでの発言に損害賠償を求める名誉毀損訴訟を起こした。代表世話人の山口広・弁護士が語る。「こうした抗議のようなものは統一教会からは適宜来ています。われわれも統一教会に申し入れなどを行なってきましたが、馬の耳に念仏という感じです。そもそも日本の統一教会は、韓国の本部に支配されています。だから日本の統一教会が攻められても、韓国からすればエバ国家(※注)にある下部組織の問題に過ぎない。【※注/旧統一教会の教義では、韓国を「アダム国家」、日本を「エバ国家」と呼び、エバはアダムを堕落させたから「エバ国家」である日本は「アダム国家」韓国に侍らなければならないとしている】 田中富広・会長、勅使河原秀行・本部長も傀儡に過ぎず、本音で何も話しません。日本の統一教会にいくらアピールをしても伝わらないのは虚しさすら覚えます」

 統一教会の違法伝道と対決してきた弁護団の怒りの叫びを週刊誌が取り上げている。深刻な課題は、弁護団がいくら東京の本部と掛け合っても、彼らには当事者能力がないため、糠に釘なのだ。東京本部はソウルの指示で行動しているためである。これをカバーするのが、ソウルの日本新聞の特派員団の仕事だが、彼らは無頓着を決め込んでいる。

 宗教組織は軍隊組織がまかり通っている特殊な世界だ。ソウルの指示は絶対的で、それ以外の機関に権限はない。法曹関係者は、刑事告発を連発して法務検察を動かせばいいのだが、国際勝共連合の暴力を恐れているのかどうか。ロッキード事件の田中角栄は、5億円で逮捕された。外為法違反だ。法務検察が高みの見物をしているような場面ではないだろう。おたおたしている政府に右ナラエしているようで、余りにも無様すぎよう。

<正体隠しの違法伝道に正面からの規制不可欠!>(毎日)世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題の被害者救済を図る新法案などは、8日に衆院消費者問題特別委員会と衆院本会議で採決され、8日中に衆院を通過する見通しとなった。与野党が7日、採決の日程について合意した。7日は特別委員会で参考人の意見陳述と質疑が実施され、全国霊感商法対策弁護士連絡会事務局長の川井康雄弁護士は「正体隠しの違法な伝道活動への正面からの規制が立法されるべきだ」と主張した。

 おかしな動きが出てきた。またしても立憲民主党だ。政府案に賛成してしまった。何かが起きている。断るまでもなく統一教会の個人資産の略奪行為は、正体隠しの違法伝道に起因する。これは既に司法の確立した判断となっている。違法伝道による財産略奪行為は、違法であって信教の自由とは関係がなく、許容することはできない。この点も法務検察の出番であろう。

公明党創価学会の被害者救済法案介入・暗躍は本当か>

 救済弁護団の主張が新法の核心でなければ、何のための新法なのか。参院審議では、甘い規定の政府案の全面的な改正が求められている。臥龍点睛を欠くような代物であれば、この6か月の間の天地を覆いそうな大騒動は何だったのか。宗教法人法からの排除は、オウム真理教のその後の動向を見れば明白である。ほとぼりが冷めるのを待っているだけだろう。

 

 そこであやふやな政府法案の犯人に、またしても公明党創価学会の横やり説が指摘されている。山口那津男らの歯切れの悪さや、沈黙の様子からも、その指摘は事実かもしれない。安倍晋三内閣下に戦争党に変身したことも踏まえると怪しい。「信濃町の不可解な行動などから判断すると、救済法案に悪い意味での圧力をかけた可能性を否定出来ない」というのだ。

 「12月は信濃町の大掛かりな金集めの季節。例年に比べると、少なくなっているという。実際はどうか」と外野席の関心も高い。いえることは、始まった統一地方選挙の最大の焦点に統一教会がらみの問題が浮上することだ。高市発言をネットで紹介した統一教会地方県議は公認されていない」というが、北海道や千葉県八千代市でも統一教会にのめり込んでいる自公議員がいる。

 

 統一教会問題は、既に公明党創価学会の莫大な金集め作戦にも影響を与えている。人の噂も75日というが、安倍・清和会と統一教会の関係はそうはいかないだろう。

2022年12月8日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)