教育カウンセラーの独り言

今起こっている日本の教育の諸問題と受験競争の低年齢化している実態を見据えます。

万博水上アクセス実現に高い波 採算面ネック、富裕層取り込みカギ

2023年07月31日 16時44分17秒 | ニュース

万博水上アクセス実現に高い波 採算面ネック、富裕層取り込みカギ

産経新聞

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万博水上アクセス実現に高い波 採算面ネック、富裕層取り込みカギ

2025年大阪・関西万博に向けて、来場者を会場の人工島・夢洲(大阪市此花区)に運ぶ水上航路を整備する動きがある。経済団体や自治体は「水都・大阪」をアピールする機会として期待し、万博のレガシー(遺産)として閉幕後は西日本一円の水上交通ネットワークを形成する構想もある。まずは万博での成功が不可欠だが、採算面などから実現の難しさも指摘されており、富裕層の取り込みがカギを握りそうだ。

■IR視野に街づくり

「船の乗り場がある中之島(大阪市)のテラスで朝食を取り、周囲に手を振ってもらいながら出航。1時間半かけて昼前に万博会場に到着して場内を楽しみ、夜は鉄道かバスで市内に戻ってもらう」

19日、船舶や観光の事業者を対象に開かれた水上航路の説明会。万博の運営主体、日本国際博覧会協会(万博協会)の淡中泰雄交通部長は、試乗経験をもとに万博会場を船で訪れる人の行動イメージを語った。

夢洲の船の受け入れ態勢も整える予定で、北岸に大阪港湾局がすでに設置している小型船(全長40メートルまで、乗客150人程度まで)用の桟橋に加え、万博協会が中型船(全長50メートルまで、乗客400人程度まで)の桟橋を需要に応じて最大2つ新設する。船で夢洲に到着した来場者は、約2キロ離れた会場入り口まで、シャトルバスで約10分かけて向かうことになる。

帰路について、協会が鉄道やバスを想定しているのは、桟橋の運用を「日没まで」としているためだ。夜間も運用するには安全に作業ができる強力な照明が必要となるが、協会は万博開催の半年間のために設置するのはコストに見合わないとして見送る方針を示す。

中型船用桟橋は万博開催期間の暫定的な運用になるが、小型船用は恒久的な施設としている。夢洲ではIR(カジノを含む統合型リゾート施設)が設置される予定があることから、港湾局の担当者は「万博後の街づくりを見据えて、北岸は有望なアクセス拠点になると考えている」と話す。

■実現に採算の壁

万博開催期間中の想定来場者は約2820万人で、1日あたり最大20万人超を見込む。協会は、地下鉄とJR、阪神高速「淀川左岸線」の3つを会場への主要経路と位置付けており、5月に示した「来場者輸送具体方針」には水上航路も記しているが、来場者輸送全体に占める割合はごくわずかとみている。

運航団体が存在することなどを根拠に、協会が水上航路として示しているのは、いずれも夢洲とを結ぶ①神戸港・神戸空港②淡路島(兵庫県)③大阪市中心部からと、④夢洲発着の大阪湾遊覧-となっている。⑤堺旧港⑥淀川から夢洲のルートは①~④に比べると実現性が落ちるとみている。

インバウンド(訪日外国人客)を取り込むため関西国際空港-夢洲ルートも検討されてきたが、協会関係者は「やろうと言っている人(自治体や事業者)がいないので、かなり実現性は低い」と明かす。他のルートについても「確定するのは事業者が見つかったとき」という状況だ。

19日の水上航路の説明会にはオンラインも含めて270人以上が参加し、事業者の関心の高さがうかがえたが、参入のハードルは高い。協会も「出航時間を決めた万博期間中の定期運航は、採算ベースでは不可能に近いと事業者から聞いている」としており、旅行会社がツアーを組むなどの観光商品として売り出すことを期待している。

協会の淡中氏は「他の観光地とのセットとし、船はチャーター便として不定期運航でやるのが現実的な運航への近道であり、答えだと見えてきた」と語る。

■西日本一円でネット構築

それでも経済団体や自治体も協力して水上航路の整備を進めるのは、海に囲まれた万博会場の立地を生かした観光商品開発や、万博後を見据えた航路開拓、西日本一円の水上交通ネットワーク構築といった狙いがあるためだ。

大阪商工会議所は6月、大阪府市や関西経済連合会などとともに、政府に対し水上航路実現に向けた要望活動を実施。大商の玉川弘子地域振興部長は「万博を誘致したのは、開催後の地域発展につなげるためだ。水都・大阪で万博を契機に航路の整備が進み、水上交通が盛んになるのが望ましい姿」と話す。

一方で大阪府は、大阪市内を流れる安治川左岸(同市西区)に、万博の水上航路での活用も視野に入れた船着き場「中之島GATEサウスピア」の整備を進めている。府は6月、管理運営やにぎわい施設の整備などを行う民間事業者の優先交渉権者に、神奈川県のマリーナ運営事業者を公募で選定したと発表。府の担当者は「川船と海船を乗り換える水上交通の結節点になる。建物にはレストランやグランピング施設も入る予定だ」と話す。

地元経済団体や府市は、令和12年の実現目標として、夢洲から瀬戸内海や太平洋を通って、中四国や九州を結ぶ関西・西日本エリアの水上交通ネットワーク構築を目指すとしている。

実現に向けた一歩として、万博での水上航路を成功させる必要がある。日本総合研究所関西経済研究センターの藤山光雄副所長は、海外の富裕層を取り込むことが重要との認識を示し、「サービスや乗り心地などで質の高い船を用意できれば、富裕層向けの観光ルートとして高価格で売り出すことができるのでは」と推測。その上で「インバウンド需要をうまく取り込むため、より付加価値の高いものを相応の価格で提供していく姿勢が欠かせない」と指摘している。(井上浩平)

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https://youtu.be/870mG8mHyIg

2023年07月31日 16時39分14秒 | デジタル・インターネット

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「家族と同居」より「独居老人」のほうが幸せなうえボケない…和田秀樹「老後の"住まい"の最終結論」

2023年07月31日 16時08分34秒 | 健康・病気

「家族と同居」より「独居老人」のほうが幸せなうえボケない…和田秀樹「老後の"住まい"の最終結論」

プレジデントオンライン

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「家族と同居」より「独居老人」のほうが幸せなうえボケない…和田秀樹「老後の"住まい"の最終結論」
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/RelaxFoto.de

高齢者が健康に暮らすには、どんな生活スタイルがいいか。医師の和田秀樹さんは「家族と暮らせない老後は可哀想という固定観念は捨てるべきだ。高齢者の独り暮らしには、自分に居心地のいい空間をつくりあげ、近所の人と交流しながら暮らせるというメリットがある。そのうえ独り暮らしの高齢者のほうが認知症になりにくいし、進行も遅い」という――。

【写真】和田秀樹氏の著書『頭がいい人、悪い人の健康法』(PHP研究所)
 ※本稿は、和田秀樹『頭がいい人、悪い人の健康法』(PHP研究所)の一部を再編集したものです。

■薬を飲まないと本当に病気になるのか

 たとえば、血圧が高い患者さんに、医師はよくこんな言い方で薬を飲ませようとします。

 「ちゃんと薬を飲まないと脳卒中になるよ。脳卒中で死ぬよ」
「飲んでたら大丈夫だからね」

 脅したりなだめたりしながら、きちんと服用させようとするのですが、こうした言葉にどのくらい意味があるのでしょうか。

 アメリカで、血圧が160mmHgくらいで、薬を飲んだ人と飲まない人を集めて6年後の状態を調べた有名な研究があります。かなり大規模な調査で、エビデンスのしっかりした研究とされるものです。

 これによると、薬を飲まない人は10パーセントが脳卒中になっていましたが、飲んだ人では6パーセントでした。この数字から「有効である」とされたわけですが、医師がもし、「飲まないと脳卒中になるよ」と言っていたとしましょう。

 薬を飲まない人の90パーセントは、脳卒中になっていないことになります。飲まずに脳卒中になった10パーセントの人は、運が悪かった人といえそうです。

 薬を飲むと、94パーセントは脳卒中にならないですみ、かかった人は6パーセントに減っていますが、薬を飲んでも脳卒中になって、もっと運の悪い人が6パーセントもいるのです。

 飲まなくても90パーセントの人が脳卒中になっていないのですから、「飲まなかったら脳卒中になるよ」というのは詐欺商法に近いといってもいいでしょう。また、飲んでいても6パーセントは脳卒中になるのですから、「飲んでいたら大丈夫」と言うのも同じく詐欺的といえるでしょう。

 このくらいの数字で「有効である」と効果が認められているわけで、「薬を飲まず、かつ運の悪い人」との差がもっと小さい薬はいくらでもあります。

 医師の“脅し”を鵜呑みにする必要はありません。そもそも薬は、体調をよくするために飲むものです。異常となった検査数値を正常に戻すために飲むものではありません。

 処方された薬で、だるさやめまいといった症状があったら、遠慮せずに、医師にはっきり伝えましょう。

■検査データの「異常」の意味を知っておこう

 健康診断や人間ドックの検査データには、基準値に正常とされる幅があり、「基準範囲」と呼ばれます。この基準範囲は、1000人とか1万人とかの健常者の検査数値で、「分布の中央95パーセント区間」という意味です。

 したがって、健康であっても5パーセントの人は、この基準範囲から外れることになります。外れているからといって異常とはいえません。

 いわば、あるグループの身長データを見て、95パーセントから外れる人――たとえば、身長178センチメートル以上と、167センチメートル以下は異常といっているようなものです。検査データを判読するための目安にはなりますが、正常か異常かを判別することはできないのです。

 95パーセントの人を「正常」とし、そこから高すぎたり、低すぎたりして外れた5パーセントを「異常」とした統計値にすぎません。つまり、最大で、健康な100人のうち5人が「異常」となるわけです。

 また、もともと健常者を集めた検査です。「異常」でも病気ではありません。しかも、若い人のデータがもとになっているので、高齢者は含まれていません。高齢者の場合は、基準範囲からズレてくるのが当たり前です。

 統計的な意味を考える「頭がいい人」は、数値に一喜一憂することはなさそうです。

 でも、「頭が悪い人」は、範囲に収まってさえいれば健康にお墨付きが出たと考えて暴飲暴食をしたり、外れていれば必要以上に心配して、数値を正常にするために薬を飲んだりしがちです。

 どんな薬でも、体に影響を与えるので、ある臓器の数値がよくなったからといって、健康になるとはかぎりません。検査データの異常が持つ意味を正しく知っておかないと、無用の薬を飲んでかえって健康を損なうことになりかねません。

■独り暮らしだからといって孤独とはかぎらない

 どんなものにもメリットとデメリットがあるので、それぞれの確率を考えて判断することになります。端的なのは、薬を飲むか、飲まないかを考えるときです。たとえば、副作用の確率が3パーセントといわれたとしましょう。

 服用したことで、いまかかっている病気が悪化する確率とか、死亡率がどのくらい下がるのかを知りたくなりますよね。病気予防のための薬なら、発症の確率がどのくらい下がるのかが問題でしょう。当然、メリットとデメリットをそれぞれの確率から判断するはずです。

 先述した血圧の薬を例に、脳卒中になる確率は、飲まなかった場合は10パーセントだったものが、飲んだら6パーセントに下がるとしましょう。もし、副作用が表れる確率が20パーセントあったとしたら、飲んだほうが損だと考えられるでしょう。

 家族についても、メリットばかりではありません。大家族で孫に囲まれて暮らすのが幸せというイメージを持つ人も多いかと思いますが、高齢者の自殺率は、独り暮らしの高齢者よりも、家族と同居する高齢者のほうが高いことが知られています。

 また、福島県の調査では、独り暮らしの高齢者の自殺者は全体の5パーセント以下にすぎず、ほとんどが家族と同居していたことが明らかになっています。

 その理由について、「介護や看護をさせて申し訳ない」「家族に迷惑をかけて心苦しい」といった心理状態なのではないかと推察されます。

 独り暮らしの孤独からうつになる人はいるし、自殺する人もたしかにいます。でも、独り暮らしだからといって孤独とはかぎりません。自分にとって居心地のいい空間をつくりあげ、近所の人と交流しながら暮らすのは、それはそれで満ち足りた毎日だといえます。

 独り暮らしの高齢者のほうが認知症になりにくいし、進行も遅いのです。現代では、むしろ理想的な姿なのかもしれません。家族と暮らせない老後は可哀想という固定観念は捨てましょう。家族との同居こそ、デメリットになっている場合があるのです。

■殺人事件1000件中5%は介護がきっかけ

 在宅介護をしている家族にアンケートをとると、30~35パーセントくらいの人が「虐待をした経験がある」と答えています。具体的にどんなレベルの虐待なのかは不明ですが、言葉による虐待、叩く、つねるといったことが多いように思われます。

 いまや、同じことを施設で行えばニュースになって、激しく批判されることは確実です。それが家庭内ではかなりの頻度で起こっているわけです。

 人間は心理的に疲弊すると、どんな行動をするかわかりません。

 実際、“介護殺人”は、年間におよそ50件も起こっているのです。統計上、日本では殺人事件が年間1000件を下回っているので、その5パーセントは介護がきっかけになっているのです。

 いまだに高齢者を施設に入れることに対して、ひどく罪悪観を持つ人がいますが、自分を責める必要はないように思います。単純なイメージでは独り暮らし=孤独で、子供や孫などの親族と離れて暮らすのは不幸に見えるかもしれませんが、同居のほうがかえって不幸だったりするわけです。

 イメージではなく、数字で見て、同居と独り暮らしのどちらがいいかの判断が求められています。高齢者はどちらが幸福になれるか、確率から考えてほしいと思います。

■後戻りができないと思い込みは頭を固くする

 いま、日本では、お産で妊産婦が亡くなることはごく稀まれなことです。2020年の出産10万例あたりの妊産婦死亡率は2.8でした。この数字はきわめて低いだけに、妊産婦が死亡すると産婦人科医が訴えられるようになりました。

 とはいえ、1960年代までは妊産婦死亡率は100を超えており、お産は命がけでした。不幸なことですが、いまでもゼロにはならず、一定の確率で妊産婦の死亡は起こっています。お産に関していえば、やはり一定の確率で障害児も生まれているのです。

 確率は低いけれども、ゼロではないことはたくさんあります。たとえば、街を歩いていて車に轢かれて死ぬ確率は、相当低いけれどもゼロではありません。

 ただ、そんなことは起こらないと思っているから、高齢者が運転して死亡事故を起こすと大騒ぎをするのです。

 運転者が誰であろうが、統計上、日本では1日に約10人が交通事故で亡くなっている(2021年調べ)のです。都合の悪いことは起こらないと考えていると、リスクの確率を考えたうえでものごとを決定することができません。

 当然、リスクへの対策も立てていないので、想定外のことが起こるとパニックになってしまいます。東日本大震災における東京電力の原発事故も、今回のコロナ禍も、そうした思考が背景にありました。

 別の言い方をすると、これは日本人にありがちな「頭の固さ」そのものです。日本の場合、いったん決定したらなかなか変更しないし、変更したらもとに戻れないという感覚が強すぎるように思います。

 政策でも何でも、ダメだったら戻ることができるという思考回路があればこそ、試行錯誤できるはずなのに、そう思えないから改革が進まないというところもあるのではないでしょうか。

 うまくいかなかったら、柔軟にやり直せばいいのです。少なくともいったん決めたことはずっと守りつづけないといけないという意固地さや、逆に、いったん変えたら後戻りができないと思い込む柔軟性を欠いた発想は、「頭がいい人」の頭を確実に悪くします。

 確率の考え方を取り入れると、ものごとは起こるときには起こるのです。リスクに対処することも必要だし、想定外のことが起こったとき、柔軟に対処することも織り込んでおくという姿勢を、「頭がいい人」に勧めたいのです。



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和田 秀樹(わだ・ひでき)
精神科医
1960年、大阪市生まれ。精神科医。東京大学医学部卒。ルネクリニック東京院院長、一橋大学経済学部・東京医科歯科大学非常勤講師。2022年3月発売の『80歳の壁』が2022年トーハン・日販年間総合ベストセラー1位に。メルマガ 和田秀樹の「テレビでもラジオでも言えないわたしの本音」
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精神科医 和田 秀樹

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jlj0011のblog 本澤二郎の「日本の風景」(4881)

2023年07月31日 11時02分44秒 | ニュース

jlj0011のblog

本澤二郎の「日本の風景」(4881)
2023/07/31 05:191
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本澤二郎の「日本の風景」(4881)

<野党大攻勢の好機到来=木原事件とマイナンバー首輪43兆円>より、転載させて頂きま

 もの凄い熱波に地球が焼け焦げている。地球が悲鳴を上げているというのに北半球の一角で陣地争奪戦争を起こし、超大国同士が角突き合わせている。北極も南極の氷も溶けて人の住み家を沈没させているというのに、特権層・死の商人の野望は尽きない。


 目を日本界に転じると、野党は久しく縁がなかった「真夏の夜の夢」が現実化する好機を迎えている。岸田首相の参謀・改憲軍拡の作戦本部長の木原誠二の、身内がらみの殺人もみ消し事件が発覚した。Youtube動画やネットで大炎上している。うろたえる木原もみじめったしいが、銀座豪遊の自業自得か、岸田内閣崩壊の兆しもみえる。

 炎は国会での国政調査権行使で、燎原の火のように列島を覆いつくすだろう。それだけではない。43兆円戦争準備に合わせたマイナンバーという、全国民に首輪をかける自民党防衛族の赤紙作戦。国民の自由を拘束する、露骨すぎる人権侵害に人びとは怯えている。おまけが「産めよ増やせよ」作戦に女性もイラついている。


 野党攻勢如何で、国民の9割近くが反自公になるだろう。自民党は最悪の政治環境だ。野党一本化で政権交代も可能だろう。無党派層が目を覚ます政治材料でもある。


<小沢一郎の党利排除した野党一本化で自公維撃破>

 いち早く行動を起こした小沢一郎の最後の戦いとなる。組織の共産党と立憲民主党有志を束ね、社民と山本太郎の破壊力でもって、木原事件・マイナ首輪人権侵害問題・43兆円戦争準備作戦を撃破するのである。

 野党一本化作戦を、各戸チラシ配布や関係全議員の駅頭その他の街頭演説会を、全国津々浦々で連日、執拗に実施することで、無党派層を掘り起こしてゆく。無党派層を投票所に向かわせることが出来れば、ほぼ100%近い確率で自公体制、ないしは自公維体制を押しつぶせるだろう。


 夢ではない!立て、立て!毒の熱気を吹き飛ばせ!


<二階・菅どうした!木原事件の真相明かせ>

 昨日、初めて木原事件関連で、捜査を担当した佐藤誠元警部補の記者会見を、途中まで見た。彼は現場の捜査官としての意地を見せてくれた。露木という警察庁長官の「自殺」という大嘘発言に怒りの記者会見をしたのである。その勇気に乾杯したい。

 「自殺の証拠はない」と断言して、露木に反論した。「内部告発は公務員の義務であって責任は問われない」との意気込みを感じさせた。


 世上、警察員の違法行為は、やくざと癒着する日本警察、特に千葉県警・木更津署に目立っていることに辟易していた矢先だったので、元刑事の勇気ある真相発言に感動してしまった。「佐藤誠を国会に出してはどうか」との声が聞こえてきそうである。


 佐藤発言の中で、彼が捜査中「上司から木原誠二の任意の取り調べについて、幹事長の二階がやれと言ってくれている」という事実も打ち明けた。これはすごい発言内容である。

 木原スキャンダルが、自民党幹事長の耳に入っていたのだ。しかも、二階は「取り調べに応じろ」とおそらく警視庁捜査1課長側に伝えていた。ということは、官房長官の菅義偉も、当時の首相・安倍晋三も承知していたことになろう。当然、この事件は派閥の大将である岸田文雄の耳にも届いていた。

 岸田はその危険人物を内閣の要に据えた!「人のうわさも75日」と考えていたのか。軽率すぎる人事だ。


<取り調べにランク付けは法の精神から許されない=木原事件の謎>

 佐藤証言に「やくざのような人物は即座に逮捕できるが、天皇など地位のあるものはそうもいかない」というような趣旨もあった。ここは問題だ。首相だろうが、最高裁判事であろうが、国会議長であろうが、事件性のある疑惑捜査に差別は許されない。そのおかげで木原は免れたものか。

 警察教育に問題がある。法は何人に対しても平等でなければならない。結局のところ、木原は取り調べを受けなかった。ロッキード事件では、元首相の田中角栄が逮捕された。五輪疑惑で元首相の森喜朗も取り調べを受けている。なぜ木原は取り調べを受けなかったのか。

 まだ、この事件には謎がある。この文春の事件報道は、他の特ダネ記事に比べて抜きんでている。国政調査権の出番だ。政権交代の可能性が間違いなく生まれてきている。

2023年7月31日記(政治評論家・日本記者クラブ会員)


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大阪万国博覧会は、なぜ成功したのか ~ 予算と工期がきっちり(中村智彦) - 個人 - Yahoo!ニュース

2023年07月31日 10時45分47秒 | ニュース

大阪万国博覧会は、なぜ成功したのか ~ 予算と工期がきっちり(中村智彦) - 個人 - Yahoo!ニュース


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太陽の塔ばかりがクローズアップされるが・・・(画像撮影・筆者)

・大阪万博を成功に導いたのは・・・

 1970年の大阪万国博覧会を支えた人たちと言うと、堺屋太一氏、岡本太郎氏、磯崎新氏、丹下健三氏といった面々が取り上げられるが、もちろん彼らだけではない。

 1964年、東京オリンピックが開催された年、「万国博を考える会」というのが立ち上がった。政府の組織でもなければ、開催に関わる広告代理店やシンクタンクなどが主催したものではない。

・民間の自主的な集まり「万国博を考える会」

 1964年7月、大阪生まれで大阪に在住していたSF作家である小松左京氏は、京都の旅館に呼び出された。

「顔ぶれは、当時大阪市立大学の助教授だった梅棹忠夫氏、京都大学人文研の加藤秀俊氏、それに当時、大阪朝日放送の出版課長で「放送朝日」の編集長だったN氏、同じく当時、朝日放送の営業にいたY氏だった。」(小松左京、「やぶれかぶれ青春記」、旺文社、1975年。)

 これがきっかけとなり、小松左京氏に加え、梅棹忠夫氏(人類学者)、大谷幸夫氏(建築家)、大原総一郎氏(実業家、大原美術館理事長)、加藤秀俊氏(社会学者)、手塚治虫氏(漫画家)、星新一氏(SF作家)、真鍋博氏(イラストレーター)など、当時新進気鋭の人々が集まって、「万国博を考える会」が開催された。今から見ても、世界的にも知名度が高く、非常に豪華な顔ぶれだ。

 彼らが自主的に集まったというのは驚きだが、それだけ当時、「万国博覧会」が社会、経済、文化に大きな影響を及ぼすものとして評価されていた。さらに1960年代には大阪の出版界、新聞界、テレビ界などが東京に伍する力があり、さらに大学研究者、作家、実業家、文化人など幅広く、層の厚い民間人材が関西地方に存在していたことが判る。

・世界各国に40名ほどの若い研究者を派遣して展示品を収集

 1965年に博覧会国際事務局(BIE)が日本での万国博覧会開催を正式決定した。政府は、財団法人日本万国博覧会協会を設立させ、開催準備を本格化させる。

 非公式かつ民間の自主的な集まりであった「万国博を考える会」は、次第に万博のテーマを決める委員会の人事に大きく影響を及ぼすようになる。

 岡本太郎氏の「太陽の塔」を支え、反対する当時の通商産業省と対峙したのも、この「万国博を考える会」のメンバーたちだった。岡本太郎氏は、「芸術は爆発だ」という言葉で知られる芸術家であるが、同時に文化人類学・民族学学者でもある。

 「太陽の塔」は、その巨大さと外観にばかり注目が集まるが、実は万博開催時のテーマ展示として地階の展示に岡本氏に加え、「万国博を考える会」のメンバーたちが力を注ぎ、展示品を収集するために、世界各国に40名ほどの若い研究者を派遣している。現在の国立民族博物館は、この時に収集したコレクションを基にしているのだ。

 さらに、このテーマ展示に関しては、日本館を重視する通商産業省が、それ以上に目立つものを作るために予算を割くことを嫌い、大幅な予算削減を突き付けてきたものを、「万国博を考える会」のメンバーたちが中心となり、粘り強く交渉を続けたことが、小松左京氏の残した資料から判っている。(小松左京ライブラリ「EXPO‘70「万国博を考える会」幻の資料紹介より)

大阪万国博覧会当時に建設されたインフラは、その後も形を変えつつ利用されている(画像・撮影筆者)
大阪万国博覧会当時に建設されたインフラは、その後も形を変えつつ利用されている(画像・撮影筆者)

・成功の理由は「予算がきっちりあったこと」、「工程管理が非常に正確だったこと」

 さて、通商産業省側のトップが、堺屋太一(池口小太郎)氏だった。堺屋氏は、1979年に出版された「私の関西経済論」(関西経済センター編、1979年)の中で、大阪万博が成功した理由として、次のように述べている。

 「まず第一に、予算がきっちり合いました。」

 「会期は条約によって180日に決まっているということだけである。それでいくらかかるという金額を出せというのですから、かなりムリな話である。仕方がないから無茶苦茶にでっち上げる。」

 「私達は529億円という数字を出しました。人を信用させるにはなるべく端数がついていた方がいい。」

 「結局、529億円というのはわかったということになると、今度は収入を詰める。補助金が292億円要る。そういうふうな数字で始めたわけです。ところができ上がりは528億8,400万円でできた。誤差率はものすごく少ない。」

 こうした予算を管理できた理由として、堺屋氏は自身が導入した「プロデューサー組織の効果」である自画自賛している。確かに1960年代後半から、日本でもインフレ率が高くなり、物価が上昇する中で、計画通りに予算を収めたことは特筆に値するだろう。

1960年代後半は、日本でも消費者物価の上昇が進んだ。
1960年代後半は、日本でも消費者物価の上昇が進んだ。

 もちろん、この「プロデューサー組織の効果」も大きいが、先に述べた「万国博を考える会」のような民間組織が、早くから予算を試算したり、官である万博協会と繰り返し交渉するなどしたことも大きく影響したこともある。

 堺屋氏は、さらに3つの理由を挙げている。まず、開会までの時間つまり工期の正確さだとしている。

 (これまでの他国での万博では)「開会式後一週間ぐらい経ったら全部揃うというのが普通ですが、日本の場合は、開会の52時間前に全部完成しました」とし、そのために開会前に各国大使やマスコミ関係者を招待することができたと述べている。

 さらに、会期中に事故が少なかったことを次に挙げ、最後に「何より大事なことですが、大変儲かりました」と収益性の高さを指摘している。

 会期中の入場者は、想定の3,000万人を大きく超し、6,400人となり、入場料収入は大幅に増加した。さらに、会場内での物販も大きく伸び、販売手数料収入(5%)も予想を大きく超した。結果的に、これらの「儲け」は174億円と、当初予想を大きく上回った。

 つまり、堺屋氏は、大阪万国博覧会の成功の理由を、厳格な「予算管理」、正確な「工程管理」、「安全管理」そして、「収益性の確保」にあったとしているのだ。

・社会情勢も追い風

 もちろん、当時の社会情勢も成功を支えた。当時のことを知るある企業の元経営幹部は、筆者に「当時は、関西の企業の多くがオーナー経営であり、株主の目を気にすることもなく、金も出しやすかった。さらにこれから海外に輸出をしようという意欲にあふれていた。国内外に自社のブランド、製品をPRするのに、万国博覧会は大きなチャンスとして捉えていた」と話した。

 それだけではなく、日本の人口が急増した時期であり、経済活動も活発だった。

 新幹線の新大阪駅から万博会場への輸送を担っていた北大阪急行電鉄は、一夜にして行き先を千里中央駅に変え、千里ニュータウンからの通勤通学輸送を担うことになった。つまり、大阪万博のために作られたインフラの多くは、急増する人口を吸収するために開発された千里ニュータウンのインフラとして転用することが可能だったのだ。

1970年の大阪万国博覧会は、大阪府の人口の急増期に開催された。
1970年の大阪万国博覧会は、大阪府の人口の急増期に開催された。

・大阪万博は、トラウマ? 成功体験?

 大阪万博によって、大阪には関連事業費約1兆円(うち政府投資6,300億円)が投じられ、道路、鉄道などのインフラ整備が進んだ。大阪や京都、神戸などにもホテルの新設、増設が進み、日本中から観光客が押し寄せた。万博で紹介された海外製の新たな食品や家電機器なども人気となり、消費ブームは、百貨店や商店街などに好景気をもたらした。

 しかし、大阪万博以降、関西経済は衰退の一途を辿ることになる。1973年に第1次オイルショック、1978年には第2次オイルショックが始まり、石油価格高騰し、日本経済は悪化する。

 さらに日米貿易摩擦によって、大阪の主力産業だった繊維産業の急速な衰退が起きる。また、新幹線の延伸や国内航空路の拡充などにより、大阪は西日本の中核都市、集散地としての地位を低下させていった。

 「大阪万博は関西にとってトラウマ」という意見と、「大阪万博当時は関西経済が華やかな時代だった」という意見が混在するのは、華やかな万博当時の思い出と、その後の不景気と関西経済の衰退による「一人負け」状態があるからだろう。

 「日本万国博覧会は非常にうまくいったと思います」と言う堺屋氏だが、「いわゆる文化とか産業とかいわれるものはあまり残りませんでした。少なくとも開催地に強烈に残ったという印象はありません。これは諸外国の開催して万国博覧会に比べても、大変な違いです」と不満を述べている。(「私の関西経済論」関西経済センター編、1979年。)

 いずれにしても、層が厚く豊かな民間人材によるアイデア、官僚の管理、そして時代背景が、1970年の大阪万博の成功に繋がったことは間違いない。

 1970年の大阪万博の評価は、それぞれだとしても、成功の要因については、1970年大阪万博と、現在とを、比較、検討することも大切ではないか。

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万博整備費「いっぱいいっぱい」 資材高騰で強まる増額懸念

2023年07月31日 07時55分54秒 | ニュース

万博整備費「いっぱいいっぱい」 資材高騰で強まる増額懸念

産経新聞

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万博整備費「いっぱいいっぱい」 資材高騰で強まる増額懸念

2025年大阪・関西万博で海外パビリオンの建設準備遅れの一因となっている資材価格の高騰や人手不足の影響は、自治体や企業が出展する国内パビリオンや会場整備事業にも波及している。これまでに入札のやり直しや建設費の上振れが相次ぎ、建設に必要な大阪市への許可申請は28日時点で、国内パビリオン計25施設のうち9件にとどまる。今から申請しても着工は9月下旬以降の見通しで、会場整備費の増額や完成遅れへの懸念は強まっている。

【イメージ】大阪・関西万博の会場マップと主な注目パビリオン
日本国際博覧会協会(万博協会)の石毛博行事務総長は今月28日、大阪の経済団体トップと面談し、国と大阪府市、経済界で3分の1ずつ負担する会場整備費計1850億円について「人件費と資材費の高騰などでいっぱいいっぱいだ」と説明した。石毛氏は、企業による拠出金を確実に集めるよう改めて依頼したという。

苦しい状況の中、入札不成立が相次いでいるのが、各界の著名人がプロデュースし、万博協会が発注する「テーマ館」だ。

8施設のうち、万博協会発注の6施設は資材高騰に施工の難しさが重なり、最初の入札では参加者がなかったり、予定価格内での応札がなかったりした。うち5施設は再入札で契約が成立し、落札価格は当初の予定価格より計13億4千万円上昇。上振れ分はプロデューサーが独自に募る協賛金で賄われる。

契約が成立していない1施設は3回目の入札が行われ、29日時点で結果は公表されていない。残る2施設は「現物協賛」として協賛企業が建設して提供する。

民間パビリオンはパナソニックホールディングス(HD)やNTT、吉本興業HDなど計13の企業・団体が出展する。

大阪府市と経済界が出展する地元館「大阪ヘルスケアパビリオン」も建設費が当初予定から25億円増の99億円に。外観デザインの簡素化や安価な素材への変更などを余儀なくされた。

パビリオン以外の大催事場や迎賓館などでも、入札の不成立や建設費の上振れが発生。会場内のインフラ整備工事では契約額を見直す「スライド条項」の適用が相次いでいる。(山本考志、井上浩平)

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老いを恐れる人ほど短命に? 「ジェロントフォビア」の罠

2023年07月31日 06時12分20秒 | 健康・病気

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老いを恐れる人ほど短命に? 「ジェロントフォビア」の罠

西川敦子・フリーライター
 
 
 
 

 加齢を怖がる人ほど老化が加速しやすく、寿命も短くなる――。こんなショッキングな研究結果があることをご存じでしょうか。それには、ある「偏見」が関係しているといいます。

若返り願望に潜む落とし穴

 若々しくありたいという思いは、シニア世代共通の願いだろう。だが、過剰に老化を気にしていると意外な落とし穴にはまるリスクもある。

 「じつは若い頃から老いを恐れている人ほど短命であることが、国内外の研究からわかっています」

 こう話すのは、日本学術振興会特別研究員(神戸大学所属)の竹内真純さんだ。

 米エール大学公衆衛生大学院のベッカ・R・レビー教授らの研究によれば、老化に対してネガティブな感情を持つ高齢者は、血圧や心拍数が上がったり、急性心筋梗塞(こうそく)からの回復率が低下したりすることなどがわかっている。

 メンタル面でもストレスや孤独を感じやすくなり、記憶力をつかさどる海馬が縮小して認知症リスクも高まるそうだ。さらに、病気からの回復が遅れやすい。その結果、寿命が短くなってしまうという。

 では、老いを恐れる人々がかえって老化を加速させてしまうのは、いったいなぜなのだろう。

 「性差別や人種差別と違い、高齢者に対する差別や偏見は、年をかさねると“自分事”になってしまうからでは」と竹内さん。

 「能力が低くなる」「忘れっぽくなる」「性的な能力や魅力が失われる」「孤独で不幸になる」「人生において最悪の年代だ」。人々が抱きがちな高齢期に対する偏見は、若い頃であれば対岸の火事だ。

 だが年をとれば、偏見はそっくり自分自身に向けられることになる。そうなれば人生に対する満足度は低下し、自信も失われる。恐れや不安は年齢をかさねるほど募るはずだ。慢性的なストレスから健康が損なわれてしまうのもうなずける。

 老いに対する恐れや嫌悪を「ジェロントフォビア(Gerontophobia)」と呼ぶが、まさに、老後の健康と幸せを阻む“心の悪玉菌”といえるだろう。

 実際、老いに対して前向きな人はそうでない人に比べ、平均で7.5年ほど寿命が長いことが、同じくレビー教授らの研究でわかっている。それだけではない。入浴や歩行といった生活機能が低下するスピードも遅く、重度の障害から回復する人の割合が高いことも明らかとなった

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なぜヒトは老化? 小林武彦・東大教授(生物学)が語る「老いと死」 人間だけにあるシニアの価値 注目の連載 

2023年07月31日 04時03分15秒 | 健康・病気

なぜヒトは老化? 小林武彦・東大教授(生物学)が語る「老いと死」 人間だけにあるシニアの価値

" インタビューに答える小林武彦東大教授=東京都文京区で2023年6月30日、手塚耕一郎撮影</picture>
インタビューに答える小林武彦東大教授=東京都文京区で2023年6月30日、手塚耕一郎撮影

 美容業界は、若さが第一。アンチエイジングがたけなわだ。老いなんて、忌み嫌われてしまう時代だが、そもそも野生動物は老いないって話、知ってました? 老化は人間だけが得た特権なんです、と言うのは、生物学が専門の小林武彦・東京大教授(59)だ。小林流「シン・老いの常識」論が、幕を開けた。

 野生の動物は老いないなんて、にわかには信じがたい。率直な感想を漏らすと、何だかうれしそうに、小林さんは首を振った。「いやいや、ヒト以外の動物って、みんなピンピンコロリで死んでしまうんですよ」。生きている間はずっと元気で、死ぬのは突然に、というアレだ。

 例えばね、と挙げたのがサケ。「あの魚って、海から遡上(そじょう)してオスは放精してメスは産卵して、すぐに死ぬでしょ。要は生殖を済ませるまでは現役バリバリ。ところが、その直後に脳が萎縮して、ホルモンが出なくなる。サケにとって、老化は死を意味しているんです」

 次の例は、ゾウ。「この動物はがんにならない。動物の細胞自体の大きさは、だいたい同じなので、大きければ細胞の数も増える。体がヒトより100倍大きかったら、100倍がんになりやすいはずなんです。だけどゾウはがんにならないで60年以上生きます。死ぬ時は心筋梗塞(こうそく)とか循環器系の不具合が多くて、基本的には老化せずにコロリ。野生には、老いたゾウというのは存在しないんです」

 動物でも、特に哺乳類は、基本的にヒトと作りが同じだという。チンパンジーなんて、遺伝情報(ゲノム)の99%がヒトと同じなんて言われるのに、老いる前に死ぬらしい。

 「確かに飼われたペットや動物園の動物は老いますが、あれは例外。本来は野生動物って老いないんです。老いてもあまりいいことがない。死ぬ前に感染症にでもなったらどうします? 集団全体に広がるでしょ。さっさと死んだ方がいいんです」

 じゃあ、なぜヒトは老いるのだろう。というか、そもそも老いって何なのか。小林さんの解説、まずは死の問題だ。

 「残念ながら、生物が必ず死ぬのは、多様性のためです」。学者の口から出たのは、最近はやりのキーワード。本来は前向きな言葉なのに、何だかネガティブに聞こえる…

 

 

 
 
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